2017年4月28日(金)20:30
「血界戦線 & BEYOND」小山力也&宮本充インタビュー 「血界戦線」の奥深さと、受け継がれる役者魂 (3)
――前シリーズでお気に入りのエピソードはありましたか?
宮本:僕は第3話「世界と世界のゲーム」、第4話「BLOOD LINE FEVER」、第6話「Don’t forget to don’t forget me」が、特に印象に残っています。
「BLOOD LINE FEVER」は、「1000年かかろうが1500年かかろうが、人類は必ず君達に追いつく。不死者を死なせるという矛盾を御する日がきっと来る」という、スティーブンのセリフがとてもカッコよかったので。僕はこういう、装飾が多い大仰なセリフが大好きなんです(笑)。
「世界と世界のゲーム」は、プロスフェアーでの脳内アクションがとてもおもしろく、「このテーマで1本脚本を書けるのか!!」という衝撃的なエピソードでした。
レオナルドがネジと出会い、別れ、再会する「Don’t forget to don’t forget me」は、とても切ないお話で、鑑賞後の余韻が大好きです。人と人との縁は一期一会……袖すり合うも他生の縁、というのを大事にしていきたい、と思えたお話でした。
小山:僕はやっぱり、飯塚さんと激突した「世界と世界のゲーム」ですね。出番は多くありませんでしたが、最終回もお気に入りです。他人の苦しみをも自分の苦しみとして受け止めることができる、クラウスの信念や懐の深さがハッキリと表れた回であり、彼のそういうところがすごく魅力的だなと思っています。だから、第1話の「光に向かって一歩でも進もうとしている限り、人間の魂が真に敗北する事など断じてない」っていうのも、あまりにも大上段に振りかぶったセリフですが、クラウスとしてなら素直に言える。
――第1話でのクラウスの口上と魂は、最終回できちんとレオナルドに受け継がれていましたね。
(C)2017 内藤泰弘/集英社・血界戦線 & BEYOND製作委員会
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小山:レオナルドは「受け売り」と言っていましたが、世の中のほとんどのことは、誰かからの受け売りなんですよ。僕も特別講師として招かれ、役者の卵のみなさんにお話をすることがありますが、それだって僕が先輩方から教わってきたことです。自分の中できちんと理解して、成長につなげることができるなら、受け売りであることを恥じる必要はまったくないと思っています。
宮本:そうやってつながっていくんだよね。
小山:それは、とても素敵なことだと思います。
宮本:僕は今でも、受け売りを大事にしています。どこかで、誰かのすばらしいお芝居を見ると、それを自分の演技にも取り入れたくなってしまう。漫画家の手塚治虫さんも、まずは模倣から始めたということですし、誰かの真似をして、それを発展させていくという循環は、人間個々人にとっても文化にとっても、大事な成長のプロセスだと思います。
――「血界戦線」は、バトルシーンの熱量も膨大な作品です。やはり演じているみなさんも、エネルギーを使うのでしょうか?
小山:でも、それ(エネルギーを使うこと)は楽しいんですよ。これだけ作品がしっかりしていて、なおかつ、しっかりと作品を読み込むことができていれば。僕の場合、収録にあたっては、原作や台本を読み込み、どう演じるかということを事前に入念に考えておくんですが、それが現場での流れや、ほかの役者さんたちのお芝居で、いい意味で裏切られる瞬間がある。それが、とても楽しい。
宮本:とてもよくわかるなあ。いろんなことを考えておいて、でも、それをふと忘れて出てくるセリフ。それが、とてもすばらしいものになるんですよね。
小山:新シリーズではブレングリード流血闘術の新作も登場するはずですので、ぜひお楽しみに!
作品情報
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現世が異界(ビヨンド)と交わる街ヘルサレムズ・ロットを舞台に、秘密結社ライブラのメンバーが世界の均衡を保つため、新たな事件に立ち向かう。
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