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インタビュー 2017年12月11日(月)18:00

最終回直前「妖アパ」主演・阿部敦&音響監督・明田川進が明かす「ベテラン声優たちが生み出す相乗効果」

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7月に放送を開始し、2クールにわたって放送されてきた「妖怪アパートの幽雅な日常」(以下「妖アパ」)が、ついに最終回を迎える。今回は、2012年発売のドラマCD(原作単行本第3巻特装版に付属)から、一貫して主人公の稲葉夕士を演じてきた声優・阿部敦(写真左)と、日本のアニメを黎明期から支え続けてきた、同作の音響監督・明田川進氏に、アニメ版「妖アパ」の収録を振り返りながら、クライマックスに向けての見どころを語ってもらった。

――連続2クールの「妖アパ」も、最終回が目前となりました。これまでの収録を振り返られて、現場の雰囲気はどのようなものでしたか。

阿部:僕にとっては先輩が多かったので、和やかながらも、本番が始まるとピリッとした緊張感が漂うという、メリハリの効いた現場でした。

明田川:僕はテレビアニメを担当するのが約4年ぶりなので、とにかく楽しみでした。ドラマCD7巻分を先行して収録していたこともあり、あらためて僕から役者さんにディレクションするということは一切なかったです。通常、テレビシリーズのアフレコは4時間ほどかかるものですが、本作ではわずか1時間30分から2時間ほど。役者さんが楽しんで演じられているのがわかる、あっという間のひとときでした。

――阿部さんは、ドラマCDから現在にいたるまで、主人公・稲葉夕士を演じてきた手応えはいかがですか。

阿部:セリフがものすごく多い役なので、大変ですね(笑)。とはいえ現場に入ってしまえば、諸先輩方とのセリフの応酬で、楽しく時間が過ぎていったという印象です。昨今のアニメの現場で、これだけのベテランの方々に囲まれて演じられる機会は本当に珍しいので、その幸せをひしひしと感じていました。

明田川:僕から見ても、阿部ちゃんは楽しそうでしたね。「妖アパ」の場合は、ドラマCDが非常に豪華な顔ぶれだったので、そのままアニメ版でも同じキャストでやれることになったのはとても幸運でした。経験ある役者さんは「相手がこうくるなら、こちらはこうやって応じよう」という役作りをしてくるものです。今回はみんな揃って大ベテランなので、役作りの相乗効果が生まれて、「妖アパ」の雰囲気を見事に表現してくれたと思います。

阿部:本当に、とてもぜいたくな時間でした。近頃はアニメの収録現場に行くと、僕が一番年上ということも少なくありません。ところが、今回では周りに先輩方がたくさんいてくれた。そのことが、妖怪アパート(寿荘)の人生経験豊かな先輩たちから、さまざまなことを学んでいく夕士君の境遇と、うまくリンクしたと思います。現場の空気のまま、妖怪アパートでの関係性にスッと入っていけましたね。

――そもそも、ドラマCD版からの豪華なキャスティングは、どのような意図のもとに行われたのでしょうか。

明田川:原作者の香月日輪さんに、明確なキャストのイメージがあったので、それをできる限り実現しました。こちらからは、全体のバランスを取るようにできればと提案しています。個々の役者さんは上手でも、妖怪アパートに住むほかの面々と、キャラクター性がかぶってしまうようではいけませんから。それぞれのキャラクターが魅力的に映るのはとても重視したことで、今回はそれが大成功したと思っています。なかでも、期待通りにすばらしかったのは、子安(武人)氏のフールです。どんどん役柄を膨らませて演じてくれました。石田(彰)氏の一色黎明も、氏のキャラクター作りのおもしろさがにじみ出ていますね。まり子役の三石(琴乃)さんには、いつも酔っ払っているキャラクターという新境地に挑戦していただきました。

――マスコットキャラクターである3匹の鳥を、杉田智和さん、子安武人さん、森川智之さんが演じていることも「豪華キャストすぎる!」と話題になりました。

明田川:キャストはドラマCD収録時に、ほとんど即興で決まったんです。3人の中で、たまたま最初に本役(古本屋)の収録があった杉田氏が、鳥たちのお芝居の方向性を決定付けてくれました。その上、子安氏も森川氏も大ベテランなので、杉田氏に合わせておもしろいお芝居をしてくれて、ここでも相乗効果が生まれた。杉田氏が地の声に近いお芝居をしているのを聞いた森川氏が「じゃあ俺は甲高い声で! 」なんてね。ブルーレイ&DVDボックス第2巻の特典CD用に、鳥が主役のボイスドラマも収録しました。兼役である鳥が、本役に絡む(役者が自分自身と会話する形になる)という、とてもおもしろい一幕も盛り込まれているので、楽しみにしていてください(笑)。

作品情報

妖怪アパートの幽雅な日常

妖怪アパートの幽雅な日常 31

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