2015年9月28日(月)15:00
「屍者の帝国」完成披露上映会が開催 監督の牧原亮太郎ほか、細谷佳正、村瀬歩、花澤香菜らが登壇
ノイタミナムービー第2弾「Project Itoh」のひとつとして、10月2日に封切られる「屍者の帝国」が、9月26日に東京・TOHOシネマズ 日本橋で完成披露上映会を開催した。
同作は、2009年に死去した小説家・伊藤計劃が遺した30ページの原稿を、芥川賞作家・円城塔が引き継いで完成させた小説が原作。「死者蘇生技術」が発達し、蘇った「屍者」を労働力として活用する19世紀末を舞台に、ヴィクター・フランケンシュタインが遺した、最初の屍者「ザ・ワン」を生み出すための技術が記された手記を追う、医学生ジョン・H・ワトソンの、世界を股にかけた壮大な旅を描く。
上映後は、ジョン・ワトソン役の細谷佳正、フライデー役の村瀬歩、ハダリー・リリス役の花澤香菜、本作の監督を務めた牧原亮太郎が登壇。アニメイベントではおなじみ鷲崎健の司会進行で牧原らが舞台挨拶を行い、作品のウラ話を披露した。
同作のオーディションは、テープに台本を読み上げた声を吹き込み、それをスタッフが選抜する方式で行われた。細谷は「役が決まったときは原作の存在を知らなかった。オーディションで使った原稿を何度も読みなおし、作品と役柄のイメージをつかんだ」ことを明かした。村瀬は「テープオーディションでは指示がないので、どのように演じるべきかとても迷った。自分なりに考え抜いて演じたので、決まったときの嬉しさはひとしおだった」という。一方、花澤は事前に原作を読んでいたが「このセクシーお姉さんを、わたしが演じられるだろうか」という不安を抱えてオーディションに臨んだという。
映画化にあたって、牧原は「原作のボリュームが大きく、脚本にすべてを盛り込めない。何が重要なのかを突き詰めた」と話し、伊藤計劃が遺した序文はあえて盛り込まなかったことを明かした。「重要な核として、絶対に使うべきだと感じていたが、伊藤さんと円城さんの関係のように、言葉を引き継いでいくことが一番重要だと気づいた」ためだ。
最後は、牧原が「伊藤さんは34歳で亡くなられたが、作業の佳境では自分も同じ歳だった。伊藤さんに『お前には俺が越えられるのか?』という問いを突きつけられ、自分なりの答えとして仕上げた」と話し、「伊藤さんに見ていただき、そのうえでお客さんに作品を届けられることが幸せ」と喜びながら、舞台挨拶の幕を降ろした。
「屍者の帝国」の後続となる「Project Itoh」作品は、11月13日から第2弾「虐殺器官」、12月4日から第3弾「ハーモニー」が劇場公開予定。
作品情報
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"死者蘇生技術"が発達し、屍を労働力とて活用いる19世紀末。ロンドンの医学生ジョン・H・ワトソンは、親友フライデーとの生前の約束どおり、自ら手で違法に屍者化を試みる。その行為は、諜報機関「ウォル...
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