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ニュース 2025年9月5日(金)18:30

「果てしなきスカーレット」ベネチア映画祭会見に100名以上が参加、細田守監督が手ごたえ語る

(左から)岡田将生、芦田愛菜、細田守監督

(左から)岡田将生芦田愛菜、細田守監督

(C) KAZUKO WAKAYAMA

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細田守監督の最新作「果てしなきスカーレット」が、第82回ベネチア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品され、細田監督、芦田愛菜岡田将生が現地での公式記者会見とフォトコールに参加した。

主人公の王女・スカーレットが父の復讐に失敗するも、死者の国で再び、宿敵に復讐を果たそうとする物語。スカーレットの声を演じるのは、芦田。そして芦田演じるスカーレットと共に旅をする現代の日本人看護師・聖(ひじり)を岡田が演じる。さらに、スカーレットと聖の前に立ちはだかる最凶の宿敵・クローディアスに役所広司。そのほか、市村正親吉田鋼太郎、斉藤由貴、松重豊、山路和弘柄本時生青木崇高染谷将太、白山乃愛、白石加代子ら豪華俳優陣が集結する。

(C) KAZUKO WAKAYAMA

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会見には、海外メディアの記者や報道関係者が100名以上が参加した。この作品を作るきっかけについて尋ねられると細田監督は、「“復讐劇”の映画を作りたいと思いました。世界中の人が“復讐劇”(が描かれた作品)が好きだと思ったので、皆が見たいと思ってもらえる作品を作ろうと思ったんです。ただ“復讐”だけではなく、もう一つの要素として“赦し”という部分を同時に含めて、今までにない映画を作ろうと思いました」とコメント。製作のきっかけについて話すと同時に、本作を構成する重要な要素を明かす。

本作を製作するにあたり、特に難しかった点は「主人公のスカーレット(芦田)と聖(岡田)をどんな風に設定し、魅力的な人物にしていくのかという部分が難しかったです。“対比”ということに重きを置いて考えました。一人は王女、一人は看護師。その立場の違いを描くことによって、どちらも魅力的(な人物)に見えるように作っていきました」と回答。今回の主人公像については「これまでのプリンセス像のような、王子様に守られるプリンセスではなく、もっと新しい、自分自身で道を切り開いていくようなプリンセス像をこの映画では表現しました」と話す。

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さらに「今の世界情勢を踏まえ、この作品にどんなメッセージを込めたのか?」という質問には「今、この瞬間でも苦しい思いをしている子どもが世界中にたくさんいると思います。そういう子どもたちに、この世界に絶望しないでいてもらいたい。この世界が希望に満ちた世界であってほしいという願いが、一人の親として、一人の社会を構成する大人としてあります。子供たちを勇気づけるような世界になってほしいという願いを込めました」と自身の思いを明かした。

昨今のアニメーション作品と未来について聞かれると、「アニメーションの世界は非常に自由で何を表現してもいいと思います。今回“シェイクスピア”や“ダンテ”の作品を(モチーフに)映画を作るとは思っていませんでしたが、そのくらいアニメーション映画というのは新しい可能性があるということです。可能性が無限大なので、これからも面白い作品ができると思います」と展望を語った。

(C) KAZUKO WAKAYAMA

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芦田と岡田は、本作での役作りについて問われた。芦田は「スカーレットは中世の王女という役なので、王女として生きる使命感だったり、心構えをどう表現するか悩みました。中世の動乱の時代を生きたジャンヌダルクやエリザベス1世などの作品や映像を見て、イメージを膨らませていきました」「スカーレットは、混沌とした世界を一生懸命生き抜こうとし、そして、自分の想いを遂げようとする女の子なので、その一生懸命さが現代を生きる(この作品を観た)皆さんの生きる活力になっていただければいいなと思います」と回答。岡田は「(過去に)演劇でシェイクスピアをやったり、看護師の役を演じていたので、“聖”という役に関しては、自分の体に染み込んでいる状態でした。スカーレットに対する気持ちであったり、時間であったり、そういう部分を大切にしようと演じました」と振り返る。

公式上映を前に細田監督は「(会見に集まってくださった)プレスの皆さんがこの映画を気に入ってくださって、すごくいい質問を情熱的にたくさん投げかけてもらえて、この映画についてたくさん話すことが出来ましたし、芦田さんと岡田さんが、スカーレットとして、聖として、いい回答をしてくれているのを横で聞いていて、とても感激しました」と、世界のプレスの反応に手ごたえを感じていた。

果てしなきスカーレット」は、11月21日から日本公開され、12月12日からアメリカでも劇場公開される。

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