2025年5月20日(火)19:00
「ガンダム ジークアクス」元ネタガイド<キーワード編> 「キラキラ」「コンニチワオイソギデスカ」はどこで使われた
「機動戦士Gundam GQuuuuuuX」は「機動戦士ガンダム」第1作の架空戦記で、第1作の設定やキーワードがいくつも登場します。ガンダム初心者向けに、これまで「GQuuuuuuX」に登場したキーワードの元ネタをご紹介します。各項には登場話数を添えていますが、劇場版の「機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙(そら)編」でも多くの部分をフォローできます。

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目次
●キーワード編
・インストーラーデバイス:テム・レイの回路 第33話「コンスコン強襲」
・コンニチワオイソギデスカ:第27話「女スパイ潜入!」
・キラキラ:第41話「光る宇宙」
・ララ音: 第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」
・強襲揚陸艦「ペガサス」/「ソドン」
・ジオニックの新型:MS-14 ゲルググ/gMS-01 ゲルググ
・ゼクノバ:「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」
・インストーラーデバイス
MSの武装を可能にする部品「インストーラーデバイス」の意匠は、第1作の「テム・レイの回路」に似ています。
テム・レイは連邦軍でRX-78ガンダムの開発者、技術士官です。第1作第1話の戦闘でコロニーに空いた穴から宇宙に投げ出されて漂流し、酸素欠乏症にかかります。その後サイド6のジャンク屋に身を寄せていたところを、息子アムロ・レイに見つけられ、ガンダムに取り付けろと言って箱形の回路を渡しますが、それは時代遅れで役に立たないものでした。
「GQuuuuuuX」ではサイド7に穴が空いておらず、テム・レイのその後は不明です。
元ネタ:第33話「コンスコン強襲」、劇場3
・コンニチワオイソギデスカ
ニャアンが「インストーラーデバイス」の受け渡しに使った合言葉「こんにちわ お急ぎですか」「別に急いでいませんよ」は、第1作でベルファスト港にいるスパイ、ミハル・ラトキエとジオン軍の連絡員コノリーが接触に使った暗号です。この時は自転車に乗った2人が落ち合い、金(TV版ではカネ、劇場版ではキン)と潜入用の連邦軍制服を渡しています。
戦時に弟と妹を養うためスパイを行うミハルのエピソードは、第1作の中でも涙を誘う部分として知られています。
元ネタ:第27話「女スパイ潜入!」、劇場2
・キラキラ
「ニュータイプ」ないし「サイコミュ」の感応として描かれる、極彩色の空間「キラキラ」は、第1作の主人公アムロと、シャアの部下ララァ・スンの感応シーンを踏まえています。
アムロとララァはお互いを思い合いながら戦い、その戦いの中で特殊な空間で対話しています。これは劇場版「めぐりあい宇宙」や、続編「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」の回想シーンで、印象的に描き直されています。
イメージ的な演出と思われますが、鶴巻監督は本作では当事者たちに見える「ハルシネーション」(幻覚)として描くと「GQuuuuuuX」のパンフレットで語っています。
元ネタ:第41話「光る宇宙」、劇場3
・ララ音
ララァ・スンが、ソロモンの連邦艦艇を遠隔兵器「ビット」で攻撃したとき、近くにいたニュータイプたちに聞こえた「ラ、ラ…」という幻聴です。その後、強力なニュータイプであるララァ・スンの登場時に使われますが、「GQuuuuuuX」では特定の人物によらずニュータイプ能力の発現や感応時に共通して聞こえるようです。
元ネタ:第39話「ニュータイプ、シャリア・ブル」~第41話「光る宇宙」、劇場3
・強襲揚陸艦「ペガサス」/「ソドン」
第1作で主人公たちの母艦となる「ホワイトベース」は、「ペガサス級」の2番艦で設定上はネームシップとなる1番艦「ペガサス」が存在します。
「GQuuuuuuX」では、この1番艦「ペガサス」がサイド7に入港し、シャアに奪われジオン軍で「ソドン」と改名されています。艦長がパオロ・カシアスだったことは「ホワイトベース」と同じです。
第2次ソロモン会戦(ソロモン落とし)の画面では、連邦軍側でペガサス級がソロモンに随伴していることが確認できます。庵野秀明のシナリオ段階ではこちらが「ホワイトベース」とされ、ソドンとの同型艦の戦闘シーンが構想されていたようです。
「GQuuuuuuX」でのペガサス級のデザイン変更として、船体内に格納されていた回転居住区が船体外のリングになっています。シャアとシャリア・ブルがワインを楽しめるのはこのリングの回転による遠心力が疑似重力として作用しているためです。
なお、富野由悠季による小説版では「ホワイトベース」ではなく「ペガサス」と「ペガサスjr.」が登場します
元ネタ:第1作全般
・ジオニックの新型(MS-14 ゲルググ/gMS-01 ゲルググ)
「GQuuuuuuX」第2話ではRX-78ガンダムの奪取によって、ジオニックの新型がキャンセルされ、ガンダムをリバースエンジニアリングした機体が量産されるというマリガンのセリフがあります。
ジオニック社はジオンの兵器開発企業のひとつで、第1作では「MS-14 ゲルググ」に相当し、この名称が「GQuuuuuuX」第4話に登場したジオン製のガンダム量産機「gMS-01 ゲルググ」に与えられています。
第1作の「MS-14 ゲルググ」はビームライフルを運用可能にした、「RX-78 ガンダム」の実質的な対抗機でした。ただし開発は遅れており、「GQuuuuuuX」ではそのために「gMS-01 ゲルググ」の生産に切り替えられたとするのが順当でしょう。
第1作の「RX-78 ガンダム」の量産機は「RGM-79 ジム」ですが、「GQuuuuuuX」でこの開発番号は「RGM-79 軽キャノン(ガンキャノン ライトタイプ)」に転用されています。連邦軍では「RX-78 ガンダム」の実戦データが入手できなかったことから、「RX-77 ガンキャノン」系の量産へ切り替えたと考えられます。
元ネタ:第37話「テキサスの攻防」、第38話「再会、シャアとセイラ」ほか
・ゼクノバ
第二次ソロモン会戦で、宇宙要塞ソロモン(コンペイ島)の一部が「gMS-α ガンダム」(赤いガンダム)とともに消失した現象で、脳波通信システム「サイコミュ」の暴走とされます。これによりソロモンのバランスが崩れ、月面都市グラナダへの落下軌道から外れました。グラナダ地下に保管されていた「シャノンの薔薇」と呼ばれる物体が関与しているようです。
サイコミュによる物理現象は「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」で宇宙要塞「アクシズ」が地球に落とされるとき、これを落下軌道から押し返した現象があります。現象の中心にあったのはシャアの「サザビー」(コクピット部)とアムロの「νガンダム」でともに「サイコ・フレーム」というサイコミュの新技術を採用していました。虹色の発光現象を伴い、シャアとアムロはともに行方不明になっています。この原理不明の現象は後年の作品では「アクシズ・ショック」と名付けられています。
なお月への質量攻撃は、「機動戦士Zガンダム」第25話 「コロニーが落ちる日」でグラナダへのコロニー落とし(近傍に落下)、第45話 「天から来るもの」で同じくグラナダへの隕石アクシズ落とし(コロニーレーザーで軌道を変更)、「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」では月面都市フォン・ブラウンへのコロニー落とし(推進用レーザーの照射で回避)があります。
元ネタ:「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」
参考文献
編・著:皆川ゆか、監修:サンライズ「機動戦士ガンダム公式百科事典 GUNDAM OFFICIALS」講談社.2001.

アニメハック編集部コラム
[筆者紹介]
アニメハック編集部(アニメハックヘンシュウブ) 映画.comが運営する、アニメ総合情報サイト。
作品情報

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