2019年9月27日(金)19:00
天﨑滉平×鈴代紗弓×広瀬ゆうきが語る「ハイスコアガールll」の恋愛模様 ナチュラルな春雄の魅力
(C)押切蓮介 /SQUARE ENIX ・ハイスコアガール製作委員会
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昨年12話まで放送され、今年3月にブルーレイ・DVDとNetflix配信で続編の13~15話が描かれた「ハイスコアガール」は、1990年代における日本のゲーム文化の発展を背景としたラブコメディ。主人公・矢口春雄(天﨑滉平)と、ヒロイン・大野晶(鈴代紗弓)、その恋のライバルとなる日高小春(広瀬ゆうき)が一緒にゲームをするなかで、次第に互いを意識していく。3DCG制作であり、様々なゲーム作品が実機映像で登場する、類を見ないスタイルも特徴だ。
その第2期「ハイスコアガールⅡ」(16話~)が、テレビ未放送の13話~15話とあわせて10月4日から放送される。天﨑、鈴代、広瀬の3人に、演技のポイント、気になる三角関係の恋愛模様、さらにはゲーム遍歴にいたるまで、たっぷりと語ってもらった。
――最初に13話~15話のおさらいをさせてください。春雄と小春との関係がフィーチャーされていましたが、広瀬さんはどういった思いで収録にのぞまれていたのでしょうか。
広瀬:春雄が晶に惹かれているのを知りながら、(小春が)告白するところでテレビ放送の12話が終わっていたので、「小春にとっての正念場だな」とは思っていました。原作を読んでいても、涙が出るほど感情移入してしまうお話で、「死ぬ気で頑張らないといけないな」と。「ゲームで春雄に勝てばつきあってもらう」約束のもとでの小春にとって大切な勝負でしたから、私自身、本当に勝つつもりで演じました。
――見ているほうも胸が締め付けられるような思いでした。春雄、晶、小春の関係は、第2期でもドラマ上の軸になると思います。3人のキャラクターの関係性はどのように変化したと感じていますか。
天﨑:春雄にとって、晶と小春はゲームを通じて繋がっている仲でしたが、第2期ではそれだけではない気がします。少しずつストーリーへと発展していますね。
鈴代:晶からすると、春雄も小春もいちばん刺激を与えてくれた人たちですよね。春雄と出会ったことによって、晶は変わっていった。それだけじゃなくて、厳しい家庭環境の教育方針をとりまとめていた萌美さんまで、春雄は変えてしまった。最初こそいがみあっていましたが、春雄の良さがわかってくるにつれて、すごく影響されていったんじゃないかなと思います。小春ちゃんには、ジェラシーを抱いていましたけど、彼女がいたおかげで、晶も葛藤という感情が生まれてきた。そういった積み重ねが、第2期における彼女のさらなる成長に繋がっていると思います。
広瀬:小春は早いうちから、春雄のことが好きになっていたんです。最初は、となりでゲームをする姿を見ているだけで幸せだったと思うんですね。でも、春雄が別の女の子を見ていると気づいてからは、闘争心が芽生えてきた。少しずつ小春は女性としての面が出てきていると思います。
(C)押切蓮介 /SQUARE ENIX ・ハイスコアガール製作委員会
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――晶と小春は春雄に惹かれていますが、彼の魅力はどんなところにあると思われますか。
鈴代:すごく鈍感ではありますが、逆にそこが春雄のいいところでもあるなと。ゲームだけに限らず、決めたことにまっすぐ向き合えるところが魅力的だなと思います。それと、こまかい言動が紳士的なんです。アニメオリジナルの演出ですが、2話のメンチカツを晶と一緒に食べているシーンで、晶が食べ終わったゴミを、さっと自分のポケットに入れるんです。そういうことをカッコつけないでやれてしまうところが、春雄の素敵なところだと思います。
広瀬:シンプルに春雄はすごく性格がいいんですよ。でもそれは、視聴者も映像をしっかり見ていないと気づかないくらいの、さりげない優しさによるもので、そこがいいのかなと。年頃の男の子だと、「やってやるぜ」という気負った感じが出てしまいがちなんですけど。
――天然で、さりげない優しさが出ているわけですね。
広瀬:女の子ってそういうところに弱いと思うんです…(笑)。「何かに夢中になってる男の子って、妙に魅力的なんだよな」と小春が言うシーンがありますが、自分をかっこよく見せるためだけに何かをするより、ひとつ揺るがないものにまっすぐな人が、女の子にとっては魅力的に見えるものがあるのかなと思います。
春雄は裏がないんです。おそらくは、親であるなみえさんの育てかたもあったんだと思いますね。まわりに恵まれているからこそ、まっすぐ育ったんだろうなと。
――天﨑さんは、そんな春雄を演じるにあたって難しかったことはありますか。
天﨑:彼は向かっている方向が分かりやすくて、演じるにあたっても理解しやすいキャラクターでした。そういう意味ではやりやすかったですね。春雄にかぎった話でなければ、この作品特有の難しさになるのですが、ゲームのタイトルや技のコマンドの言い方について頭を抱えることがありました。そもそも、決まったアクセントがなかったものもあったんですよ。
――該当する言葉が使われていた当時であっても、人によって言い方が違ったんですね。
天﨑:ええ。アクセントの正解はどこにあるのかと、みんなで話しあって「俺はこう言っていた」なんて意見が飛びかいました。世代的に自分が発したことのない言葉でしたし、難しかったですね。春雄は知っていて当然なキャラクターで、間違えるわけにはいかないですから。
――「みんなで話しあった」とおっしゃいましたが、キャスト間でもそうした意見の交換があったのですか。
天﨑:はい。ゲーム好きのキャストの方々も多かったので、当時の思い出も聞かせていただきました。読み方がちがったりしたときも、そっと教えてくださったり。不安に思ったときに聞ける人がすぐ近くにいることが安心感につながりましたし、演じるさいの思いきりにも繋がったと思います。
(C)押切蓮介 /SQUARE ENIX ・ハイスコアガール製作委員会
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――広瀬さんは、演じるにあたって難しかったことなどありましたか。
広瀬:春雄と晶はゲームが好きなのをきっかけに、お互い惹かれあっていきますが、小春の場合は先に春雄を好きになってから、どんどんゲームも好きになっていく…という役柄なので、最初は特にラブコメ要素の強い場面が多かったです。
なので、小春の恋心を組みとるのに苦労しました。当初は春雄をもっと好きになってほしいと言われていました。
――そうしたディレクションが、アフレコのさいにあったのですね。
広瀬:5話で、春雄が学校を風邪で休んで家でゲームをしているシーンがありますよね。小春が春雄の家にプリントを持っていくのですが、私の素の気持ちとしては、「風邪で休んでいるのに、ゲームをしているなんて!」と思ってしまうので、そのままの気持ちで演じてはいけないなと。「あの人、学校を休んでゲームをしてる……えっ……好き……」と、やらなければいけなくて(笑)。そのような葛藤もあって、“好き”の引き出しを全開にするのに苦労しました。
――晶はニュアンスで語るようなキャラクターでしたが、鈴代さんにとって難しい役だったのではないでしょうか。
鈴代:私は「ハイスコアガール」が、はじめてのメインキャストとしての出演だったんです。ですから、右も左もわからずというところはそもそもあったのですが……。原作を読んでいると、晶の顔の横に「ガーッ」という文字や、お花や音符が書いてあったりもするんです。それが実際にアニメになったとき、そのニュアンスをどう表現していったらいいのだろう、と考えていました。1話の収録時に、「(漫画における擬音なども)入れていく方向でいきましょう」とのお話があったので、最初はとにかくいろいろなところに息やアドリブを入れていって、次第に削っていくかたちで調整していきました。
――そうやって晶らしさを探っていったのですね。
鈴代:回を重ねるごとに、リアクション等アドリブの入れどころを強く考えるようになりました。音響監督さんとも話をさせていただいたのですが、邪魔になるようなアドリブだとノイズになってしまうんです。『ハイスコアガール』は3Dアニメーションということもあり、すでに動作や表情がアフレコの段階でも細かく描かれています。なので、変に声を入れるよりも、動きだけのほうが昌の可愛らしさが伝わるところもあったり…! そうしたリアクションのさじ加減を第1シーズンで模索していました。
それまで私は、セリフに「…」と三点リーダが書かれていたら必ずリアクションを入れてしまっていたのですが、音響監督さんから、「それは間(ま)としての意味あいだから、全部に入れる必要はないよ」と教えていただいたんです。そこからは台本のト書きや映像をさらに読み込んで、入れるべきと感じたところにアドリブを入れるようになりました。
――今、「アフレコの段階で、すでに表情が細かく描かれていた」と言われましたが、取材前にモニターでアフレコの様子を拝見したところ、おっしゃるとおりの状態だったことに驚かされました。
鈴代:そうですね。キャラクターの絵はほぼできあがった状態で、アフレコにのぞめています。
――アフレコ時に絵がオンエアに近い状態になっていると、だいぶ違うものなのでしょうか。
天﨑:演技をイメージするヒントが増える気がします。僕らはさまざまなものをヒントにして、監督やスタッフの方がこめた演出をくみとっていきます。例えば、「ボールド」といって、収録のときにしゃべっているキャラクターの名前が画面に出ることがあるのですが、その長さも演出の一環だと思っています。
実際にやってみるとボールドが出ている時間とセリフがあわないことがあって、「なぜこんなに(ボールドの出ている時間が)長いんだろう」と思っていると、実は戸惑っているような言い方だったからということもありました。台本にあるト書きもボールドも、すべてが演じるうえでのヒントなんですよね。そこに完成に近い映像が入ることで、より演出意図にそった演技にできる部分はあります。
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少年は好きだった、ゲームが。少女は出会ってしまった、ゲームと。勝利への渇望と、技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。友人や家族、そしてゲームキャラクタ...
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