2022年7月22日(金)18:00
「さかくぎ」阪口大助の生涯ベスト映画、最近感銘を受けた作品は?【あの人が見た名作・傑作】
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映画を見に行こうと思い立ったとき、動画配信サービスで作品を鑑賞しようとしたとき、何を見れば良いのか分からなかったり、選択肢が多すぎて迷ってしまうことは誰にでもあるはずです。
映画.comでは、企画「あの人が見た名作・傑作」を更新中。映画業界、ドラマ業界で活躍する著名人がおすすめする名作、傑作をご紹介していきます。第7回は、ラジオ番組「阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー」でパーソナリティを務める声優の阪口大助さんです。釘宮理恵さん登場の第8回(https://anime.eiga.com/news/116537/ )とあわせてお読みください。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)
【紹介してくれた人:阪口大助】
「機動戦士Vガンダム」「血界戦線」「あたしンち」などのアニメ作品や映画吹き替えにも多数出演している阪口さん。代表作のひとつであるアニメ「銀魂」などで共演している釘宮さんと、本をテーマにしたラジオ番組「阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー」(愛称「さかくぎ」)のパーソナリティを担当しています。ラジオ大阪で毎週日曜深夜12時(月曜午前0時)から放送中で、アニメハック公式YouTubeチャンネル()、niconico公式チャンネルでも配信中。月に1回、生配信も行っています(生配信は有料パートあり)。
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●やさしさや愛情が感じられた「ククルス・ドアンの島」
――阪口さんの生涯ベスト映画を教えてください。
阪口:ベスト映画……なんだろう。アクション映画はあまり見なくて、傾向としては「ブリグズビー・ベア」や「天才スピヴェット」のような、元少年の主人公の成長ドラマが描かれる映画が好きではあるのですが、1本ベスト映画となるとなかなか決められないですね。
なので、僕が語るのだったら結局「ガンダム」がいいかなと思いまして(笑)、最近見たばかりの「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」の話をしたいと思います。
――「ククルス・ドアンの島」、いかがでしたか。
阪口:「機動戦士ガンダム」の15話を、よくあのように再構築されたなと思いましたし、安彦(良和)さんの「ガンダム」になっていたなというイメージをもちました。富野(由悠季)さんの「ガンダム」もそうなのですが、人の可能性や、やさしさがきちんと表現されていて感動しました。そうした要素を厳しさのなかでだすのが富野さんなのかなと僕は勝手に解釈しているのですが、今回の「ククルス・ドアンの島」には、安彦さんならではのやさしさや愛情のようなものが、より強くでているように感じたんですよね。「ガンダム」なのに、すごくやさしい世界だなと。もちろん戦争を描いているから厳しいことは厳しいのですが、同じククルス・ドアンという人物を描いても、これだけ違ってくるんだという見方になりました。
もうひとつめんどくさい話をすると、テレビアニメ版の15話と今回の「ククルス・ドアンの島」は音響監督さんが違うんですよ。藤野(貞義)さんという「機動戦士Zガンダム」を録っていた音響監督さんがやられているのですが、それなのに使っているSE(※効果音)がファーストガンダム(※初代「機動戦士ガンダム」の通称)のものになっているんです。それがガノタ(※ガンダムオタク)にはえらく刺さりまして(笑)。メインカメラの音もそうですし、ザクの機動音など「ザクが動くとき、この音がするとうれしい!」って、すごくありがたかったです。そういうところにも制作者の方の愛を感じました。
【「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」作品情報】
1979年に放送されたテレビアニメ「機動戦士ガンダム」の第15話「ククルス・ドアンの島」を映画化。テレビシリーズを再編集した劇場版3部作には含まれなかった伝説的エピソードを、「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザイナー&アニメーションディレクターで、近年は「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」も手がけた安彦良和が監督を務めて新たに映像化。「機動戦士ガンダム」の主人公アムロ・レイや乗艦ホワイトベースの仲間たち、アムロが駆るRX-78-02ガンダムなど、ファンにはおなじみの登場人物やメカニックが最新のアニメーションで描かれる。
●おそらく人生でいちばん見ている映画「逆襲のシャア」
――「ガンダム」の映画のなかで、お勧めの作品を教えてください。
阪口:そうですね……。基本的にひとつの歴史線のなかで語られているものなので、できれば全部見ていただきたいところなのですが、とりあえずファーストガンダムの劇場3部作と「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」を見ればいいんじゃないかと思います。僕自身はファーストガンダムはテレビシリーズのほうが好きなのですが、初めて見る方には劇場3部作のほうがいいかなと。
僕は「逆襲のシャア」がすごく好きで、おそらく人生でいちばん見ている映画だと思います。ふだん映画は見返さないほうなのですが、「逆襲のシャア」だけは本当にアホほど見てしまっていますので(笑)。
「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」
(C)創通・サンライズ
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――「逆襲のシャア」のどこに魅力を感じられるのでしょう。
阪口:とにかくストーリーが面白いですし、モビルスーツ戦も格好いいんですけど、何が魅力かと言ったら、あの人間が好きそうじゃない富野さんが――こんなこと言ったら怒られますけど(笑)――人の可能性を信じて奇跡を見せてくれたってうところに僕はグッとくるんです。
富野さんは作品のなかで物事をきれいに描く方ではなく、「逆襲のシャア」も人には可能性なんてないというストーリーが展開されて悲劇的に終わってもおかしくないのに、最後では人の可能性をみせる。そこに、こんなオカルト的なことをやっちゃうんだという思いもあるのですが、それを上回る「いいものを見たな」という気持ちにさせられるんですよね。僕のなかでは、ずっと「いい作品」であり続ける1本です。……映画の取材でこんな話で大丈夫ですか。ただオタクをさらけ出すだけで終わってしまった気もしますけれど(笑)。
【「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」作品情報】
ガンダムシリーズ初の完全オリジナル劇場版。シリーズ1作目「機動戦士ガンダム」から続くアムロ・レイと宿敵シャア・アズナブルの最後の戦いを描く。宇宙世紀0093年、ネオ・ジオン軍の総帥として歴史の表舞台に返り咲いたシャアは、地球環境を汚染し続ける人類を粛正するため、小惑星アクシズを地球に落下させようする。アムロは自ら設計した新型モビルスーツ、ν(ニュー)ガンダムに乗り、シャアの企みを阻止するため戦う。
●お互い本好きの釘宮理恵さん、日々の生活をいろどる読書
――すごく良い話でありがたかったです。最後に、ラジオ番組「阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー」について聞かせてください。
阪口:この番組は、お互い本好きのくぎみー(※釘宮さんの愛称)と楽しいことができたらいいね、というところからスタートしています。「ブックトラベラー」という番組名のとおり、本筋としては本ありきの話をしていますが、基本的には僕らが楽しければいいのかなというスタンスでゆるっとお届けしています。
皆さんにも読んでほしいなと思う本はたくさんあって、それを番組で紹介できるのはうれしいかぎりです。僕自身、読書をつうじて知識をひろげてきた人間なので、その楽しさや奥深さ……というと偉そうですが、読書が日々の生活をいろどるエッセンスになったり、人生の一助になったりしてもいいんじゃないかな、なんて考えています。ただまあ単純に、自分が読んで面白かったものを共有したい思いはずっとあったので、それが実現できているこの番組はとても楽しいです。映画好きの方には、読書好きの方も多いと思います。よかったらぜひ一度番組を聴いてみてください。
「阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー」
ラジオ大阪、アニメハックYouTubeチャンネル、ニコニコチャンネルにて、毎週日曜深夜12時(月曜午前0時)から放送中
公式Twitter:
番組コラム:https://anime.eiga.com/news/column/sakakugi/
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