2019年7月19日(金)19:00
内田雄馬、ノイタミナ初BL「ギヴン」で紡ぐ――“彼ら”の距離感、日常、密度 (3)
立夏と真冬が積み重ねる
日常、言葉、感情
――PVに収録されている立夏が真冬に「俺がお前を誘ったのはな、お前の歌に俺の心が動かされたからだ」と思いをぶつける場面など、ハイライトとなるシーンがいくつか公開されています。序盤で印象に残った場面はどこでしょうか。
そういった感情が爆発するシーンは印象的だと思うのですが、どちらかというと「感情が爆発するための積み重ね」「感情の爆発が生まれた理由」が重要な作品なので、印象的な場面というと、やはり2人の日常ですね。自分に置き換えてみると、相手に対して感情を爆発させることって、なかなかないと思うんです。だからこそ、そこに説得力を持たせたいというか。「そういう物語だから感情が爆発している」のではなく、彼らが人間だからこそ「そうしてしまいたくなった」。それを皆さんに感じていただきたいです。
――そうなると、第2話の段階での2人の距離、関係性は?
第2話あたりでは、立夏は真冬にそこまで強く惹かれてはいないんですよね。立夏は優しい人なので、真冬を放っておけない状態というか。先ほどの話にも通じてきてしまいますが、立夏からすれば真冬の言葉って多くはないし、何を考えているかわからない、何を言うかもわからない。だからこそ、真冬と一緒にいる時、立夏は「相手の言葉を聞いている」のだと思います。
――そういう状態からはじまって、少しずつ積み重ねていくからこそ、感情が爆発した時に見る者の胸に響くのかもしれませんね。
本作をご覧になった方々が、彼らの心のやり取りを感じとって、「彼らはこういうものを積み重ねてきたんだ」と把握してくれたら、感情移入する人や要素が広がっていくと思うんです。例えば、本作は立夏の目線で物語が進むことが多いですが、真冬に感情移入しながら見る人がいたり。彼らがたくさんのものを積み重ねるからこそ、見る方もいろんな感情をキャッチすることができる。この作品は“感情の情報”が多いので、そういった部分にも注目していただけたらうれしいです。
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