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インタビュー 2017年2月24日(金)10:00

安済知佳、戸松遥、豊崎愛生が語る「クズの本懐」 心の闇を描きだすストーリー「役者冥利に尽きる」 (2)

■安済にとって花火は初めての「共感できない」役どころ 恋のパートナー・麦のことも嫌いに!?

安済:そういう経緯だったので、原作をしっかりと読み込んだのは、役が決まってからでした。ところが花火、なんと女の子ともチューしちゃってる(苦笑)。「好きな人以外とチューしちゃいけないんだからな!」って、お説教しながら読み進めていきました。自分の役に共感できなかったのは、これが初めての経験でしたね。

――そうだったんですか?

(C) mengo yokoyari/SQUARE ENIX

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安済:もちろん、演じているときは花火の気持ちになっていますが、役を離れてみると「思春期をこじらせている」感じが痛々しくて……。だから私にとっては、戸松さんや豊崎さんたちとのかけ合いの中で、初めて知る感情がたくさんあります。特にえっちゃん(早苗)には本当、申し訳ないです……。

戸松:第7話以降、特にね(笑)。私は事前に原作を読んで、そこから演じてみたい役を選んでテープに声を吹き込むという流れのオーディションでした。

豊崎:私も同じです。花火ちゃんも演じてみましたが、思春期の不器用さや一生懸命さは、役者本人からにじみ出てくるものが大きく影響してくると思うんです。なので、私の中では、圧倒的に茜さんに魅力を感じていました。少し大人になった女性の、ちょっとした諦めや絶望感、ズルさを表現してみたいなと。

戸松:私も最可以外は受けたのですが、やっぱり早苗が演じていて一番しっくりきましたね。女の子相手の恋愛や、闇への堕ち方など、自分が演じてみたらどんなふうになるんだろう? という好奇心が強く働きました。私自身、女子校出身なので、その経験が活かせたらいいなと思って演じています。

――戸松さんと豊崎さんは、ご自身の役柄に共感できるところはありますか?

戸松:花火よりも、自分の芯があるのは早苗かなと。譲れないものを持っている意志の強さは、恋愛に限らずですが、共通するところがありますね。

豊崎:茜さんは「共感できます」って言うのが、はばかられるキャラクターなんですよね……(苦笑)。

(一同爆笑)

豊崎:異性に対する「女」としての茜さんには、理解しがたい部分がたくさんあるんですが、自分を役に重ねていくという道のりの中で、人間として共感できる部分は意外に多いということに気づいてしまいました。茜さんは「ザ・思春期」の花火ちゃんのことが、きっとまぶしいんです。大人になると、そういう感情は少なからず理解できるようになってくると思うので、なんだか嫌いになれません。とても人間臭くて、かわいい人だなと感じています。「クズの本懐」を読んでいると、内に秘めた「クズ心」にくすぐられてしまうんですよね。

――役への共感と言えば、ご自身が演じるキャラクター以外に、好きなキャラクターはいますか?

(C) mengo yokoyari/SQUARE ENIX

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安済:最可です! とても純粋に恋をしているから。だから、第7話で麦のことが嫌いになりました!!

(一同爆笑)

安済:「お前ふざけんなよ!!」って(笑)。麦ってああいう人間だとわかっているので、それまでのクズ行為はスルーできていたんですが、これだけは見逃せませんでした。「俺のこと好き?」って確認を取ってから、というあたりがまたズルい。「絶対に痛い目を見るからな!!」って言ってやりたかったです!!

豊崎:好きなキャラクターの話題だよ!?

安済:それにのまれないで、思い切った最可がカッコよかったです! 花火がとても感情に流されやすい、危ういところのある子なので、そうでない最可のしっかりしたところに惹かれますね。

(C) mengo yokoyari/SQUARE ENIX

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あとは、えっちゃんも大好きです。花火自身が普通の女の子としてコミュニケーションを楽しんでいたのは、えっちゃんとの最初期の会話だけだったんですよね。友達としてやり取りできた、あのわずかな時間を、とても尊く感じています。余談ですが、実写ドラマ版「クズの本懐」では、えっちゃんと花火のキスシーンに、とてもドキドキしてしまいました。なんだか、見てはいけないものを見ているような感覚で……(笑)。

戸松:私は次回(第8話)登場の新キャラクターがイチオシです。

安済:わかる!!

戸松:本当にいいヤツなんですよ! ちょっと変わった空気感を持った子ではあるんですが、とてもまっすぐなので。

豊崎:浅沼晋太郎さんのお芝居も自然体で、スーッと入ってくるんだよね。混じりけのない、男の子の純真さが、とても素直に表現されていて……。

戸松:誰が演じるのかな? と思っていたんですが、納得のキャスティングでしたね。

豊崎:茜さんは、麦が「仮面」と表現するように、言葉と本心が裏腹で、他人と向き合って会話をするシーンが少ない。そんな中で、花火に対してだけは、少しだけ本性を見せる。花火の反応に対して、言葉や行動を選んでいく。それがおもしろいなと思っています。知佳ちゃんは演じていて心に傷を負っているかもしれませんが、私が心動かされる存在は花火ですね。あと、鐘井(鳴海)先生は大天使です。

安済:お兄ちゃん(鐘井)は、今日収録した第11話で大天使から神にランクアップしました(笑)。

作品情報

クズの本懐

クズの本懐 48

高校二年生の安楽岡花火は、叶わぬ恋に身を焦がしていた。大事な人を傷つけ、傷つきながらも求めてしまう人のぬくもり。これは、あまりにも純粋で歪んだ恋愛ストーリー。

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