トランペット経験者の山岡ゆり、「響け！ユーフォニアム」は「“吹奏楽あるある”がいたるところにある作品」 (2)

――2年生といえば、第1期から登場していた鎧塚みぞれがしゃべっているシーンがPVにありましたね。

山岡：みぞれちゃんは第1期では一言もしゃべっていないのですが、妙に彼女の入った画面が抜かれていて、変わったかたちでスポットがあたっていることが多かった。そんな彼女が劇場版では、初めて一言だけしゃべっていました。そうしたキャラ立てをされてきているので、第2期では何かあるのではないかと感じられる子です。

――しかも、優子と出身中学が同じですよね。

山岡：そうですね。彼女は口数が少なくて、あまり多くを語らないんです。けれど、吹奏楽をやっているということは、たぶん何かしら強い信念をもっている子なんじゃないかと思います。

――PVには、部に復帰しようとする傘木希美というキャラクターも出てきますね。

山岡：この子については、言えない部分が多いんです。いい子なんだと思いますけど、彼女が部に戻ろうとすることで、まとまりかけていた部をちょっと引っかき回してしまうのかな、どうなるのかなという感じです。第2期では他に、橋本真博、新山聡美という2人のOBの先輩も登場します。吹奏楽部って、顧問の先生以外にも、OBの方に指導してもらうことが多い。滝（昇）先生だけでなくOBの先生達の力も借りて全国大会を目指して頑張るなかで、これまでとは違った何かが出てくるのではないかと思います。

――アフレコ現場の雰囲気は、どのような感じでしょうか。

山岡：和気あいあいとした雰囲気で、スタジオに吹奏楽部がそのままある感じです。キャストの皆さんが、本当に1年生、2年生、3年生、先生みたいな役割になっているんです。若い子がメインの1年生が場を盛り上げ、それを上級生や先生を演じている先輩方が温かく見守っているような。その空気感が、作品に見事にマッチしているのではないかと思います。

――第2期では、どんなところに注目して観てほしいですか？

山岡：吹奏楽部には芯の強い子が多くて、みぞれちゃんのようにあまりしゃべらない子にも、何かしら強い芯があると思います。そういう一人ひとりの人間模様や、人と人との関わりあいが、第1期以上に濃く描かれているので、そこは見どころのひとつだと思います。演奏面でも、それぞれの人間模様が演奏にどう表れていくかというところにも注目して観ていただきたいです。

――本作のスタッフやキャストには、吹奏楽経験のある方が多いそうですね。トランペットの演奏経験がある山岡さんからみて、本作での吹奏楽部の描かれ方は、どう映りましたか。

山岡：すごくリアルですよね。「吹奏楽あるある」がいたるところにあって、スタッフの方はたくさん取材をされたんだろうなと思いました。例えば、練習するときに下に毛布を敷いていますけど、あれは毛布に音を吸収させて響かないようにしているんです。音が響いちゃうと自分が上手くなったような気になったり、音が大きすぎると思ったりしてしまうので。あと、最初は声に出して音をとるっていうのもそうですね。「楽器なのにどうして？」と思われる方もいるかもしれませんが、自分で音がわかっていないと、ちゃんとしたピッチの音が出ない。私も実際にやったことがありました。

「響け！ユーフォニアム2」キービジュアル

(C) 武田綾乃・宝島社/『響け！』製作委員会

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――オーディションで、後輩がソロを勝ちとるようなことも、実際にあったりするのでしょうか？

山岡：実力主義なところはありますね。文化系なのに外を走ったり、上下関係がキツかったりと、けっこう体育系な部分があったりするところも、まさに吹奏楽部だなあと。作品で描かれているような人と人とのぶつかり合いも、実際にあってもおかしくない、リアルな描写だと思います。

――最後に、第2期の見どころを教えてください。

山岡：演奏も人間模様もすごくリアルに描かれていて、吹奏楽部がどういうものか、この作品から感じとっていただけると思います。経験のある方はもちろん、そうでない方も「ああ、吹奏楽部ってこういうものなんだ」と感じてもらえるのではないかなあと。みんなの演奏も、全国大会に向けてどんどん上手くなっていきますので、演奏の方にも耳を傾けてもらえると嬉しいです。

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