「機動戦士ガンダム SEED DESTINY」シン役の鈴村健一が“人生で最も長い1年”を振り返る

シン・アスカ役の鈴村健一が舞台挨拶

(C)創通・サンライズ

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「機動戦士ガンダム SEED DESTINY スペシャルエディション HDリマスター」4部作の連続上映を記念して、10月11日に東京・有楽町マリオンで、シン・アスカ役の鈴村健一による舞台挨拶が実施された。

鈴村がファンの前で「ガンダムSEED」シリーズについて語るのは、劇場アニメ最新作「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」の公開決定後初めて。鈴村は「ガンダム SEED DESTINY」放送から19年を経た今だから語れるシンへの思いや、「ガンダム SEED FREEDOM」公開に向けての胸中などを明かした。

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「ガンダム SEED DESTINY」は鈴村にとって、20代のキャリアを締めくくることになった節目の仕事。前作「機動戦士ガンダム SEED」のオーディション落選を受け、意気消沈していた鈴村だったが、その後「GEAR 戦士電童」（2000年放送）に出演していた縁から福田己津央監督から直々の連絡があり、シン役での出演につながったという。「シンは（劇中で）とても苦戦していたけれど、頑張っているのに、いつも怒られるし誰もほめてくれなかった。自分自身も頑張っていたのですが、誰もほめてくれなくて（笑）、まさにシンとシンクロしていました。いま振り返っても、人生で最も長い1年だったと思います」と往時を回想した。

キラ・ヤマト役の保志総一朗いわく「誰が生き残るか、戦場のようだった」という前作「ガンダム SEED」の収録現場。一方「ガンダム SEED DESTINY」の収録は、さながら「冷戦のようだった」という。鈴村は「とにかくストイックで、ギリギリまで追い込んで収録していた」「静かに淡々と、探り合っているような現場。とにかく緊張感がすごくて。僕は普段すごくおしゃべりなほうですが、当時の現場はあまりしゃべらなくて、集中しないとついていけないような、そんな現場でした」と語る。また、福田監督からの「まっすぐ過ぎてもいけない、癖をつけてほしい」というリクエストもあり、鈴村にとっては20代の最後に「自分の個性とは何か？」を見つめなおす現場になった。そんななかにあって、アフレコ中の保志のツンツンの髪の毛にクモの巣が張っていたという珍事件は、心和まされて印象的だったそう。

鈴村の「ガンダム SEED DESTINY」作中でのお気に入りエピソードは、シンがキラを打倒する第34話「悪夢」。「シンにとってキラの撃墜ことは悲願なのに、タイトルが『悪夢』って……。『歓喜』でしょ（笑）！　 いつも怒られているアスラン目線からの“悪夢”なんですよね。めちゃくちゃ頑張ったのに！　子どもっぽいままのシンが、努力して、成し遂げるという、彼の人生の中で大きなポイントであり、ピークだったと思います」とシンの成長ぶりを振り返った。

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最新作「ガンダム SEED FREEDOM」の公開決定を知った際の感想を聞かれた鈴村は「劇場版をやるということは、約20年前に聞いていました（笑）。おおお！　からの20年でした」とおどけてみせ、「今回、制作決定を聞いた時は……正直な話、本当にやるの？　という気持ちでビックリしました！　そして、本当にやると連絡が来た時、いよいよだなと思いながら楽しみでした。20年前の作品にもう1回関われることはそうありませんし、奇跡のようなこと。作品のポテンシャルも保たれていないと成立しない。これはお祭りだな！　と感じました」と喜色満面。アフレコはすでに完了しているとのことで「なんとか終わりました。なので、全部知っています。ここで言うと、明日から生きていけないので中身は絶対話しません（笑）」とはぐらかしつつも、「ただ、おおっ！　となります！　高まります！　公開まで待っている期間が大事で、楽しいですよね。劇場版らしい作品になっていると思いますし、劇場で見る意味や、カタルシスがある作品に仕上がっています」とファンの期待をあおった。

「機動戦士ガンダムSEED DESTINY スペシャルエディション HD リマスター」は、10月6～19日に第1部、10月20日～11月2日に第2部、11月3日～16日に第3部、11月17～30日に第4部を上映する。劇場版「機動戦士ガンダム SEED FREEDOM」は2024年1月26日に公開。