2016年9月24日（土）20:00

「アンジュ・ヴィエルジュ」最終回直前インタビュー　蒼月紗夜役・寿美菜子と振り返る「絆」を結ぶ5つの世界の旅路 (2)

――アルマリアがコンプレックスを克服する第4、5話はいかがでしたか？

(C)KADOKAWA・SEGA／アンジュ・ヴィエルジュ・フィルムパートナーズ

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寿：「黒の世界」では、それ以降のアルマが、かわいらしい一面を見せてくれるようになったのが嬉しかったですね。別録りの時も、アルマの声が聞こえないだけで物足りなく感じるようになってしまいました。それが寿美菜子としてなのか、紗夜としてなのか、多分どちらもだと思います（笑）。イベント（の楽屋）などで、アルマ役のはらみー（原由実）さんとお話する機会も多いんですが、アルマのかわいさを力説させていただきました。

――「赤の世界」を舞台に、エルエルが親友のレミエルと対決する第6、7話は？

寿：エルエルは最初からキャラクター性が際立っていたので、私からは、ある意味で完璧に見えていました。でもレミエルから「存在が嘘」とまで言われてしまって……。「なんという名言！」と思ってしまいました（笑）。あんなふうに言われてしまったら、なかなか立ち直れないですよね。でも、（エルエル役の豊崎）愛生ちゃんも、（レミエル役の悠木）碧ちゃんも、すごく楽しそうに演じていたのが印象的でした（笑）。紗夜としても「友だち」というものを再確認できた、とても重要なエピソードだったと思います。

――では、ステラを主軸に据えた「白の世界」でのエピソードとなる第8、9話は？

(C)KADOKAWA・SEGA／アンジュ・ヴィエルジュ・フィルムパートナーズ

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寿：ステラ役の立花理香さんとは、今作がほとんど初共演だったので、どんなお芝居をされるのかとても楽しみでした。まっさらな状態から、少しずつ積み上げられていくステラの感情の変化を、絶妙に表現されていらっしゃったので、不覚にもキュンとしてしまいました（笑）。紗夜が熱く気持ちをぶつけたことで、ようやく心の通じた会話ができた、その瞬間にとても感動しました。以降は「オバさんかな、ママかな」って紗夜のことを慕ってくれるようになったので、ステラのことがかわいくてしかたないです（笑）。

ほかにも、カレンとセニアが合体した姿は、カレン役の茅原（実里）さんと、セニア役の花澤（香菜）さんが、ほとんど下準備なく声を合わせてお芝居されていたのですが、あまりのシンクロ度に息をのんでしまいました。

――「緑の世界」を訪れる第10話では、これまでやる気のなかったナイアの過去が明らかになり、大活躍しますね。

寿：もうナイアがかっこよくて!!　ナイア役のブリちゃん（ブリドカットセーラ恵美）は、熱い展開が大好きらしく、ずっと「私も戦いたいです！」って言っていましたから、今まで溜めてきたものが、ここに来て爆発していましたね（笑）。

――堂々のクライマックスとなる第11話と第12話（最終回）は？

寿：紗夜は、天音に伝えたい思いを原動力に、ここまでやってきました。その心の声をようやく届けることができるということで、いろいろなことを考えました。

そのために立ちはだかる御影葵先輩は、とても強い存在感を放つキャラクターで、田村監督としても強いこだわりがあったようです。御影先輩が吹いている口笛の曲に、ちゃんと指定があったんですよ（笑）。また、御影先輩は紗夜と同じく剣を得意としているので、対決シーンの収録にあたっては武士のような心持ちで挑みました。

そして、ついに天音との再会ですが……「天音なりに抱えているものがあったんだ」ということが見えてくる最終話になっていると思います。お互いに悪気なく発した、ちょっとした言葉の足りなさが、大きなすれ違いを招いてしまう。現代社会の人間関係を表しているんじゃないかと思います。たとえば、Twitterで「いいね！」が付くか付かないか、ということにも繋がりますが、「アンジュ・ヴィエルジュ」ってやっぱり、シビアなところがある物語なんです。

――美少女勢ぞろいのキュートなビジュアルからは想像できないことですが、意外にも、人間関係の難しさや大切さを、正面から描いている作品ですよね。

寿：そうなんです。それは、エルエルのエクシードに如実に現れていますよね。エルエルは「友だちのエクシードを借りて使うことができる」能力の持ち主ですが、心から信頼できる絆がないと、能力を借りることができない。そして、プログレスとαドライバーも、絆がなければ強力な力を発揮することができません。ビジュアル的にはとてもかわいらしく、お風呂に入っていることも多い作品ですが（笑）、根幹にはとても人情味あふれるストーリーがある。毎話の脚本を読むたびに、ジーンと来ていました。