堤大介監督「思いがつながった」トンコハウス映画祭にかける熱意　細田守監督らも参加決定

堤大介監督（前列左から3番目）の発案でトンコハウス映画祭が実現

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第87回アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネート作「ダム・キーパー」を手がけたアニメスタジオ「トンコハウス」が企画し、世界のアニメを発信する「トンコハウス映画祭」のオープニングパーティが4月26日、会場となる東京・EJアニメシアター新宿で行われた。同スタジオの堤大介監督が登壇し、映画祭開催の経緯や上映ラインナップの紹介とともに、新情報として細田守監督と堤監督のトークイベント（開催日：5月17日）、第91回アカデミー賞長編アニメーション賞に輝いた「スパイダーマン　スパイダーバース」CGアニメーターの若杉遼によるワークショップ（開催日：5月25日）の実施が発表された。

ピクサー・アニメーション・スタジオで「トイ・ストーリー3」「モンスターズ・ユニバーシティ」などの制作に携わってきた堤監督とロバート・コンドウ監督が設立した同スタジオ。映画祭開催のきっかけとなったのは、同スタジオが直面した「2018年の大きな出来事」だという。「長編映画の『ダム・キーパー』の企画が去年の5月に頓挫してしまったんです。それを軸に全てを進めていたトンコハウスは窮地に立たされた。さらに同じくらいの時期に、他に動いていた大きなプロジェクトも中止になってしまった。『トンコハウスもこれで終わりなのかな』と思った時期もあったくらい大変でした」（堤監督）。

そんな時、コンドウ監督の言葉をきっかけに、堤監督は「金銭的、経済的なことなど会社単位で考えるのではなく、『スケッチトラベル』を行った時のような、コミュニティを作った時のエネルギーを思い出そう」という考えに至り、映画祭を発案したという。企画が立ち上がったのは「去年の暮れ」。短期間で企画を進めることになったが、映画祭を支援するクラウドファンディングは、目標金額300万円を開始3時間で達成し、最終的に1246万円（支援者1439人）の資金が集まった。

堤監督は、「この短期間でこれだけのイベントを企画するのはありえないですよね。ありえないですが、最後は人の思いなんです。この企画に関わってくれたひとりひとりの思いがつながった時に、こんな短期間でできちゃうんだっていう。本当につながった」と感慨深げに話し、1439人の支援者、スポンサー企業、ともに企画を進めた角川グループに感謝を述べた。

トンコハウス映画祭は4月27日～5月26日開催

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「お客さんとインタラクトする場を設けたい」と語る堤監督。本映画祭は、作品上映やワークショップなどの多彩な企画を通して、世界のアニメーションの“今”を発信する。上映ラインナップは、世界11カ国からセレクトした23作品をテーマ別にパッケージングした、A～Eのプログラムから選ぶことが可能。ワークショップは、コンドウ監督によるコンセプトアート学講座、「インサイド・ヘッド」キャラクターデザイナーのクリス・ササキによるキャラクターデザイン講座、「インサイド・ヘッド」助監督・原案のロニー・デル・カルメンと堤監督がダブル講師を務める「ピクサーのお話づくりを学ぶ」講座、堤監督による「コンセプトアート学『色と光の演出』」講座などが行われる。

このほか、トンコハウスのスタジオを再現した「スタジオトンコカフェ」では、作品の世界観を再現したメニューが発売される。「トンコハウス映画祭」は4月27日～5月26日に開催。全上映ラインナップ、ワークショップ詳細は公式サイト（https://tonkohousefilmfestival.com/）で発表されている。