2022年4月15日(金)18:00
古谷徹は安室透を追い続ける――「名探偵コナン ゼロの日常」インタビュー第1弾
「名探偵コナン」のスピンオフ作品となるアニメ「名探偵コナン ゼロの日常(ティータイム)」が、TOKYO MX、読売テレビ、BS日テレとNetflixで放送・配信されている。「名探偵コナン」屈指の人気キャラクターであり、公安、探偵、黒ずくめの組織という“3つの顔を持つ男”安室透にスポットを当てる今作。同キャラクターの声を務め、今作で14年ぶりのテレビアニメ主演を飾った古谷徹のインタビューを2本立てでお届け! 第1弾インタビューでは、“進化”が止まらない安室透というキャラクターを演じる喜びとプレッシャーを掘り下げる。どこまでもパーフェクトな“安室さん”だからこそ「追いかけるのが大変です」と語っていた古谷――古谷徹と安室透、2人の関係とは?(取材・文/編集部)
警察学校編、劇場版、そして単独主人公!
勢い止まらぬ安室透に思うこと
――昨年から「警察学校編」のアニメがはじまり、4月15日に公開された劇場版最新作「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」でも警察学校組として安室にスポットが当たっています。そして今作「ゼロの日常」では、ついに安室が単独主人公となっていますが、そういった状況やファンの盛り上がりをどのように感じていらっしゃいますか?
まずは青山(剛昌)先生に感謝ですよね。青山先生が魅力的なキャラクターをどんどん広めてくださって、そしてそれを受け止めてくださるファンの方がいて、応援して、興味を持ってくださる。だからこそ、アニメや映画が実現しているんだと思います。それに対して僕は、どんどんプレッシャーが増しています(笑)。期待に応えなくてはいけない。しかも、キャラクターのスキルがどんどん上がっています。劇場版では外国語を話していますし、できないことはないんじゃないかというくらいのスキルの高さです。古谷徹とはかけ離れていくので、追いかけるのが大変です。
――確かに、安室さんは期待を裏切らない人というイメージがあります。
そこに応えるのが本当に大変なんです(笑)
――「ゼロの日常」のアニメ化が決まった時は、プレッシャーはありましたか?
安室透にスポットを当てたスピンオフ漫画ができて、それがさらにアニメ化されるということは、安室透のファンがたくさんいて、人気があるということの証ですから、僕にとってもものすごくうれしいことでした。ただコミックスが本家並みのヒットをしたので、わくわくと同時に責任重大だなというプレッシャーはありました。
――(笑)。4月からはお家で「ゼロの日常」、映画館で「ハロウィンの花嫁」と、家でも外でも安室さんに会えるので、さらに盛り上がっていきそうですね。
皆さんの期待通りの降谷零となっていることを心から願っています。そして、降谷零のファンがさらに増えてくれるとうれしいですね。(笑)
14年ぶりのテレビアニメ主演
「これで最後になると思います(笑)」
――今作が14年ぶりのテレビアニメ主演となりましたが、そのことに対してどのような思いを抱いていますか?
今年でアニメデビュー56年になり、これまで主役を務めた作品は100近くあります。14年前に主演を務めたのは「キャシャーン Sins」。監督からのご指名でキャシャーン役をやらせていただきましたが、「この年でもまだ(主演が)できるんだ」と感激しました。自分では「あれが最後じゃないか」と思っていましたが、ここにきて、こんな形で主演をやらせていただけることになりました。
主人公の感情にそって作品が描かれますから、主役が最も演じやすく、脇役のほうが難しいんです。情報がたくさんあればあるほど、入り込みやすい。なりきりやすいと言いますか。そういった意味でも、今回の主演は本当にうれしかったです。これで最後になると思いますけどね(笑)
あと実は、昭和・平成・令和で劇場版アニメーションの主演をやらせていただけたんです。去年「ジャーニー 太古アラビア半島での奇跡と戦いの物語」というサウジアラビアとの合作アニメーションで主役のアウスをやらせていただき、映画はそこで(昭和・平成・令和のすべてで主演を務めることが)達成できました。そしてテレビシリーズのアニメでは、今回でそれが達成できたので「やったぜ!」という思いがあります。
――すごい記録ですね!
(照れくさそうに)強運でした(笑)。
「ゼロの日常」だから見れる
普段着の安室透、降谷零
――「名探偵コナン ゼロの日常」という作品の第一印象はいかがでしたか?
任務や事件とは関係のない日常が描かれているので、最初は、安室透の表情がおだやかで、タッチがソフトだなという印象をうけました。その一方で、警察学校組の同期のことを思う姿、寂しげな表情、あまり見せたことのない孤独感というのかな……そういった一面も描かれています。彼の魅力が増えたと感じています。
――「名探偵コナン」では見られない、「ゼロの日常」だからこそみられる安室透の魅力はどこだと思いますか?
“普段着の安室透、降谷零”というような、「名探偵コナン」のなかではあまり見せない表情ですね。「ゼロの日常」では、人に見られていない場面やひとりきりの時間が描かれているので、さまざまな表情が見られます。もしかしたら女々しく見えてがっかりする方もいるかもしれませんが、僕はそれも魅力になっているように感じます。
スキルに関しても同様で、大型バイクの操縦テクニックやギターの弾き語り、片腕で柔道の技とか。知識も豊富ですしね。不眠対策とか。あとは、やっぱり気配りですね。憎んでるはずのFBIのキャメルにまで気配りができるんです。そういった安室の表情、スキル、性格は魅力だと思います。「ゼロの日常」という作品を経験したことによって、降谷零という人物をより深く演じられるようになった気がします。
進化し続ける安室透
「なんとか食らいついていかなきゃ」
――「名探偵コナン」のテレビアニメ、劇場版、そして今作「ゼロの日常」と進むなかで、人気はもちろん、キャラクターのスペック自体もどんどん上がっています。演じる古谷さんとしては、どのような感覚でしょうか。ハードルが上がっていくような感覚はありますか?
その通りです(笑)。どんどんハードルが上がっていきますね。高いスキルを持ちながら、みんなに優しい。懸垂なんて500回できますから(笑)
――(笑)。気配りもできる人ですよね。
本当に理想的です。
――完璧すぎると思ったシーンはありますか?
やっぱり気配りですかね。「こんな男いないよ!」と思います(笑)。キャメルに対しても、嫌みを言っているようで、実は彼が任務に間に合うようにしてあげてましたから。すごいですよね。
――梓さんのために、湿度にまで気を配るのは驚きました。
そうそう! しかもさりげないんです。彼にとってはそれが当たり前なのでしょうが、さりげなく行動して、それを口にしないというところがかっこいい。本当に隙がないです。
――安室さんのことですから、今後もいろんな面を見せてくれそうですね。
楽しみですね。どこまでいっちゃうんだろうとは思いますが(笑)。ハードルがどんどん上がっていきますから、「なんとか食らいついていかなきゃ!」という感覚です。
――お話しをうかがっていて、古谷さんと安室さんの関係性が垣間見えました。この後は、「名探偵コナン ゼロの日常」をより深く掘り下げつつ、演技面についてお話を聞かせてください。
インタビュー第2弾では、安室透との“出会い”、トリプルフェイスの演じ分けなどを直撃。安室の愛犬ハロの話題では、古谷さんの犬愛も明らかに!? 来週掲載予定のインタビュー第2弾もぜひご一読ください。
作品情報
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ある時は名探偵毛利小五郎の弟子、安室透。ある時は日本を守る公安警察、降谷零。またある時は、黒ずくめの一員、バーボン。三つの顔(トリプルフェイス)を持つ男のプライベートは誰も知らない......は...
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