2019年12月27日(金)19:00
佐倉綾音&杉田智和の“進化する力”とは?「シンカリオン」で知った共通点 (2)
親子役で共演「杉田さんになかなか複雑な捉え方をされていた!」(佐倉)
(C) プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019
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親子役として、「シンカリオン」でタッグを組んできた2人。ハヤトとホクトが息を合わせて戦いに臨むシーンもあるが、杉田が「そういうシーンって、目配せをしたりするんですが、佐倉さんとは事前に打ち合わせをしなくても、合わせられる。それは珍しいことです」と打ち明けると、佐倉も「そうでしたね」と息の合ったアフレコ現場を述懐。
佐倉によると「これまでほかの現場でご一緒することがあっても、そんなにお話をしたことはなかった」そうで、杉田が「得体が知れないと思っていた。何に興味があるのか、何が地雷なのかもわからなかった」、すると「なかなか複雑な捉え方を!」と笑う佐倉。劇場版にたどり着くまではどのようなことがあったのだろう。
杉田は「求心力の強い女優さんで、お芝居においてすごく信頼しているんですが、どんな人かということまでは知らなくていいと思っていました。でも今回は親子役ですし、芝居のヒントが何気ない会話のなかからも生まれたりするので、どう接しようかと。親が子育てで悩むのと同じようなものに直面しました」と告白。突破口となったのが、「佐倉さんはめちゃくちゃ食べる。おいしいものが大好きなんだと思った。一度、食パン二斤分くらいのデカいやつを僕にくれたんですよ。『並んで買う人気のパンなんですが、放っておくと、私これ全部食べちゃうので!』と」と食に関することだとか。
(C) プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019
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杉田はお返しとしてハンバーガーチケットをプレゼント。佐倉は「1枚でふたつ頼めるチケットだったんですが、ひとりで行って2種類食べました」とニッコリ。杉田は「やっぱり。『お母さんやお友だちと行きなよ』と渡したはずですが、ひとりで行くと思いました。でも喜んでくれていると思うとうれしくて。親が子になにかを与えるというのは『この感覚か!』と」と親心のようなものを味わったという。
佐倉は「私はひとつ壁を取っ払わないとなかなか心を開けないタイプなんですが、杉田さんも恐らく、自分からガツガツと話しかけにいくタイプではないのではと思っていました。たくさんの人から好かれていらっしゃるし、知識が豊富で、頭の回転が速い、面白い先輩。すごく興味があったんですが、自分から話しかけにはいけないな………と感じていて」と、これまでの距離感を回顧。「でもとある生放送の番組でお話しする機会があって、そのときにいろいろとこちらの話を聞いてくださって! 杉田さんとお話しできる、コミュニケーションを取れると思うと、すごくうれしかったです。食パンも快く受け取ってくれたんですよ!」と笑顔を弾けさせる。
2人の進化のワケ「この仕事は、経験したことがなにも無駄にならない」(杉田)
(C) プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・The Movie 2019
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人気と実力を兼ね備え、力強く声優道を邁進している佐倉と杉田。自分を“進化”させてくれるものについて聞いてみると、佐倉は「いつも壁にぶつかっています。声が出ないなど物理的な壁のときもあれば、苦手な仕事に立ち向かうことになって一睡もできないこともあります」と、もがくことも多いという。「でも苦しかったことって、あとで笑い話になったりもするんですよね。私が一番、つらいことを乗り越える手段にしているのが、自分の周りを好きな人、好きなものでいっぱいにしておくこと。本作のメッセージに『好きな気持ちが、強さに変わる』というものがあるんですが、それはすごく共感できます」と語る。
「若手の子から『仕事を辞めたい』という相談を受けることもある」という杉田は「この仕事は、経験したことがなにも無駄にならないと思っている」とじっくりと仕事への想いを話す。「同時に、経験則だけに頼ってもいけない。余計な誇りを持つと、精神的な成長を逃してしまうもの。『経験を積んだ分だけ成長する』と、勘違いしてはいけないとも思っています。それは昔、『ドラゴンクエストIII』で学びました」。
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2人に共通しているのが、「誰かを喜ばせたい」という強い欲求。杉田は「中学校が荒れていたので、ヤンキーから怒られないように、必死に相手の喜ぶことを探っていました。『もし氷室京介が梅酒のCMに出たら』というネタをやって、ヤンキーを笑わせたりして切り抜けていたんです。“無茶ぶりにも応えて、誰かを喜ばせる”ということが身に染み付いているのかもしれません。それに僕は根本がオタクなので、自分の好きだと思っているものが、温かい形で相手に伝わるとものすごくうれしいんです」とエンタテインメントを送り届ける喜びはなににも変えがたいものだという。
佐倉は「すごくわかります」とうなずく。「私は、両親が肯定してくれることが多く、そんな環境で育ってきたんですが、だからこそ、大好きな人たちが悲しい顔をしているのが見逃せなくて。そういう顔を消したい、笑顔になってほしいという思いが、行動原理になっています。杉田さんと、意外な共通点を発見しました」と微笑む。魂のこもった仕事ぶりが、彼らの演じるキャラクターの躍動として見事に映し出されている。
作品情報
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新幹線変形ロボ シンカリオン 未来からきた神速のALFA-X
地球を奪うため、新たな敵・ナハネ、オハネフそして謎の巨大怪物体が宇宙から現れた! そのすべては、超進化研究所が密かに開発を進めていた「シンカリオン ALFA-X」が鍵を握っている…!? 平穏な日...
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