2020年8月21日(金)19:00
「ギヴン」“大人組”中澤まさとも&江口拓也&浅沼晋太郎、濃密な恋を紡いで知ったお互いの魅力
8月22日公開「映画 ギヴン」キャストインタビュー!
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キヅナツキ氏の人気BL漫画をアニメ化したテレビシリーズの続編が、「映画 ギヴン」となってスクリーンに登場する。音楽がつなぐ青春と恋模様を繊細な感情表現とともに描き、見る者の心をわしづかみにしている本シリーズ。映画では、バンドの“大人メンバー”である春樹と秋彦、秋彦の元恋人で、別れた後も同居中の天才バイオリニスト・村田雨月による“苦くて熱い恋”がつづられる。そこで今回は、春樹役の中澤まさとも、秋彦役の江口拓也、雨月役の浅沼晋太郎を直撃。濃密な恋愛を紡ぐ役どころで共演を果たし、お互いにどのような魅力を感じたのか。それぞれの思いを打ち明けてもらった。(取材・文・写真/成田おり枝)
それぞれの思いが加速する映画で、キャラクターの魅力を新たに発見
――映画では、春樹と秋彦、雨月の恋が描かれます。秘めていた思いも明らかとなりますが、脚本を読んでどのような印象を持たれましたか。
(C)キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会
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中澤 僕の演じる春樹は、テレビシリーズでは「バンドがうまくいってほしい」「バンドのためには何をしたらいいんだろう」と考え、秋彦と一緒になって、真冬や立夏を“支える側”でした。“大人組”といわれる春樹と秋彦ですが、2人にもそれぞれの考えがあり、秋彦は、起爆剤を使ってアクションを起こさせることで、良いものを目指していくようなタイプ。一方の春樹はいつも穏やかに、みんなが自由にやれるように気を遣うような人。そんな彼らも真冬の歌声を聴いて、受けた影響や変化があり、映画の脚本からは、そういった変化が垣間見えたように感じました。春樹に関しては、自分のさみしさをより感じるようになってしまったし、真冬がどんどん音楽の才能を発揮していく姿を見て、自分は音楽がちょっと好きなだけの凡人なんだとコンプレックスも感じた。春樹が水面下で抱えていたものが、見えたような気がしています。
(C)キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会
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――改めて、春樹の魅力を感じた点はありますか?
中澤 そうですね。春樹は秋彦に対して「好き」と言えず、一生懸命、隠すようにしていて。それもバレバレだったんですが……(笑)。言葉ではなく気持ちで伝わるものもあるし、一方では言葉にしてようやく伝わることもあるんだと、春樹を通して感じたような気がしています。
――江口さんは、秋彦役を演じています。脚本の印象を教えてください。
江口 原作を読んでいたので、映画で“大人組”のみんなの心が動き、ひと区切りをつける姿が描かれるのを楽しみにしていました。脚本を読んでみると、当然ではありますが、セリフ量も多い(笑)。秋彦にいたっては、これまで見せていない部分を見せていくので、テレビシリーズで温めていた秋彦像のようなものをぶち壊す作業が必要でした。さらにどこまでをモノローグやナレーションにするのかなど、いろいろな遊び方ができるような脚本だったので、ものすごくやりがいも感じました。現場では、まず自分が思ったものをぶつけてみる。一緒に良いものを作っていきたいと思えるチームだし、僕もとても信用しているチームなので、思い切って挑戦してみたいと感じていました。そういったチャレンジができたのは、とてもうれしかったです。
(C)キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会
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――ぶち壊してみて、秋彦の新しい一面や魅力が見えてきましたか?
江口 そんなに情に厚い男だったのか! と思いました。秋彦はいつもクールで、どこに感情の揺れ動きがあるんだろうと思っていましたが、それは彼が“今を変えること”が怖かったことの表れなんだろうなと。映画で秋彦は、いろいろなものにきちんと向き合って、本心を見つめ直すという作業をやることになります。これまでは大人っぽい印象がありましたが、もっと等身大というか、幼い部分も見えてきたように思います。
――浅沼さんは、秋彦と同居を続ける雨月役を演じています。
(C)キヅナツキ・新書館/ギヴン製作委員会
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浅沼 テレビシリーズでは、雨月の出演回数は少なかったのですが、その中でも要所要所に「雨月はこういう人間なんだ」というものが垣間見えるシーンがありました。天才だからこそ、音楽以外のものに対しては無頓着だったり、「コイツがそう言うなら仕方ないな」と思わせてしまう天才らしい甘え方をしたり、また、自分がシンパシーを感じる真冬のような人間にはすごく興味を持つような人。映画では雨月と真冬が出会うシーンがありますが、脚本を読んで「雨月は、真冬には素直な気持ちで接するんだな」と感じました。真冬にはシンパシーを寄せているからこそ、「秋彦が死ぬほど好きだけど」とか、面と向かって秋彦には言わないようなことも言えてしまうし、他の人には見せない一面も出せてしまう。真冬と話していると、なぜか自分の気持ちを吐露してしまうようで、真冬にはそうさせてしまう力があるのかなとも思いました。
――雨月は不思議な魅力のある役ですね。演じる上で大事にしていることはありますか?
浅沼 僕自身、BL作品に出演するのは初めてでしたが、「ギヴン」は感情の細やかな部分までとても丁寧に描かれている作品だなと感じていました。演じる上では、感情描写が細やかだからこそ、“演じすぎない”ということを大切にしています。
作品情報
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