2019年1月24日(木)19:00
関智一&野島健児が見据える「PSYCHO-PASS サイコパス」の未来「大きな歯車が動いた」 (2)
(C)サイコパス製作委員会
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「Case.1」宜野座は“昔の自分”と
「Case.3」狡噛は“復讐”と対峙
――「Case.1」は、宜野座と霜月を中心に物語が進みます。2人の変化・成長は感じましたか?
野島 みんな成長しましたよね。信頼関係も深まっていました。「Case.1」では、宜野座さんが、霜月のお目付け役のように一緒に行動するのですが、霜月がイニシアチブを持って自分の力で動いていく姿はとても頼もしかったです。これからを担っていく存在という印象を受けました。
宜野座さんも、昔の自分、自分自身を回収していくようなシーンがたくさんありました。霜月に昔の自分を重ねながらも、彼女を見守り助ける姿は、彼女の成長を祈っているように感じました。そうして今までの自分を許すような、ダメだと思っていた部分をひとつひとつ回収して、やっとひとりの宜野座伸元になれたような。そんなところが素敵だなと思いました。
――公開前の「Case.3」については、多くを語ることはできないと思いますが、復讐を果たし、ひとり戦地で生きる狡噛の心情が垣間見える場面が多くありました。関さんは、そんな狡噛に対し何を思われますか。
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関 やっぱり、人を殺してしまうと大変だろうなということを思いました。でも(テレビシリーズで復讐を果たした)あの時は、(槙島聖護を)殺さざるを得ない状況でしたからね。一個の選択肢としてですが。朱ちゃんのやり方と、狡噛のやり方の2択みたいな感じになっていましたからね。
「Case.2」は「どんどん深みが増していく作品」
――「Case.2」はメインキャラクターの征陸智己と須郷徹平をはじめ、懐かしい顔ぶれが勢ぞろいしていますね。
野島 懐かしいシーンがたくさんあって、縢(かがり)も出てきて、同窓会のようで楽しかったです。楽しかったといえば、昔の宜野座さんに会えたのはうれしかったです。
――この頃は、まだ監視官ですね。
野島 そうですね。まだみんな生きている時で、宜野座さんの髪の毛が長くて、メガネもかけていました。
――「Case.2」といえば、東京国際映画祭のワールドプレミアで、おふたりが「おやっさん(征陸)がかっこよかった」と声をそろえていらしたことを強く覚えています。
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関 すごくかっこよかったです。(狡噛と征陸が)直接話す場面はあまりなく、電話でちょっと話すくらいだったけれど、会っていなくても物語としてしっかり噛み合うようにできていて、秀逸な台本でした。
野島 この「Case.2」は「PSYCHO-PASS サイコパス」にとって大事ですね。上映されてから、どんどん深みが増していく作品だと思います。
新展開の可能性
今作は「終焉に向かう助走みたいな感じ」
――今作で、観客に特に注目してほしい部分はどこでしょうか。
関 今回の劇場版3本は、今はわからない部分が、後から楽しくなっていきます。
野島 関さんが前におっしゃっていましたが、今作はひとつひとつが緻密な歯車になっています。その歯車がどこに続いていくか、3作品をそれぞれ見ただけだとわからなかったことが、3つ全て見るとちょっとわかる。
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――「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズにおいて、今作はどういう位置づけの作品といえるのでしょうか。
関 終焉に向かう助走みたいな感じですかね。
野島 ひとつひとつの宿題をこなしていっている感じがしますね。
関 本当に終焉まで描かれるかどうかは置いておいてですよ(笑)。でも、一応描くという前提のもとに、「PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System」で、シビュラシステムとの対決に向かって大きな歯車が動いた感じです。
――シリーズのなかで重大なピースのひとつであると?
野島 ピースというよりも、「しっかりと枠を作っている」という感じがします。額縁のような。
関 そう、それですね。まずは、しっかりと枠を作っている。
野島 ぶれないためのね。
作品情報
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1 罪と罰
2117年冬、公安局ビルに一台の暴走車両が突入する事件が発生。その運転手は青森にある潜在犯隔離施設 〈サンクチュアリ〉の心理カウンセラー・夜坂泉だった。しかし取調べ直前に夜坂の即時送還が決定する...
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