2025年10月25日(土)18:00
【「もののけ姫」声優秘話】松田洋治「特報で知った」石田ゆり子「反省点が多い」

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宮﨑駿監督作品「もののけ姫」の4KデジタルリマスターIMAXプレミア試写会が10月20日、東京・TOHOシネマズ新宿で行われ、声優を務めた松田洋治と石田ゆり子、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが登壇。当時の思い出を振り返り、驚きの秘話が次々と飛び出した。
1997年夏に公開された「もののけ姫」は、人間と自然の衝突を壮大なスケールで描写、主人公アシタカ(松田)とサン(石田)、タタラ場に生きる人々、そしてシシ神の森に棲む神々の交錯する運命を描く物語だ。

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声優オファーについて、松田は「事務所から『オーディションがあるから、スタジオジブリに行け』と言われた」と明かし、「でも、行ったら(他の候補者が)誰もいなくて。役について説明を受け、セリフを録ったが『きっとこれは、別の人のオーディションに使う声サンプルなんだ』と思った」と振り返る。
その後、連絡がないまま97年の年明けを迎え「知り合いから『洋治、すごいね。ジブリの新作の主役だね』って聞かされて。それで、忘れもしない『エビータ』を映画館に見に行って、(『もののけ姫』の)特報で自分が主役をやるんだと知った」と、声優起用の経緯を語った。当時、「風の谷のナウシカ」のアスベル役以外、ほとんどアフレコ経験はなく「自分で何か考えるじゃなく、当たって砕けろという気持ちだった」と心境を明かした。
一方の石田は「セリフがそんなにないんですね。動きや息、立ちのぼる気配というか、人間であって人間じゃない。動物になりたいが動物じゃないキャラクターで、難しかった」とサン像に言及。アフレコについて「全員のなかで、一番へたくそで、実際わたしひとりが居残り授業で。宮﨑さんは絶対に甘やかさない」と振り返ると、松田も「宮﨑さんはとことんこだわるので、OKが出ず、いったん止まると大変で、地獄が待ち受けている」と苦労を語った。

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「反省点も多い」とも明かす石田に対し、鈴木プロデューサーは「10年くらい前の話」として、「石田さんから『もののけ姫』の声をもう1回やり直したい、いまならやれると言われた。真剣な目で迫られたけど、僕は黙って(笑)。実際に声を録り直したら、音響のミックスから何まで、全てやり直し。いくらかかるんだろうって」と秘話を披露した。
「もののけ姫」は、97年7月12日の初公開時に、観客動員1420万人、興行収入193億円(※2020年の再公開により、現在は観客動員1500万人、興行収入201.8億円/興行通信社調べ)という前人未到の大ヒットを記録、社会現象を巻き起こした。

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松田は「ヒットはすると思っていたが、ここまでとは。公開前は『家族連れにはしんどい内容だから、そこまで数字は出ない』と言われていたし、僕もなるほど、それはそうかもと思った」といい、「僕にとっても『もののけ姫』があった松田洋治、『もののけ姫』がなかった松田洋治で、まったく違う俳優人生だったはず。最も大きな影響を与えた作品なのは間違いない」と感謝を伝えた。
また、石田は「私も同じで、海外に行って『どんな作品に出ているの?』と聞かれて、『もののけ姫』のサンだと答えると、『ワオ、グレイト!』ってものすごく尊敬される」とジブリのパワーを実感。「宮﨑さんもそうおっしゃっていますが、もしかするとこの作品を一番深いところで理解しているのは、10歳くらいのお子さんなのかも」と話していた。

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今回の4Kデジタルリマスターでは、映像の細部に至るまで鮮明になり、森の緑やキャラクターの表情、そして壮大なアクションシーンがより一層際立つ。特にIMAXでの上映では、高精細な映像とクリアなサウンドが、まるで物語の世界に入り込んだかのような没入感を生み出し、初めてこの作品に触れるかのような、新鮮な感動を提供する。10月24日から、全国のIMAX劇場にて期間限定で上映中。
作品情報

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