2017年4月28日(金)20:30
「血界戦線 & BEYOND」小山力也&宮本充インタビュー 「血界戦線」の奥深さと、受け継がれる役者魂 (2)
■「血界戦線」収録の舞台裏 連綿と受け継がれていく技術と役者の魂
――前シリーズ「血界戦線」は、キャストのラインナップが信じられないくらい豪華で、度肝を抜かれてしまいました。
小山:先輩のみなさま方はもちろん、僕よりずっと若い面々も出演していますが、いずれも主役級ですから、本当にオールスターズですよ(笑)。みんな、それぞれに「芝居のし甲斐」を見つけているように思います。
――個人的には、飯塚昭三さんがゲストキャラクターのドン・アルルエル・エルカ・フルグルシュ役で出演された第3話「世界と世界のゲーム」は特に衝撃的でした。
小山:僕は特撮作品(「仮面ライダーBLACK RX」)に顔出しで出演していた時代――平成元年ですね――から、飯塚さんにはかわいがっていただいています。飯塚さんは悪の組織の幹部(海兵隊長ボスガン役)として、何十回目かの地球侵略でした(笑)。
宮本:何度も地球征服に失敗して(笑)。
小山:「血界戦線」は絵も音楽も丹精込めて作られている作品なので、作品のトータルバランスとして考えると、声も「この人に来てもらわないと、深みが出せない!」という納得のキャスティングでしたね。
――そんな前シリーズの収録現場の雰囲気は、どのようなものだったのでしょうか?
小山:最初は結構時間がかかりましたが、それは役作りに費やした時間であり、イージーミスはほとんどなかったので、とにかく楽しかったですね。「そこまで凝ることないだろう!?」って思うくらいのお芝居も飛び出して、それに合わせて録り直すことになったり。とてもハードな現場でしたが、ありがたい手間のかけ方をすることができたと思います。
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宮本:僕は今でも駆け出しの気分なんですが(笑)、「血界戦線」は本当にキャリアのスタートを思い出してしまうような顔ぶれで嬉しかったですね。大ベテランの方々の背中を見ながらお芝居ができて、とても落ち着ける現場でした。同じ時代を過ごし、価値観を共有できる人たちと共演できるのは、とても楽しかったです。新シリーズでも、そんな人たちが来てくれると嬉しいなあ。
小山:原作者の内藤泰弘先生の中には、原作キャラクターのキャスティングイメージがかなりハッキリとありそうなので、ファンのみなさんの期待を裏切らないものになると思いますよ。
宮本:僕が演劇を始めたころの同期である(ブリッツ・T・エイブラムス役の)大塚明夫と、アニメで共演できたのも、とても幸運でしたね。彼とは外画ではよく会うんですが、アニメの現場で一緒になる機会には、なぜかほとんど恵まれなくて(苦笑)。あと、僕は(アマグラナフ・ルォーゾンタム・ウーヴ・リ・ネジ役の)大谷育江さんがかわいらしくて好きなので、来てくださって嬉しかったです(笑)。
小山:僕は(ドグ・ハマー役の)マモ(宮野真守)がハマってくれたのが嬉しかったですね。(裸獣汁外衛賤厳役の)柴田秀勝さんの存在感も、とても印象的でした。(パトリック役の)石塚運昇さんはカッコイイし、お芝居に艶があるんですが、根がかわいらしい方なので、そのバランスがとてもおもしろかった。「血界戦線」は、それぞれの役者のカラーが如実に出る作品だと思います。
宮本さんがおっしゃったように「血界戦線」は、外画のような布陣ですが、近年は外画の予算も少なくなり、ベテランの起用を避ける傾向にありまして……。でも、ベテランのみなさんには、尺に合わせて上っ面のセリフをしゃべるだけではない、かけあいの中から生まれてくる、お芝居の真骨頂を魅せてくださる方がたくさんいらっしゃいます。若手も、そんな先輩方の背中を見ながら自分の芝居を高めていく、というのが正しいあり方だと思うので、「血界戦線」のようにベテランから若手までが一堂に会し、しのぎを削る作品は本当に貴重ですね。
宮本:偉いなあ!! 急にどうしたの(笑)。
小山:「血界戦線」の現場は、それだけおもしろいってことですよ(笑)。絵を尊敬し、音を尊敬し、それに応えるため、心を震わせてお芝居をする。そういうキャストが集まる現場だと思います。
宮本:「そうしないといけない」とみんなが思ってしまう作品なんだよね。手を抜いてお芝居することを許さない、真剣勝負の空気が終始漂っていました。
作品情報
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現世が異界(ビヨンド)と交わる街ヘルサレムズ・ロットを舞台に、秘密結社ライブラのメンバーが世界の均衡を保つため、新たな事件に立ち向かう。
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