2015年11月9日(月)20:00
在りし日の父の音源に終始にこやか 宮川彬良ら「宇宙戦艦ヤマト」の音楽を語る
左から小林治、宮川彬良、氷川竜介
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「宇宙戦艦ヤマト2199 コンサート2015&ヤマト音楽団大式典2012[Blu-ray 特別セット]」の発売を記念したイベント「宮川彬良のヤマトーク~ヤマトサウンド編 其の一~」が、11月5日に東京・新宿ピカデリーで開催された。
イベントの趣旨は「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌を作曲した音楽家・宮川泰を父に持ち、自身もシリーズの音楽制作に携わってきた宮川彬良が、これまでに行った2度の演奏会を振り返り、音楽の観点から「ヤマト」を語るというもの。宮川と、特撮研究家で「ヤマト」のファンクラブ会長を務めたこともある氷川竜介の2名が登壇し、MCのアニメライター・小林治を交えてトークを展開した。
「ヤマト音楽団大式典2012」がオーケストラではなく、ブラスバンドによる演奏だった点について理由を問われた宮川は「手違いでブラスバンドをおさえてしまった」ことを暴露。しかし、イベントを式典に見立てれば、むしろ吹奏楽の方が向いていることに気づいたのだという。ブラスバンドによる演奏は宮川自身も絶賛する仕上がりとなったが、オーケストラでの演奏を披露したいという想いは残り、それが「宇宙戦艦ヤマト2199 コンサート2015」へつながった。
続いては「コンサート2015」の映像を上映するフィルムコンサート。宮川は「後で『こんなはずじゃなかった』と思うのが嫌なので、自分の録音物を聴くことはあまりない。しかし、実際に上映を観てみると、みんなが微妙なタッチの違いをよく理解して演奏してくれていたことに気づけた」と笑顔を見せた。
その後、宮川はコンサートに参加したメンバーの紹介や、楽器に対する見識を披露しながら、譜面通りにいかないのがライブの醍醐味だと力説。「メトロノームは一切使わず、指揮者の棒と息、表情の連鎖でできている。ミュージシャンがその時に感じたひらめきが宝物」と語った。
コンサートの構成・演出面における話題が振られると「『2199』の第1話にある、森雪が子どもに話しかけるシーンのようにしたい」と考え、イベントのナレーションに森雪役の桑島法子を選んだことが明かされた。また「音楽会」として成立するように、コンサート中に使用する本編の映像、演奏する曲の順番などのバランスを取るために苦心したとのこと。
トーク終盤では、氷川の私物である「ヤマト」第1作目の劇伴音源も披露された。当時はパートごとに分かれて収録することができなかったため、全員が一堂に会して演奏しており、音源には指示を出す宮川泰の肉声も吹き込まれていた。在りし日の父が音楽制作に打ち込む様子を聴きながら、宮川は終始にこやかな表情を浮かべていた。
最後は、宮川が鍵盤ハーモニカで「ヤマト」のテーマを演奏し、イベントの幕を飾った。
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