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特集・コラム 2023年1月6日(金)19:00

渡部紗弓&菊池紗矢香 アニメ「人間不信」のアフレコの熱量の高さ、「人間っていいな」と思うこと

(C) 富士伸太/MFブックス「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」製作委員会

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1月10日からスタートする「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」は、人生のどん底のなか出会った4人の冒険者がパーティーを組んで迷宮を攻略していく物語。重度のアイドルオタクであるニック(CV:小林裕介)など、それぞれ人生の救いとなる趣味をもつ個性的なメンバーがそろっている。
 パーティーの女性陣である、元貴族学校の魔術師ティアーナ役の渡部紗弓、竜人族の戦士カラン役の菊池紗矢香の2人に、「アニメハックTV」第18回(11月5日配信)出演後、話を聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)

――役がきまった経緯を聞かせてください。オーディションを受けられたのでしょうか。

渡部:はい。私はティアーナのみで受けていました。

菊池:私は他のキャラクターを含めて受けていまして、そのなかからカランにきまったという感じです。

ティアーナ

ティアーナ

(C) 富士伸太/MFブックス「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」製作委員会

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――オーディションはいかがでしたか。

渡部:最初は日常系によりそった作品なのかなと思っていたのですが、読み進めるとけっこうアクションもあるんだなという印象でした。オーディションでは攻撃魔法を叫ぶセリフもありました。ティアーナは元貴族学校の子なので、オーディションでは貴族らしさをだしつつも凛とした強い感じをだそうと考えながらやっていたと思います。

――(スマホを操作している菊池さんを見て)今スマホでご覧いただいているのがオーディションのときの台本ですか。

菊池:はい。うれしくてすぐ見られるようにずっともっているんです。カランは見た目の印象からカッコいい感じなのかなと思っていたのですが、セリフの内容をみるとご飯が好きでかわいいところもあるという印象が強かったです。この子はどのくらいの年齢感でどのようにやるのが正解なんだろうと考えながらオーディションに臨みました。
 カラン役に決まって収録がはじまってからも、最初はだいぶ幼くつくっていたと思うのですが、カッコいい部分を見せるために年齢感を少し変えるなどして、ギリギリまで試行錯誤してつくりあげたキャラクターだと思っています。

カラン

カラン

(C) 富士伸太/MFブックス「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」製作委員会

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――オーディションで印象的だったセリフを教えてください。

菊池:「八本焼きだー」といういうセリフです。「これは八本焼き。小麦粉で焼いた玉のなかに、ブツぎりの八本足が入っている」とご飯の話をするのがすごく楽しくて、カランの無邪気でかわいいところがでていると思いました。本編にも同じセリフのシーンがあって、演じるときはオーディションでやったなと思いだしながら演じました。

――渡部さんは、オーディションに受かった知らせをどんなシチュエーションで知ったのでしょうか。

渡部:イベントで京都にいく新幹線の中で聞きました。一緒に移動していたマネージャーさんがハンバーグ弁当のふたをあけながら、「(軽い口調で)あ、そういえば、この前のやつ決まったよ」と言ってきて、そんな大事な話を今言うんだって思いました(笑)

一同:(笑)

渡部:私もこれからお弁当を食べようとそっちに集中していたので、マネージャーさんの言葉がちゃんと入ってくるまでに時間がかかって、「え……ええっ」って思わず二度聞きしてしまいました(笑)
 長時間の移動だったので、マネージャーさんとこれからの未来の話をしていたときにポロっと不意打ちで言われたんです。なので、「よかったね、これからも頑張れるね」という話もできて、楽しい旅路になった記憶があります。

――「アニメハックTV」のトークで、1話のアフレコ収録の参考用映像に監督(※いまざきいつき監督)が吹きこんだセリフが入っていたという話題がありました。そのときの話をあらためて伺わせてください。

菊池:最初に映像を見たとき、「どうして声が入っているんだろう」と思いました。最初のセリフは自分が演じるキャラではない男の人だったので、「これはすでにどなたかが収録したものが入っているのかな。でもお名前を聞いている方の声ではないし誰なんだろう」と思いながら自分のセリフまできてようやく、「これはどうやら全部のセリフに入っているらしいぞ。いったいなんなんだろう」と、本当に最初はまったく分からない状態でした。
 その後、1話の収録現場でスタッフさんから、監督さんが全部声をいれられていて、監督のなかではこんなふうにやってほしいという思いがこめられているという話を聞き、「なるほど。そうだったのか……」と思ったのがすごく印象に残っています。そこまでされる監督の熱量や思いに応えられるような演技ができるよう、頑張らなければと思いました。

――通常は無音ですから渡部さんは無音で映像をチェックされていて、監督によるセリフが入っていることに気がつかれなかったわけですね。

渡部:私は音声が入っているのを知らないまま普通にチェックをして不安と緊張のなかスタジオに行ったら、まわりのみんなから「音声が入っていた」と言われて、えっそうなのっ! てなりました(笑)
 説明をうけて、収録まで時間があったのでその場で音声を聞かせていただき、付け焼き刃ではありますが、あとは監督に教えてもらおうと臨みました。実際、収録では監督の熱量が感じられて、じっくり時間をかけて録ることができました。後半は役者と演技のディスカッションしながら進めるときもあって、説明されたことにたいしてしっかり考えて演技で返すやりとりも多くありました。最近はご時勢的になかなか時間がかけられないときもあるので、熱い現場だなと思った記憶があります。

菊池:私も熱量が高い現場だなと思っていました。何事もうやむやにせず、最後までとことんやる感じで、「納得しましたか」「大丈夫ですか」と確認しながら、私たちの疑問が解消されるまでお話をしてくださって。

渡部:ひとことに対する熱のかけ方が本当にすごいと思いました。少しでも違和感があったら繰り返しやろうというスタンスで、それは時間がかかることではあるのですが、私たちは監督を信じて監督が求めているところまでたどり着くぞという気持ちで臨んでいました。
 監督の思いを私たち演者に直接伝えてくださったのは音響監督の納谷(遼介)さんで、監督の思いや熱意を、私たちが演技に落としこむためにどう伝えればいいのかという方向性を上手く導いてくださったなと感謝しています。

菊池:1話の収録はとにかく緊張していました。これまで演じてきたキャラクターは、基本的に自分のなかである程度これだと固まった状態で臨んでいることが多かったので、カランのように固まりきっていない状態で臨んだ今回の収録は、どうしようと思っていた記憶ばかりです。ただ、現場にもっていったカランの人物像は大きく変わっていなくて、監督が思い描いているキャラクター像を混ぜこみながら最終的にどういう方向性にしていくのかをすりあわせていけた実感があります。

――2話以降は参考用の映像に監督の声が入っていることが分かったうえで収録されたわけですよね。

菊池:2話以降は監督の思いを踏まえたうえで、事前に自分のなかでキャラクター像をつくることができました。ただ、台本を読んで自分自身が感じたことと、音声から感じられた監督の解釈とが異なっている部分もあって、「なぜここでセリフを区切っているんだろう」「きっとこういうふうに考えられたのかな」といろいろ考えることも多く、そうした部分を収録ですり合わせていく作業は2話以降も続きました。
 この作品では各キャラクターにお当番回があるのですが、そこではもう現場の熱量とその場の気持ちでわーっと演じてそこででたものがすべて(笑)、みたいなときもありました。そういうときも私たちの熱量をそのまま汲みとって、上手く作品にいれこんでいただけたのはありがたかったです。

渡部:じっくり録った1話をふまえればなんとかなるかなと思っていましたが、そうではなかったです。物語が進んでくるとキャラクターも成長していきますので、後半の話数になると、そこにあわせていく作業が別の困難としてでてきました。1話1話、ティアーナと一緒に成長していく感覚で毎話とりくんでいました。
 ティアーナのお当番回にはなかなか難しいシーンも多くて、監督や音響監督の納谷さんに付き合っていただきながら時間をかけて収録させてもらいました。ご迷惑をかけたなという思いもありつつ、そのぶん「人間不信」に対する愛情もより沸いてきました。こんなに思いきり力をだせて、とことん付きあってくださる現場もなかなかないなと思いますし、やりきったあとは達成感でいっぱいでした。

――放送前のファンの方に向けて、本作の魅力を聞かせてください。

菊池:タイトルから、人間不信の冒険者たちがはたして一緒にやっていけるのだろうかと皆さん気になってくださっているんじゃないかと思います。1話では、そんな4人がどうしてパーティーを組むことになったのか、人間不信な状態でどう折り合いをつけていくのかが語られますので楽しみにしていただきたいです。
 人間不信と言いつつも、みんなどこか人間不信にはなりきれず、心のどこかで人を求めている4人でもあると私は感じています。欠点だらけのパーティーだからこそ足りないところを補いあって本当のパーティーになっていく彼らを、一緒に見届けていただけたらなと思います。

渡部:私もこの4人は人間を信じたい集まりだと感じています。でも、みんな裏切られたことによって人を信じられなくなっていって、PVのセリフにもあるように「それでも信じたい」んですよね。そんな同じ思いがあるパーティーのなかに絆が生まれて、いろいろな人に出会い、困難を乗り越えていくことで人間不信の気持ちを克服し、いかに世界を救っていくかに注目してほしいです。私たち4人以外にも、アイドルのアゲートちゃんなど魅力的なキャラクターがたくさん登場します。
 小説や漫画にはない音の部分の表現にすごくこだわっていて、原作ファンの方の期待に応えられるものになっているように私は感じています。原作を知らない方は小説、漫画、アニメの3つすべてをチェックして楽しんでいただけたらうれしいです。

――最後にタイトルとは反対に「人間っていいな」と思えることについて聞かせてください。渡部さんは、お好きなアイドルのブログを読むだけで幸せになれると「アニメハックTV」のトークでお話されていました。

渡部:私は本当に、好きなアイドルのブログと映像コンテンツで生かされている人間なんです。彼女ら彼らは、ひとりに対してではなく、たくさんの人への愛情をくれるので、私はその愛を無償でうけているんだと思うと課金が……(笑)。

菊池:課金。思わずワードが口からでちゃった(笑)

渡部:思わず(笑)。だから恩返ししたいと思って推すわけですよね。私は彼女ら彼らを信じて応援していく。ただ、いかなることにも終わりはあるじゃないですか。それはアイドルも同じで……。

――ちょうど「King & Prince」のニュースがありましたね(編注:収録前日の22年11月4日、5人のメンバーのうち3人が23年5月22日に脱退することが発表された)

渡部:本当に昨日は、推せるときに推そうっていう気持ちを思い返しました。うーん……なんて言うんでしょう。信じるって難しいというか、でも向こうも信じているから私も信じているんだなっていうふうにも思うので……質問の内容なんでしたっけ?(笑)

菊池:「人間っていいな」って思うとき。

渡部:あ、そうか(笑)。私は彼女ら彼らがご飯を食べて笑っているのを見るだけで本当に微笑ましい気持ちになって「人間っていいな、幸せな気持ちで応援できてありがたいな」と思います。アイドルの話をのぞくと「ありがとうございます」と言ってもらえるだけでも「人間っていいな」と思います。
 私は「ありがとう」という言葉を聞くために生活しているなと思うので、困っている人がいたらなるたけ助けたいですし、世の中には悪い人がいるのではなくて寂しい人が多いだけではないかと思っているから、できるだけ愛情で返せるようにありたいなと考えています。そうして相手が愛情のレスポンスをくれたときに「人間っていいな」って思います。

――ありがとうございます。思った以上に深い話になりました。

菊池:ほんとに。次に私が言う内容がなくて、どうしようかなって思っています。「人間っていいな」か……難しいな。

渡部:SNSとかで「渡部さん頑張っているな」って書いてくれているのを見るだけで、ありがたく感じて「人間っていいな」と思う。

菊池:そうだよね。自分は声優としてまだまだひよっこだと思っているので、そんな私を見つけてくれて応援してくださっているだけで本当にありがたいなと思います。

渡部:思うね。自分がアイドルを好きなぶん、やっぱり自分のことを応援してくれる人たちに対する愛って本当に深いと思うから。

菊池:それだけでありがとうと思うことがいっぱいで「人間っていいな」と思います。あとはやっぱり家族ですね。この職業って誰でもなれるわけではないですし、なったからといってずっと安泰という職業でもないなか、私のことを信じて「絶対にできるよ」と応援してくれるのは本当にありがたいです。そうして信じてくれるぶん、もっと頑張って恩返しをしなければなといつも思いながらお仕事を――

渡部:(泣く真似をしながら)ううー。

菊池:(一緒に泣く真似をしながら)してますう、ううー。すみません! こんな話でよかったでしょうか。

――とても良い話になって本当にありがとうございます。

渡部紗弓さん、菊池紗矢香さんがゲスト出演した「徳井青空のアニメハックTV #18」もあわせてご視聴ください。

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1月5日~2月5日23:59
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アニメハック編集部

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[筆者紹介]
アニメハック編集部(アニメハックヘンシュウブ)
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作品情報

人間不信の冒険者たちが世界を救うようです

人間不信の冒険者たちが世界を救うようです 35

ディネーズ聖王国に属する都市、テラネ。一攫千金を狙う冒険者に目端が利く商人、歌い踊る吟遊詩人、貴族に神官、獣人族……。職業と人種のるつぼ、都市そのものがまるで迷宮であるかのようなその街を人は”迷...

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