「コンクリート・レボルティオ～超人幻想～」石川界人インタビュー　「カギは左手が握っている」と謎を暗示

石川界人「カギは左手が握っている」と謎を暗示

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「仮面ライダーディケイド」「轟轟戦隊ボウケンジャー」などの特撮作品で知られる會川昇が原作・脚本、「楽園追放 Expelled from Paradise」の水島精二が監督を務めたテレビアニメ「コンクリート・レボルティオ～超人幻想～」が、10月より放送を開始する。人智を絶する力を持つ「超人」が実在する、架空の元号・神化40年代の日本を舞台として、超人を保護する使命を帯びた厚生省の外郭団体「超人課」に所属する青年・人吉爾朗の奮闘を描く作品だ。今回は、同作の主人公・爾朗を演じる声優・石川界人にインタビューを行い、同作の見どころを聞いた。

石川は開口一番「現段階でお話できることがほとんどなくて・・・」と言い、記者を驚かせた。謎に包まれた爾朗の素性やキャラクター性が作品の重大な鍵を握っているからだ。しかし、演じている当人にすら見通せないミステリアスさや、「超人を守る」という使命感にまっすぐで真摯なところが爾朗の魅力だ、と石川はいう。

爾朗同様、同作はストーリーにも数多の謎をはらんでおり、演じる側にも想像力が要求される。石川自身、先の展開については聞かされておらず、進行に従って脚本・原作の會川に指示を仰ぎ、それを自身の中で再構築して演技に反映しているという。また、上坂すみれ（星野輝子役）や大先輩・三木眞一郎（人吉孫竹役）らとストーリーやキャラクターについての解釈を確認しあったりもしているそうだ。

「コンクリート・レボルティオ～超人幻想～」キービジュアル

(C) BONES・會川 昇/コンクリートレボルティオ製作委員会

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シリアスな作風だけに収録にも緊張感が漂い、石川にとっては「自分になかった視点や視野をこじ開けられています」と勉強の連続の現場だ。「（脚本に）予想だにしないセリフがあり、それに対して自分が用意した考え方に対しても、スタッフが自分には思いつかないようなアドバイスを返してくれる。プラスアルファの積み重ね、加算方式で作品ができあがっていくおもしろさがあります」

物語の舞台となる神化40年代は、現実における昭和40年代の合わせ鏡として設定されている。言葉づかい、ファッション、背景美術など、往時を知る人間にとってはノスタルジックな世界観だが、今年21歳の石川にとっては「むしろ新鮮でカッコイイ」ものとして映るのだとか。石川は「『昭和』がキーワードですが、演じているのは平成生まれの僕。昭和を知らない視聴者のみなさんにも、十分楽しめる内容になっている」と、若い世代にもアピールした。

序盤の見どころについては、魔女っ子である輝子の活躍をあげ「変身シーンもあるので、男の子としては外せない」と笑う。また、自動車からケンタウロス型に変形する巨大ロボット・エクウスの活躍も注目のポイントだ。一方、爾朗自身のアクションシーンの有無については「そのカギは（包帯に包まれた）左手が握っている」と思わせぶり。そのほか、劇中に登場する「超人」をあえて「ヒーロー」と呼んでいないことについても、重要な意味が隠されているのだという。

なお、石川お気に入りのキャラクターは、金尾哲夫演じる超人課の課長・秋田大司。「とても味のあるお爺ちゃん」で、作戦会議などで爾朗との絡みも多いとのこと。

最後に石川は「役者自身にも先が見えない展開。1カット、１セリフ、1文字にいたるまでムダのない緻密な内容で、すべてが伏線になっているかもしれません。各話で残されるさまざまな謎や空白について考え、先の話数でその答え合わせをしてもらいたいですね」と視聴者に作品の楽しみ方のひとつを伝えた。