2021年7月19日(月)19:00
松田利冴が「チート薬師のスローライフ」で双子の妹と共演して新鮮に感じたこと
(C)ケンノジ/一二三書房,チート薬師製作委員会
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7月7日から放送中の「チート薬師のスローライフ~異世界に作ろうドラッグストア~」は、元会社員のレイジが異世界転生して営むドラッグストアを舞台に描くコメディファンタジー。松田利冴(まつだ・りさえ)は、レイジのもとで働く人狼のノエラ役を演じ、3話から本格的に登場する富豪の娘エレイン役の松田颯水(さつみ)は彼女の双子の妹でもある。これまで双子役での共演が多かった2人が、血縁関係のないメインの役どころで共演するのは今回が初めてだという。いつもとはちょっと違う共演エピソードを交えながら、オーディションやアフレコへの取り組み方を話してもらった。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――役が決まった経緯を聞かせてください。
松田:ノエラ役はテープオーディションで決まったのですが、事務所のマネージャーさんから「ノエラと、もう1人好きなキャラでうけてほしい」と言われたのが最初でした。ノエラは、自分の考えだけだとオーディションをうけてみようとなかなか思うことができないキューティーな役だったので、マネージャーさんが言ってくれなかったらそもそもノエラと出会えていなかったと思います。声をかけてくれたのは新しいマネージャーさんで、こういったキャラクターも松田にはできるのではないかと思っていただけたらしく、テープオーディション用の音声も一緒に録ってくれました。
音声を録る前に家で練習していたときには、一緒に住んでいる妹の颯水にも聴いてもらいました。颯水は「いろいろな“かわいい”があると思うけど、利冴のノエラちゃんも全然ありなんじゃないかと思う」と言ってくれて、これまであまりなじみのないお芝居ではあったのですが、こういったお芝居もありなのではと自分でも自信をもってテープオーディション用音声の収録に臨みました。ちなみに、別事務所で他の作品では同じキャラのオーディションをうけることもある颯水は、ノエラではない役でうけていて、2人とも違うキャラを練習しているのをそれぞれ見ていたという感じでした。そのときは、まさか2人でこうして出演できるとは思っていなかったのですが。
私はハスキーよりの声質なので、録りながら野性味が強いノエラになっているかもしれないなと思ったのですが、マネージャーさんは「全然かわいかったですよ」と言ってくれたので、これはもう、こういうフェティシズムの人に刺さるか刺さらないかかなと(笑)。この“かわいい”がありだと思っていただけたら、松田としてはすごく楽しくお芝居ができるのではないかなと思いました。
(C)ケンノジ/一二三書房,チート薬師製作委員会
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――役が決まったあと、監督や音響監督の方から「松田さんのこういうところがよかったから決めた」という話を聞く機会はあったのですか。
松田:(力強く)ほんっとに「なんで私が選ばれたんだろう?」と今も思っています(笑)。コロナ禍ということもあって、今はスタッフの皆さんとお話しする機会が本当に少ないんです。なぜ私を選んでいただいたのか知らないまま今まできていまして、いつか理由をうかがえる機会があったらうれしいなと個人的に思っています。
――1話のアフレコには、どのように取り組まれたのでしょう。
松田:楽しくお芝居できるだろうことには自信があったのですが、普段なかなか使わない声の高さだったので、声がひっくり返ってしまったり、かすれてしまったりしたら、この子のかわいさが表現できないなという心配がありました。なので、この作品のアフレコ期間中は、いつも以上にのどのコンディションを整えるよう気をつけていました。辛いものを食べないとか、これまでは忘れてしまうこともあった寝るときのマスクも絶対に忘れないようにして。のどのケアを万全にすればあとは自由にお芝居ができる! という思いで挑んでいたと思います。
――印象的なディレクションがあったら聞かせてください。
松田:「かわいいところはちゃんとかわいく」と言っていただきながら、自由にお芝居させていただいた感じです。「アドリブをいっぱい入れていいですよ」と言っていただき、ノエラがよく言う「る」や「るー」もとりあえず入れられるだけ入れてみようと録っていきました。「チート薬師」はアフレコ時、ほとんど絵が完成しているフルカラーの状態でしたので、「ここ、ノエラがいるな」と思ったらアドリブし放題で、とくにノエラは役柄もあって好きにやれたように思います。
ノエラはあまり深く物事を考えていない子なので、皆さんがしゃべっていることをうけて思うままに「る」という言葉がでることが多いんですよね。バラバラにセリフを録るときには最後にやらせていだくことが多かったので、前のセリフを聴いて演じられたのはうれしかったです。
(C)ケンノジ/一二三書房,チート薬師製作委員会
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――レイジ役を演じる福島潤さんは、ギリギリを攻める面白いお芝居をされる方だと他の作品の取材のときに共演者の方から聞いたことがあります。
松田:たしかに福島さんが現場にいらっしゃるというだけで、「何か遊んできはるんじゃないかな」と思いますし(編注:松田さんは大阪出身)、自分も何かやりたい! と思わせていただいておりました。自分もお芝居の幅をもっと広げたくなるというか、「こういうこともできるかな」と家で準備していたのを覚えています。ただ今回は映像がほとんどできているぶん、他の作品のように“やりすぎる”というところまで攻めるのは難しいかもしれないと福島さんご自身も話されていました。
――序盤を拝見するかぎり、レイジは落ち着いた印象のキャラクターですものね。
松田:そうですね。それでも小説や漫画のレイジよりは、アニメで福島さんが演じられたことによって、もしかすると遊びがより増えているように見える方もいるのではないかなと思っていました。演じているみなさんにとって、アフレコの絵の完成度が高いぶん細かい表情まで分かるのでそれをひろってお芝居しやすい部分と、その枠のなかでどこまでチャレンジできるのかという部分が大きかったのかもしれません。
――細かいところですが、1話の最初で人狼のノエラが実際にオオカミになっている姿があって「ワオン」と鳴いていますが、これは松田さんが演じられているのでしょうか。
松田:あそこは私の声ではなくSEだと思います。1話でノエラの最初のセリフが、そのオオカミの声だったので、アフレコ前は「……私はどこまでやるんだろう?」と思っていたのですが(笑)、オオカミの姿のときは松田の声ではないかたちでやろうとなって、完成した作品を見て「あ、こういう声だったんだ」と思いました。
――3話は妹の松田颯水さんが演じるエレインの本格登場回です。これまでお2人が共演されたときは、役柄も双子のキャラクターのことが多かったと思いますが、今回は別々のキャラクターになりますね。
松田:これだけ話すキャラクター同士で、まったく血縁関係のない役柄での共演は初めてでした。ノエラはシンプルな言い回しでぽぽぽーんとしゃべる感じですが、他の皆さんは会話劇だなと思うぐらいセリフ量が多いことがよくあって、3話では颯水のほうが私よりいっぱいしゃべっているんです。エレインとしてしゃべっている颯水が音響監督さんから細かくディレクションを受けながら、どんどん芝居を変えていくのをブースの後ろで見守りながら、「すごい。ちゃんと変わっているよ、颯水!」と心のなかで応援していました。あんなにまじまじと颯水の収録姿を見る機会はなかったので、すごく新鮮だった記憶があります。
――本作のタイトルにちなんで、ふだん松田さんがドラッグストアでよく購入するものを聞かせてください。
松田:そう言われてみると、いろいろなものをなんでもドラッグストアで買っているふしがあります(笑)。そのなかでもいちばん消費して、これだけはきらしたくないとまとめて買っているのはデンタルフロス(糸ようじ)ですかね。ドラッグストアに行ったら必ず買いますし、みがき残しのない良いものがないか本数や値段なども比較しながら気合いをいれて選んでいます。
めちゃめちゃ個人的なことですが、大人になってから「歯みがきは歯ブラシだけでは終われないな」ということに気づいてから愛用しています。もしデンタルフロスを日常的に使っていないという方は、ドラッグストアで購入して試してみると口内環境がすごくよくなると思いますのでお勧めです(笑)。
※松田利冴さんがゲスト出演した「徳井青空のアニメハックTV #04」もあわせてご視聴ください。
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