「転生貴族の異世界冒険録」内田彩、「様」から「君」への変化＆OPテーマ・挿入歌にこめた思い

(C) 夜州／一二三書房・自重を知らない製作委員会

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放送中の「転生貴族の異世界冒険録 〜自重を知らない神々の使徒〜」は、神々から規格外の能力を与えられ、貴族の息子カインとして剣と魔法の世界に転生した男性の物語。南條愛乃が主人公カイン役を演じている。
　内田彩はカインの婚約者のひとりである令嬢シルク役を演じ、オープニングテーマも担当。「アニメハックTV」生配信の出演後、シルクを演じるときに気をつけているところや、自身の楽曲に映像がついたときの感想などを聞いた。（取材・構成：五所光太郎／アニメハック編集部）

――長い付き合いの徳井青空さんがMCの「アニメハックTV」に出演されていかがでしたか。

内田：徳井ちゃんが演じるティファーナが、ちょうど来週から登場するよという良いタイミングで遊びにこられて、作品のお話がたくさんできてよかったです。とても楽しい時間でした。

――「アニメハックTV」の徳井さんとのトークで、「転生貴族の異世界冒険録」は夕方に放送してもよさそうな内容だと話されていました。最初に原作を読んだときの印象を聞かせてください。

内田：オーディションの話をいただいたとき、まずコミカライズを読みました。カイン君がとにかくかわいくて、ほんわかしているところが魅力だなと思いました。アニメでは、私が勝手に想像していたよりもさらにかわいくなって、全体的にポップで楽しい感じがマシマシに感じられてうれしかったです。
　カインのお父さんやお母さん、私が演じるシルクのような女の子、王様や神様たち、老若男女みんながカインの魔法でいやされて、新しい発見をしていく楽しい様子がアニメーションになることで、よりくっきり浮かびあがった印象があります。異世界冒険ものや、ヒロインがたくさん出るハーレムものの要素だけでなく、番組で徳井ちゃんが言った家族もののような温かさもあるんですよね。カインによってメロメロにされていく登場人物みんながかわいくみえてきて好きになってしまう。そんな魅力があって、夕方に小さい子が見ても安心してアハハと楽しめる素敵なお話になっているなと、いつも思っています。

――公式のインタビュー動画では、カインの婚約者仲間であるテレスを演じる石見舞菜香さんとのユニゾンや、2人のキャラクターの違いをだすための工夫について話されていました。

内田：シルクとテレスは同じ年頃の似た境遇の女の子で、良いところのお嬢さんという雰囲気をつくろうとすると、どうしても感じが似てきてしまうんです。テレスは国のお姫様ですから、くずしてやってもよさそうなのはシルクかなと思い、音響監督さんからも、最初に私がもっていった演技のなかにあるボーイッシュな部分を強めにして、カインと男友達ぐらいの感じにすると、テレスと同じ令嬢というなかでも個性がでるんじゃないかと言っていただきました。そのあたりを意識しながら、ボーイッシュだけどきつい感じではなく、そこにお嬢様らしさもだすというバランスになるよう調整していきました。

――カインの呼び方が、シルクは「君」、テレサは「様」であるのが、カインに対するスタンスをあらわしているように思いました。

内田：最初は2人とも「カイン様」なんです。シルクとテレサが初登場した3話で2人一緒にカインに助けてもらったときは「様」で、途中で抜け駆けじゃないですけど、シルクがカインにひとりで話しかけ、途中から「君」付けになります。その話しかけ方もお嬢様らしい気遣いがあって素敵だなと思いました。お姫様のテレサは、なんでも受け入れてくれるホワンとしたところが魅力で、シルクはけっこう自分から動く能動的なタイプなのかなと。「君」付けになってからは、より男友達に近い感じを意識しています。

――シルクとテレサに続く3人目の婚約者として6話から登場するのが、徳井さん演じるティファーナです。

内田：エルフのティファーナは、実年齢的にはだいぶ年を重ねているはずですが、そんなに大人には見えないかわいらしいところがあって、とにかく言動にパワーを感じます。何かあると毎回ダダダッと駆けよっていくイメージで、番組で徳井ちゃんも話していたように本当に個性的で、シルクとテレス的にはきっと「なんだ、あの年上のお姉さんは」みたいになっていると思います（笑）。先に婚約しているのは私たちなんだからと、子どもらしくちょっとだけやきもちを焼きながら、2人でティファーナに対抗しようと協力しあうところがほほえましいですよね。

――内田さんが担当しているオープニングテーマ「Preview」について聞かせてください。

内田：オープニングテーマは作品の顔というイメージで、作品が紹介されるときの音楽として使われることも多いですから責任重大で、ありがたいと思いながら毎回プレッシャーを感じています。「Preview」はアニメの雰囲気を知る前にレコーディングしたこともあって、いつも以上にこの曲にどんな映像がつくんだろうと自分なりにいろいろ考えながら楽しみにしていました。番組でとくに好きなフレーズだとお話した、サビの「ひとりがふたりになって　みんなになって」というところなど、どういう映像がつくのだろうと思っていました。
　そんなふうに思っていたので、曲の盛り上がるところであのカインたちが走る映像がでてきたのは、まったくの想像外でした。全体的に、最初にもお話した家族ものっぽいにぎやかな感じもあって、本当にワクワクする映像で――これは今さらなんですけど映像を見た今、もし歌い直せるとしたら、もう少しポップでかわいらしく歌ったかもしれないです。レコーディングのときは、格好よくてさわやかで、強い意志でいこうみたいな王道な感じで歌おうと思った記憶があるので、映像にあわせたバージョンがあってもいいのかなと（笑）

――ギャップという言い方をしていいか分かりませんが、今の楽曲をバックに、サビあたりで壮大な映像がきそうなところであの走りがくるところが面白いのかなと思いました。

内田：とてもかわいらしくて、見るたびに愛着がわいてくるオープニングになっていて、アニメの大好きなポイントがもうひとつ増えました。

――「Preview」のカップリング曲も、挿入歌として本編で流れるそうですね。

内田：「Endless roll」という曲で、タイトルだけ聞くと「まだまだ旅は続くぜ」みたいなイメージに思われるかもしれませんが、すでに聴いてくださった方は、きっと終盤ぐらいのいい感じのところで流れるんじゃないかと思われているかもしれません。アニメ「転生貴族の異世界冒険録」は、前半のかわいらしくてにぎやかなトーンから、後半になると序盤にでてきたカインの使命に関する部分も描かれていく展開になっていきます。そんな雰囲気にもあっているんじゃないかと思います。

「Endless roll」をレコーディングした段階では、具体的にどのシーンで使われるかまでは分からなかったので、いただいた歌詞の雰囲気を自分なりにうけとめ、自分の声優人生、みんなとの思い出、コロナ禍のときに世の中が真っ暗になるような思いになったときのことなどを振り返りながら歌いました。そのせいか、楽曲を聴いてインタビューしてくださった方から、「内田さん、もしかして引退するんじゃないですよね？」と言われたことがありまして（笑）

――タイトルが「Preview」と「Endless roll」ですから、対になって何か深い意味があるように感じてしまうのも分かります。

内田：歌っているときは、オーバーでなくこれまでの人生を走馬灯のように見ているような感覚がありました。それぐらい気持ちをこめた「Endless roll」が、どんなところで流れるのか楽しみにしていただければと思います。

――シルクとテレスは、初登場のときにカインからリラックスする魔法をかけられていました。内田さんご自身がリラックスするための習慣があったら教えてください。

内田：最近は朝起きると、まずベランダにでます。レモンをメインにいろんな果物の木を育てていまして、水をあげるんです。今はちょうど花が咲く時期で（※取材時の5月上旬）、レモンの花ってすごくいい匂いがするんですよ。酸味のある果実のイメージとは違って、ジャスミンの花にちょっと似ているフローラルな香りがして。木の品種によってタイミングが良い感じにずれてくれるので、毎朝お世話をしながら花の香りをかぐとすごく落ち着きます。

――ちなみに、なぜ果物の木をメインに育てられているのでしょうか。

内田：……それはですね、コロナ禍で時間ができたときに、自分で育てたレモンでハイボールをつくりたいなと思いまして（笑）

――なるほど（笑）

内田：かわいらしいものを育ててますよってエピソードかと思いきや、目的はお酒っていう（笑）。植物を育てるのはいいですよ。天気や土のしめり具合を気にしたり、虫との戦いがあったり、小さな空間ではありますが自然が身近に感じられて、とてもいやされます。

※内田彩さんがゲスト出演した「徳井青空のアニメハックTV #23」もあわせてご視聴ください。

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アニメハック編集部（アニメハックヘンシュウブ） アニメハック公式YouTubeチャンネルで配信されている「アニメハックTV」の公式特集！出演ゲストのインタビューなど順次配信中です！