2024年1月13日(土)19:00
「明治撃剣-1874-」三上哲が語る修羅神狂死郎の役作り まず自分を“だまして”セリフにする
(C)2024 Crunchy Onigiri, LLC
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いよいよ1月14日から、BS松竹東急での放送、dアニメストアほかでの配信開始が目前に迫った「明治撃剣-1874-」。第1話の放送・配信に先立ち、修羅神狂死郎を演じた三上哲さんのインタビューをお届けしよう。作品についての思いや全体的な見どころ、あるいは狂死郎というキャラクターの魅力など、色々と語っていただいた。
三上哲さん
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──まず、「明治撃剣-1874-」に出演が決まったときのことから伺えますか?
三上:アニメで時代劇は意外な感じもありましたけど、劇中に実際に起こった出来事が出てきたり、実在の人物が出てきて実際にもそう動いてたのかな? と感じさせてくれるリアリティを感じて、そこが面白いなぁと。実在の登場人物が勝手に動くのではなく、史実に合わせた動きをしていて、そこに架空の人物達がどう絡んでいくのか? みたいなところですよね。アフレコするにあたっては重厚感を意識しました。過去に見た時代劇……それこそ大河ドラマとかを思い出しながら、そういう空気感をつくりたいなとも思いました。でも僕は洋画の吹き替えの仕事が多いので、日本の時代劇はまずやることがないですから(笑)
──レアなお仕事でもあったんですね。狂死郎の第一印象は?
三上:最初は絵(キャラ設定画)と名前からだったんですが、すごい名前ですよね「修羅神狂死郎」って(笑)。「死」なんて文字が入っていて。それにあの長髪に片目と、要素盛り盛りな感じで(笑)。そこに負けないように演じようと思いました。
修羅神狂死郎
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──ベースの演技プランとしては、でも淡々とクールにという方向ですか?
三上:キービジュアルで狂死郎は青い炎をまとった剣を持ってますけど、その感じ。ただ冷めてる人ではなくて、心の中にふつふつと青い炎を燃やしているというイメージです。最初の話数は割と淡々とした芝居で進んでいくんですけど、後々怨みを抱いている相手と出くわしたりした時の変化というか……。クールな感じで来たところから、そこで「積年の恨み!」と、グッと感情を出すというか。そういうところでの変化は心がけた気がします。
──その「青い炎」の感じをセリフにのせるうえで意識されたことは?
三上:やっぱりあの鋭い目つきですよね(笑)。でもそれは冗談とかではなくて、本当に身体から変えて(キャラに近づけて)、そこから最終的に「声」にするというのが、自分の中での声のお仕事に関しての「やり方」なんですよ。自分の身体が「演じる役に変わった」上での声ということで。そのためには一つの物に対して、そのキャラがどう見るか? みたいな感じでぐっと見据えたところから入って、それでセリフを発するやり方なんです。
──狂死郎に「身体的に変わる」入口みたいな部分が、あの目つきなんですね。
三上:だから狂死郎の眼光をいつもイメージしながら、「こいつは何を見てるんだろう?」って想像しつつ、同じようなものの見方から入ってセリフを言う。だから、マイク前でもしかめっ面になってしゃべるわけです(笑)。でも声を張るのではなく、静かに。例えば「待てっ!」って強く言うのではなく、冷たく抑えた感じで「待て…」みたいな言い方になるんですが、そこはグッと集中して研ぎ澄ました感じで行くので、そのためにも僕は「見る」ことを大事にしているんです。狂死郎の物の見方を「見る」ことによって、まず自分が「だまされる」(笑)。自分を(狂死郎だと)だましてセリフにする。つまりなりきることなんですけど、そのためには「見る」こと、そのキャラの「物の見方」が大事だなと思ってるんです。
──何か「物の見方」のきっかけをつかんだようなシーンはあったのですか? それとも、全体的な雰囲気からですか?
三上:そこは全体的にですよね。あるものからだけでなく、その先を見据えているようなイメージでやってました。やっぱりひとつひとつのセリフごとに、何に注意を向けているのか? が変わるので。ベースとしての「物の見方」は変えずに、そのシーンに合わせて「見据える」対象を変えてお芝居をしていった感じでしたね。
──三上さんとして、狂死郎のこういう部分に注目というところはどこですか?
三上:やっぱりただクールで怪しい謎めいた人物というだけじゃなく、人間的な部分もあるので。仲間の3人に対しての思いであるとか。そうした人間臭い部分も感じてもらえたいいかなと思ってます。1話あたりは本当に謎めいた感じで出てくるんですけど(笑)、実は先々まで見据えた行動をとっているので。だからきっと見ている方は、最初は狂死郎の狙いがなかなか読めないんじゃないかと思うんです。そうした部分も楽しんでもらえたらと思ってます。そうした部分も含めて、演じていても狂死郎は面白い役でしたね。ただ人を斬るだけの男ではないですからね。
──例えばどういうところが、演じていて楽しかったのですか?
三上:相手の心情にグッと詰め寄っていくようなセリフは楽しかったですね。でもそれだけ常に自分の中にエネルギーを溜めながら演じてる状態で、その分消耗も激しいんですよ。だからアフレコが終わると、グデ〜ってなっちゃってました(笑)
──3人の仲間については?
三上:ダリオはかわいいですよね。いい子というか、狂死郎のグループの中の癒し……というわけじゃないですけど(笑)。幼さも残しつつも、でも戦いの腕は確かで。いい子ですよね〜。癒やされますね〜。幻丞はお父さん的な感じですよね。だけどすごい技を持ってるんですよ。それを使うと、なんでもできちゃいそうで(笑)。演じられた松山鷹志さんは、僕がお芝居を始めて、最初に入った事務所の先輩なので昔から知っていて。そういう立場の人が幻丞を演じてくれたことはすごく嬉しかったです。収録はコロナ禍だったので一緒には録れなかったんですけど、アフレコ現場の駐車場ですれ違ったりしたら「おお、三上。これからか?」って声をかけてくれたり(笑)
──そうだったんですね。巨漢の愚円の印象は?
三上:飄々(ひょうひょう)としているけれど、でも頼りになるし。意外と何を考えているのか分からないところもあるんだけれど、ちゃんと仲間意識は持っていて。とにかく3人とも魅力的ですよね。狂死郎はこの3人に対してすごく信頼してる感じがあって、このグループ、いいなぁって。この4人を主役に、スピンオフを作ってくれないかなぁ?(笑)
折笠静馬(CV:中村悠一)
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──三上さんからご覧になっての、主人公の静馬の印象はどうですか?
三上:狂死郎が青い炎ならば、静馬は赤い炎ですよね。グワッと燃え上がるような熱い気持ちを持っていて。狂死郎が遠く己の目標の一点を見据えているとするのに対して、静馬は広く……話が進むごとに仲間もどんどんできてきて、だけど目的に対しては真っ直ぐなところがあって。同時に爽やかなイメージもあって、みるからに「主人公!」っていう感じですよね。本当に狂死郎とは相対する感じです。光と陰、赤と青みたいな(笑)。そんな風にまったく違う静馬と狂死郎の生き様を、見届けて欲しいと思います。
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──先ほど少し話もでましたが、この作品は虚実入り交じったストーリーなのが特徴ですよね。
三上:そうなんですよ。この作品に関わることになって、少し明治初期のことを調べてみると「あ、本当に起こったことが描かれてるんだ!」って驚いて。まったくのフィクションではないので、本当にリアリティがありますよね。明治初期って様々な出来事がありすぎて、どうしても特定の「この出来事」についてという感じで分散しがちなんですけど、それがこの作品では上手く色々と散りばめられているので、またあらためて色々知りたくなりました。この作品のいちばんの黒幕も、実在の人物ですからね。それを知って「本当にいたんだ!」って驚きました。見て下さる方も、これをきっかけに明治時代のことを調べると面白いんじゃないかと思いますよ。
──では「明治撃剣-1874-」の放送と配信を楽しみにされている方へ、メッセージをお願いします。
三上:声優さんも洋画の吹き替えの人が多くて、そこも作品のひとつの特徴になってると思います。ただ最近はこういう作品は少ないのかな?……時代劇もそうですし、実際に起こった出来事を絡めているところとか。だけどすごく明治初期のその頃の価値観も分かります。例えば会津と薩摩の立場とか。それがいきなりガラッと変わって、その中でみんなどう生きていくのか? それぞれの生き様がそれぞれにあって、そこがすごくドラマに臨場感と厚みを与えています。ぜひBS松竹東急や配信でご覧になって、そうしたところを楽しんで下さい。
【取材・文:ぽろり春草】
【放送・配信情報】
・1月14日午後11時からBS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)にて放送開始
・dアニメストアにて1月14日午後11時30分より最速配信開始
・Amazon Prime Video、ABEMA、U-NEXT、hulu 、Lemino 、FOD、DMM TV、ビデオマーケット等で1月17日午後11時30分より順次配信開始
作品情報
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時は1874年。侍の時代の終焉を意味した大政奉還から7年。新政府(明治政府)は、欧米列強国に追いつくべく富国強兵策を推し進めていた。元会津藩士の折笠静馬は、刀を捨て髷を落とし東京で人力車の車夫を...
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