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イベント 2022年1月17日(月)20:00

「銀河鉄道999」りんたろう監督が明かす“鉄郎が15歳になった理由”  ドルビーシネマ版が上映開始

りんたろう監督(左)と藤津亮太氏

りんたろう監督(左)と藤津亮太氏

(C)松本零士・東映アニメーション

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劇場版「銀河鉄道999」ドルビーシネマ版が1月14日から全国7館の劇場で公開され、東京・丸の内ピカデリーでは初日舞台挨拶として「公開記念テイキング・オフ!イベント」が開催。りんたろう監督と、アニメ評論家の藤津亮太氏が登壇し、同作の見どころや公開当時の制作秘話などを語った。

劇場版「銀河鉄道999」では、松本零士氏のライフワークともいうべき同名SF漫画を、テレビアニメ放送中の1979年に劇場アニメ化。母を殺された星野鉄郎が機械の体を手に入れるべく、謎の美女メーテルに導かれて銀河鉄道999に乗り、遠くアンドロメダを目指すというストーリーの大筋はテレビシリーズと共通しているが、カット流用などのない完全新作として、りんたろう監督ら「宇宙海賊キャプテンハーロック」を手がけたスタッフが制作した。また、ゴダイゴによる主題歌「銀河鉄道999(The Galaxy Express 999)」も、現在まで歌い継がれている名曲として知られる。このほど公開となったドルビーシネマ版では、ドルビーアトモスによる立体音響を楽しめるほか、最新のHDR技術によって映像もアップグレードされている。

りんたろう監督と藤津氏が作品について語り合うなかで、りんたろう作品の特徴ともされる“透過光”を使った演出技法にまつわる秘話も明らかに。りんたろう監督は「当時の2Dアニメーションっていうのは、何も使えないんですよ。だから、光も星もライトの光も全部手描きで描いてそれらしく見せるんです。それだとやっぱり本当の光を感じないんですよね。それで僕はある時、テレビシリーズで星空を特別に見せたいと思ったんですけど、やり方もわからなかったんです。その時ふと思いついたのが、黒のラシャ紙に針で穴を開けて、それを撮影台の上に置き、撮影室の明かりを全部消して下からバックライトを当て、上にあるカメラに脚立で登ってファインダーでのぞくという方法。フレアが出て完璧に星の光になるんです。その時に『これだ!』と思ってやったのが最初でしたね。それから透過光という演出が誰にも知られるようになっていきました」と往時を振り返った。

劇場版では、鉄郎の年齢がテレビシリーズの10歳から15歳へと引き上げられ、青春映画として仕上げられたことにもスポットが当たった。りんたろう監督は「東映の当時の社長が、少年から青年までの層を狙うアニメーションを作りたいと言っていたことがきっかけです」と発端を明かし、「劇場版ではテレビシリーズの延長戦というわけにはいかないので、主人公の鉄郎の設定を変えるくらいのことをしないと成り立たない。やっぱり脚本でも“少年の旅立ち”というのを意識してもらいました」と回想した。

りんたろう監督は、美術を務めた椋尾篁、作画監督の小松原一男ら「ハーロック」から続投したスタッフの尽力や、公開当時のムーブメントについても感慨深く述懐。最後はファンに向けて「僕も今回ドルビーシネマの企画を聞いて、『え!? そんな40年前の古いものやるの?』って思いましたが、今回改めていろんな人の努力で非常に映像もキレイになって掘り起こされ、音も非常に迫力あるサウンドになることで『本当によみがえったな!』と思います。43年前から戻ってきた浦島太郎みたいなものですが、開けてみたら玉手箱のようでびっくりしました。なので、とにかく楽しんでいただければうれしいです」と呼びかけ、イベントの幕を引いた。

なお、1月27日からは続編に当たる「さよなら銀河鉄道999 ‐アンドロメダ終着駅‐」の上映も始まる。

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銀河鉄道999

銀河鉄道999 3

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