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インタビュー 2016年6月8日(水)20:00

3つのクソゲーは作りたくなかった――「業物語」8bitゲーム制作秘話 「〈物語〉シリーズ」プロモーションチーム座談会(後編) (2)

(C)西尾維新/講談社

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小島:「愚物語」の罵倒サイトはPCのみの閲覧でしたが、「業物語」ではスマートフォンに特化しました。我々がやりたいことを一番伝わりやすいかたちにするための絞り込みでしたが、こうした思い切りができたのは、講談社さんサイドがいいよと言ってくださったおかげです。

矢島:一緒に仕事をしてきた皆さんの言うことだから信じようという感じでした。当時かなりバタバタされているんだろうなと察してはいましたが、そんなにご苦労されていたとは……。可愛いゲームができて嬉しかったですし、制作中のゲームを西尾さんにお見せしたときも楽しんでくださっていました。

滝沢:皆さんがギリギリまで良いものを作ろうと頑張ったものを、通してくれるのが本当に有り難いです。

小島:これはもう、これまで培ってきたチーム全体の信頼関係ゆえだと思います。同じ面子で長くやっているからこその良さですよね。

篠田:天野さんが作っているゲームが面白そうだったので、CMについても、小島さんと「もうゲームの告知でいいんじゃないか」と話して、ゲームの告知をするだけのものになったんです。これも、かなり思いきった作りにできました。

天野:あの作りは、めちゃくちゃ面白かったです。テレビCMで、サイトだけのCMをするなんて聞いたことないですから。

小島:ゲーム自体が試読体験になっているから、結果、本の宣伝にもなっている。そこを理解していただけたおかげです。

(C)西尾維新/講談社

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天野:信頼していただいているおかげで途中でコンセプトが覆らないというのはとても大きいんですよ。だから、クリエイティブなところが詰められる。途中で変わってしまうと、一から作り直しになってしまいますから。

小島:同じチームでやっているからスピード感も半端なくて、とにかく会議でいちばんのネタをかたちにしていくという関係値がしっかりとできあがっているんですよ。すべての仕事がこんな風にできたらいいなと思うぐらいです。

――最後に、今後の抱負を聞かせてください。

小島:本を売る時、普段はアニメ化や映画化などのメディアミックスをするところを、今回のプロジェクトでは企画の力だけでかなりいけたという手応えがあります。今後ももっと高めて、色々なことができる企画を作っていきたいです。

天野:作家性の強い方の仕事をするときは、その方と同じ気持ちになって考えるのが好きなんです。今回でいえば「もし西尾先生がウェブディレクターだったら、こういうことをされるんじゃないか」といった感じですね。今後も、西尾先生と同じクリエイティブをかたちにすることを目標に、ファンの方々に喜んでいただけるものを作っていければ最高だなと思います。

篠田:僕自身、物語シリーズの熱狂的なファンなので、このプロジェクトに関われていること自体がすごく嬉しいんです。たぶん僕がいちばんファンと目線が近いんじゃないかと思います。普通、プロモーションの仕事では、ファン目線を外してやる人が多いですが、このプロジェクトに関しては、とにかく素人目線を大事にしながら参加できたらなと思っています。

矢島:「<物語>シリーズ」のためにすごい才能をもった方たちが集まってくださっているのは、とても素晴らしいことだと思いますし、改めて作品の力を感じています。これからも皆さんの力をお借りして、西尾さんの作品を世界にまで広めていきたいです。

滝沢:作っている人も、それを見る人も、西尾先生も、みんなが幸せになれるようなクリエイティブを今後も作っていければと思っています。

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化物語 40

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