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ニュース 2016年9月23日(金)17:30

「3月のライオン」1話完成に新房昭之監督「これまでにない新しい挑戦」 羽海野氏と相性ピッタリ

河西健吾、岡本信彦

河西健吾岡本信彦

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羽海野チカ氏の人気漫画を「〈物語〉シリーズ」の新房昭之監督とシャフト(アニメーション制作)のタッグでテレビアニメ化する「3月のライオン」の試写会が9月23日、東京・渋谷のNHKで行われ、声優キャストの河西健吾岡本信彦、企画プロデューサーを務めるシャフトの久保田光俊代表らが出席した。

本作は、幼い頃に事故で家族を失って以来、心を閉ざしてしまった17歳の青年・桐山零がプロ棋士として戦う姿と、川本3姉妹との心の交流を描く。初公開された第1話は、冒頭の約9分半に渡り主人公が喋らず、音楽や映像、他のキャラクターのセリフを通して主人公の心の機微や境遇がつづられている。本映像に対し羽海野氏は、「第1話を見たら、私のマンガの第1話で描いたお話に、そのまんま色がついて動き出して、そして私のマンガそのものなのに大好きな新房監督とシャフトさんの作品になっていました」「胸いっぱいです」と喜びのコメントを寄せている。

「化物語」「魔法少女まどか☆マギカ」などで独自の映像表現を提示してきた新房監督が、羽海野氏の作品をどのように映像化するのかいう点が注目されており、この日も「新房監督と羽海野氏のテイストの愛称はどうなのか?」という質問があがった。久保田氏は、羽海野氏が自らスタッフを指名したことについて触れ「羽海野さんからのリクエストということもあり、新房さんの作品をたくさんご覧になっている。脚本会議では羽海野さんと新房さんが同席してセッションしている。仕事以外のところでも、話題を共有できる。そういったところもスムーズ。意見は同じではないが、うまく進めることができている」と制作現場での様子を明かす。

さらに「どの作品も、原作をアニメーションとして最大限表現できるのはどういう方法かということを新房さんと考えながら進めている。羽海野さんの柔らかい優しい世界をどうやって表現するのかというのは、別の意味で挑戦だった」と胸を張り、「新しいアニメーションの世界に挑戦できた」「羽海野さんとの相性は良く、現場は進んでいる」と語った。

この日は新房監督からのコメントも披露され「すでに皆さんご存知の『3月のライオン』ではありますが、さらにもっと多くの幅広い世代に見ていただける作品にしていきたいと自分を含めスタッフ一同これまでにない新しい挑戦に奮励しております」と原作への思いや制作に対する意気込みが発表された。

原作の世界観こそが、最も尊重すべき要素であると語る制作陣。現場の苦労を問われた久保田氏は「原作は登場人物がもがき戦い、前に進んでいく。それを再現するには、キャラクターたちがドラマを演じるための舞台をちゃんと設定してしかなければいけない。美術設定、背景などをどうやって違和感なくキャラクターとマッチングさせるか。キャラクター造形にしてもリアリティ溢れる形にするために取材を繰り返している」と説明した。

また声優陣は「飽きさせない演出をしている。素晴らしいものができた」(河西)、「一番すごいのは間。アニメは情報を詰めて伝えていくが、本作は空気感と雰囲気で見せていく」(岡本)と称賛した。テレビアニメ「3月のライオン」は、NHK総合で10月8日午後11時から放送開始。

作品情報

3月のライオン

3月のライオン 55

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