2023年10月18日(水)19:30
「暴食のベルセルク」逢坂良太&東城日沙子 強欲、怠惰…自らの欲望との向き合い方
(C)一色一凛/マイクロマガジン社/暴食のベルセルク製作委員会
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スキルの優劣が絶対の世界で、外れスキルの「暴食」持ちのため最底辺の暮らしをおくっていた少年フェイト。だが、彼のスキルには、殺した相手のスキルと能力を奪いとる真の能力があった。それに気づいたフェイトは“大罪武器”の黒剣グリードにも出合い、大きく運命が動き出していく……。
主人公フェイト役の逢坂良太と、メインヒロインであるロキシー役の東城日沙子は、同じ声優事務所EARLY WINGの先輩後輩の間柄。息のあったトークで作品の舞台裏を語ってくれた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
――「アニメハックTV」出演の感想を聞かせてください。
逢坂:徳井(青空)さんは素晴らしいMCだと分かっていましたので、本番はすべてお任せして、おんぶにだっこ状態で楽しませてもらいました。「暴食のベルセルク」の魅力も紹介させていただきましたが、特に後半はゲームコーナーなど、ただただ楽しくて、仕事をしたって感覚があまりないぐらいです(笑)
東城:本当に楽しい時間を徳井さんと逢坂さんにつくっていただき、視聴者の皆さんと共有できたことがすごくうれしかったです。視聴者の方のコメントがリアルタイムに見られる環境もありがたくて、一緒に盛り上がってもらえてよかったなと思いました。
――東城さんはロキシー役が初のメインヒロインだそうですね。役がきまったオーディションのときの話をあらためて伺わせてください。
東城:オーディションはテープオーディションのみで、正直手ごたえのようなものは全然ありませんでした。オーディションではマイン役もうけていて、自分の声質やお芝居的にどちらかといえばロキシーのほうなのかなと思っていた程度です。決まったときは、「本当に私で大丈夫ですか?」と思った記憶があります。
ロキシーは、非の打ちどころのない女性だという像が一貫してありました。女性から見ても憧れてしまう女の子ですよね。そこから聖騎士としての強さや、フェイトとの関係でどれぐらい“お姉さん味”をだしていくかのバランスは、実際の収録をつうじてスタッフさんとやりとりさせていただきながら決めていった感じです。
――逢坂さんは、オーディションのときのこと何か覚えておられるでしょうか。
逢坂:オーディションも収録もだいぶ前のことで、正直ほとんど覚えていません。僕自身の話になってしまいますが、最近は脇のほうの役として出演することが多かったので、東城さんと一緒で、正直受からないだろうなと思ってました(笑)
東城:(笑)
逢坂:もちろん、オーディションには全力で臨みましたが、「もう真ん中は無理だろ」ぐらいの感覚でいたので、うかったという知らせを聞いたときは驚きました。役に関して言うと、ふだんは原作を事前に細かくチェックするのですが、「暴食のベルセルク」については、あえて一切情報をいれずに収録に臨ませてもらいました。
――なぜ、そのようにされたのでしょう。
逢坂:主人公のフェイトは何も知らないゼロの状態からスタートするキャラクターで、グリードという剣と出会い、いろいろなことを知っていく物語ですので、事前に前知識をいれないほうが新鮮な気持ちで収録に臨めるかなと思いまして。ちょっと邪道かもしれませんが、僕自身もフェイトに近い立場として参加したかったんです。
――おふたりは同じ事務所ですが、主人公とメインヒロインとして共演することはどの時点で知ったのでしょうか。
逢坂:僕は台本をもらうまで知らなかったです。
東城:私は役がきまったときに教えてもらいました。頼りになる先輩が相手役で助かるなと、少しホッとしたのを覚えています。
――1話の収録は、どのようなかたちで進んでいったのでしょうか。
逢坂:コロナ禍の状況だったので、時間を分けて録っていくスタイルでした。1話は特に変則的で、まず出番が少ない方々のシーンを録りつつ、一緒に絡むシーンでは僕らが入り、次はフェイトと多くしゃべる人たちが録って、こちらも僕らが一緒に録る。最後に関(智一)さんが来て、グリードとフェイトのシーンを録るみたいな感じだったので、録る順番はけっこうバラバラでした。ただ、このやり方だと基本的に一緒にしゃべっている同士はみんなで録れるんですよね。最近よくある録り方だと、一緒のセリフが多い人同士でグループを分けて、それぞれで録るので、それだと掛け合えない人たちもでてくるんです。今回のようなやり方だと、時間はずれるけれども掛け合えるんですよね。そういう意味では、主演としてすごくやりやすかったですし、ありがたかったです。
――あえて事前に知識をいれずに収録されて、いかがでしたか。
逢坂:1話ずつ台本をいただいて、そのたびに「なるほど、こういう世界観なのか」と思いながら物語やキャラクターを理解していった感じでした。台本もあまり読みこみすぎないようにして、これはどの作品もそうなんですけど、あまり読みこみすぎると、その世界を“知りすぎてしまう”気がするんですよね。それだと僕の場合、キャラクターとして作品のなかで生きづらく感じてしまうところがあって。(芝居を)全部つくっていっちゃうと、こり固まってそれ以外の表現ができなくなってしまうので、現場で柔軟に対応するためにも事前につくりこみすぎないようにするというのが僕なりのやり方です。今回はとくにそれが功を奏したところがあるのではないかと自分では思っています。
――東城さんは、1話の収録いかがだったでしょうか。
東城:変則的ではありましたが、人と一緒に掛け合いながらできるありがたさを、あらためて感じながらの収録でした。ロキシーに関するディレクションで覚えているのは、原作ではロキシーにはかわいらしい少女の部分が感じられたので、その部分を多めにもっていったのですが、収録のときには「もう少し大人っぽくしていいですよ」と言われたことでした。これは、のちのフェイトとロキシーの関係性にも影響してくる部分で、最初はロキシーのほうが身長も高く、お姉さんとしてフェイトを引っ張っていくところから、フェイトが成長して関係性が変わっていく流れがより感じられるようになったのではないかと思います。
――3話以降の注目ポイントを聞かせてください。
逢坂:3話は、フェイトとロキシーのラブコメ的な日常回になります。職場の主人であるロキシーとそこで雇われているフェイトの距離が、とあるイベントで縮まるお話で、恋愛まではいかない、見ているほうがもどかしくなるドギマギ感があって、肩肘はらずに楽しめる話数になっていると思います。
東城:4話からは舞台もガラッと変わり、「暴食のベルセルク」ならではの世界観が本格的に表現されていきます。フェイトの大罪スキルの謎、新キャラクターのマインやエリスなど、個人的にも作品の魅力がすごくつまっていると感じられるエピソードですので、少なくとも“3話切り”はしないでほしいです。「暴食のベルセルク」の深い部分、ダークな要素、見ごたえのあるバトルシーンなどを楽しんでいただきたいです。
――作品にちなんで、7つの大罪である、暴食、色欲、強欲、憤怒、怠惰、傲慢、嫉妬のなかで、どの欲望にもっとも負けそうになっているかを聞かせてください。
逢坂:(きっぱりと)全部に負けてます。
一同:(笑)
逢坂:欲望をおさえこんでも、そのぶん逆にたまっていくというのが僕の持論なんですよ。適度に解放していかないと逆に体に悪そうだなと思いまして。ダイエットとかもそうですよね。朝と夜は節制するけど、昼は好きなものを食べるとか、ほどほどなほうが僕的には続きやすい気がして、極端っていうのがなんだか駄目みたいなんです。
――ということは、「アニメハックTV」内でお話されていた趣味のカメラも、あまりお金を使いすぎないようにされているわけですか。
逢坂:めっちゃ使ってます。
東城:すごい。「強欲」だ(笑)
逢坂:カメラの場合は最初に良いものをそろえて、のちのち欲しくならないようにするタイプなんです。中間や下のほうのものを最初に買うと、機能などが気になって最終的に上のものを買ってしまうんですよね。だったら、最初から良いものを買ったほうが無駄にならないのかなと。
カメラって資産的な側面もあって、わりと高く売れるんですよ。だったら最初から良いものを買って、それでたくさん写真を撮り、飽きたら売ればいい、みたいな。そうやって、どんどん欲望が増えていくんですけどね(笑)
――東城さんはいかがですか。
東城:私は「怠惰」に負けてしまうことが多いです(笑)。料理をしようという欲がわいても、食材を買って1日料理をすると「もういいや」と思ってしまい、余っている食材をもてあましてしまうことがあります。
――「怠惰」を改善するために心がけていることはありますか。
東城:「もう、こういう人間なんだ」と受けいれています。大罪を背負って生きていきたいと思っています(笑)
※逢坂良太さん&東城日沙子さんがゲスト出演した「徳井青空のアニメハックTV #27」もあわせてご視聴ください。
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