2019年9月27日(金)19:00
天﨑滉平×鈴代紗弓×広瀬ゆうきが語る「ハイスコアガールll」の恋愛模様 ナチュラルな春雄の魅力 (2)
(C)押切蓮介 /SQUARE ENIX ・ハイスコアガール製作委員会
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――なるほど。鈴代さんにお話を戻させていただきますが、演技面で特に難しそうだと思えたのが、3話で晶が大泣きするシーンでした。あそこは、どのような気持ちで演じられたのでしょう。
鈴代:あとにも先にも、晶があれだけ感情を爆発させたシーンはないと思います。あのときは、とにかく天﨑さんの演技を聞くことに注力しました。ガイルさんたちの後押しと指輪のくだりがあるのですが、相当な長ゼリフだったんです。その流れを素の晶になったつもりで感じとって、そのうえで「泣くという手段」を使って突出させたような……。自分としても印象的なシーンでした。
――あのシーンは天﨑さんのお芝居とあわさってのもので、そういう意味でいいますと、鈴代さんの「ほとんどしゃべらない」芝居を受けるキャストの皆さんも大変だったのではないでしょうか。特に春雄は、晶の気持ちを代弁することがかなりあったと思います。
天﨑:前提として、僕自身が主演の経験もほぼないなかで、「ハイスコアガール」の座長をやらせていただくことになり、大きな緊張感がありました。そこに加えて、晶がしゃべらないことによる春雄の膨大なセリフ量……。必然的に、マイク前にひとりで立つことが多かったです。後ろにたくさんの先輩がひかえていることもあり、さらにドキドキに拍車がかかりました。
晶の気持ちを春雄が代弁するセリフは、テンポが速くて情報量も多いです。最初は、とにかくその速度と情報量に追いつくのに忙殺されていました。それがだんだんと慣れていって、今は鈴代さんが後ろに座っていたとしても、ちゃんと晶が横にいるように感じられています。そういう意味では、多少余裕が出てきたのかなと思います。
広瀬:私は20話のアフレコが晶とふたりのシーンで、そこでやっと春雄の大変さがわかりました。今日は死ぬほど緊張して……。春雄は、晶の気持ちをくみとってあげられる人だから、会話のキャッチボールができていますが、小春は晶が何を考えているか分かりませんから、「あなたの中身を見せてよ」という感情で晶にぶつかります。そういう意味で、春雄とはちがったかけあいになっていると思います。
――共演している先輩のキャストの方々から、触発されたことなどありましたか。
天﨑:第1期は学校のシーンが多かったので、杉田(智和)さん、植田(佳奈)さん、中村(悠一)さんといった先生役の方々の面白い芝居が印象的でした。セリフ自体は少ないのですが、強烈なインパクトを残してくださって。いつもは春雄がずっとしゃべっているだけなので、先輩方の一言があるとより締まるんです。すごく助けられているなと思いました。第2期では恋愛面のシリアスな場面も増えてゲームの話も少なくなるなかで、なみえ役の新井(里美)さん、真役の赤﨑(千夏)さん、萌美役の伊藤(静)さんがひっかきまわしてくれて、作品を面白くしてくださっていると思います。
鈴代:そういえば先日のアフレコで、兼ね役として測定マシンの役をやらせてもらったんです。直前にいただいた役だったので、ゲームセンターに確認に行く時間もなくて、どうしようかなと思っていたら、なみえ役の里美さんが、「(新井里美さんの声真似をしながら)やっちゃえばいいのよー。役を振られたんだから、それはもう紗弓ちゃんの測定マシンなの!」と勇気づけてもらえたんです。
(C)押切蓮介 /SQUARE ENIX ・ハイスコアガール製作委員会
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――新井さんの言葉で、自分なりの芝居でいいと踏ん切りがついたのですね。
鈴代:テストのときから本当に面白いんです! 本番とテストでまったく違う表現をなさっていることもあり、どちらも最高に面白くて…皆さんに聴いてほしいです(笑)。ガイルさん役の安元(洋貴)さん、ザンギエフさん役の三宅(健太)さん、宮尾役の興津(和幸)さん、昌のお姉ちゃんである大野真役の赤﨑(千夏)さん…と挙げたらキリがないのですが、思わず笑ってしまいそうになるぐらい先輩方のお芝居が面白くて、本当に楽しい現場です。ベテランの先輩方とお話させていただける機会もまだまだ多くはないので、休憩時間などに貴重なお話を聞かせていただけたり、学ばせていただけて、ありがたいなと思っています。
広瀬:マ―くん役の松岡(禎丞)さんが、あるキャストの方に「マイク前では、先輩・後輩関係なく、対等な人間として立たないといけないと思う」というようなことをおっしゃっていたんです。それが聞こえてしまっていて……。
天﨑:僕もふくめ、その場にいたみんなが聞いていたと思います。
広瀬:その言葉を聞いたときに、私自身、最初は先輩たちの迷惑にならないようにしなきゃという気持ちがあったのですが、それはとても失礼なことだったことに気づかされたんです。先輩たちを倒すくらいの気持ちでやらないといけないんだって。
先輩からの言葉で、もうひとつ忘れられないことがあります。8話で松風(雅也)さんがゲーム大会のMC役をやられていて、別の現場でお会いした時に、「小春がすごく良かった」と言ってくださったんです。「だからこそ、もっと頑張れ。自分のダメなところも分かっているだろうから収録の前までに第1期のオンエアを見直して、第2期は命がけでやれ。それでお前の未来が決まる」って。それで……(言葉が詰まって)すみません、思い出すと涙が……。
――いえいえ。
広瀬:だから、本気でやらなきゃって。それで、3回はオンエアを見直してから第2期にのぞもうと思ったんです。
――先輩方の激励が、第2期の演技に繋がっているのですね。最後に、お三方の個人的なゲームの思い出を少し聞かせてください。
天﨑:「.hack」シリーズは大好きでしたね。春雄が学校を休んだときにゲームをしていましたが、僕も同じ状態のときにゲームをしては寝てを繰り返していました。あとは「メタルギア」シリーズが大好きです。僕が初めてクリアしたゲームが「メタルギアソリッド3 スネークイーター」と「テイルズ オブ シンフォニア」で、そこから過去作もやりました。
オンラインだと「メタルギアオンライン」はずっとやっていましたね。起きてはログインし、気づけば夜になり、ということを繰り返していました。リリース初期はトラブルがあったりして、ログインしてはキャンセルされ……という作業だけで一晩すごしたこともあります(笑)。
――オンラインゲームらしいお話です。
天﨑:苦労もありましたが、「メタルギアオンライン」のサービスが終了するときは、最後の最後まで(オンライン上に)いようと思って、いつも一緒にいたゲーム上の名前しか知らない友達と一緒に、終了までのカウントダウンをしました。「ありがとうございました」と言って、終わったんですよ。ゲームのはじまりから終わりまでをすごせた、思い出に残る作品でした。
鈴代:私は、「ポケモンGO」や「モンスターハンター」シリーズを友達がやっているのを遠巻きに見ているような……。実際に自分でプレイしていた作品は、メジャーなものがほとんどでした。「マリオ」の系統は全般好きでしたね。あとは「LocoRoco」のようなライトなテイストの作品をプレイしていました。
「ハイスコアガール」に関わらせていただいて、先輩や天﨑さん、広瀬さんからゲームの話を聞くことで、「面白そう!」という感情がたかまっている状態です。「Dead by Daylight」などやってみたいなと思っています。
広瀬:私は、中学生のときにお年玉を使ってよくゲームを買っていました。そのときは「テイルズ オブ レジェンディア」や「キングダム ハーツ」をプレイしていましたね。夏休みにクーラーのきいた部屋でやっていました。乙女ゲームやギャルゲーも好きで、「アマガミ」や「キミキス」、「ときめきメモリアル3」なんかもプレイしていましたね。「ときメモ3」は謎の臨場感があるんですよ。3Dでぬるぬる動きながら、私に話しかけてくるんです。
「遙かなる時空の中で」も思い出に残っています。夜中3時くらいに、好きなキャラとのエンディングをやっとむかえられたんですけど、お母さんが起きてきちゃったんですよ。「あんた、そんなことやっていたら結婚できないわよ」と言われて。いいところだったのに、水をさされてしまったな…という思い出です(笑)。
「地球防衛軍」にもハマりました。知らない人とゲームをするというのが楽しくて。巨大蟻に殺されまくって、けっこう非難を受けたりとか……めげずにやりました。
――昔も今も遊び続けられているゲームですが、「ハイスコアガール」で描かれている90年代当時と今とで、変わらないものはどこにあると思われますか。
天﨑:ひとつはクリエイターの方々の熱意でしょうね。僕が大好きな「メタルギア」シリーズの監督である小島秀夫さんは、ゲームが世の中に認知されていなかった頃から、映画がもっている地位みたいなものを目標にして、開発を続けてこられた方なんです。それぐらいゲームにたいして情熱を注げる方々が沢山いるからこそ、なおゲーム業界は発展し続けている。プレイする側も、作り手と同じぐらいゲームを好きでい続けないといけないなと。僕もずっと春雄のようになれたらなと思います。
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少年は好きだった、ゲームが。少女は出会ってしまった、ゲームと。勝利への渇望と、技術の探求心と、個人の自尊心が渦巻くゲームセンターで生まれ、育まれていく友情と恋。友人や家族、そしてゲームキャラクタ...
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