2019年11月2日(土)19:00
【かねやん的アニラジの作り方】第10回 「声優ラジオ“愛”史」は必読の書
「ベルガモちゃん」(デザイン:内藤泰弘)
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12月に、アニラジファンの皆さんには必読の書が辰巳出版から発売されます。「声優ラジオ“愛”史(仮)」。「声優とラジオの50年にわたる歴史を深堀り! 新規リスナーから古参ヘビーリスナーまで楽しめる内容です」と告知されていますが、僕も著者の村上謙三久さんからインタビューを受けました。僕が取材を受けたということはこの本はアニラジのスタッフサイドから見た「声優ラジオ」の本ということで声優さんがでるのではなく、僕もよく知っているスタッフたちが取材されています。
まず驚いたのは、その取材量。僕もこれまでになんどか取材を受けることはありましたが、ここまでよく調べたなと感心するほど、僕のやってきたことを丹念に調べておられました。僕もその昔は報道記者でしたので事前取材は大事なのはわかっているのですが、WEB上の記事や昨年やったライブパッションのパンフレットなんかも購入されて徹底的に「僕の仕事史」を体系的に分析されてましたね。こんな経験なかったので大変気持ちのいいインタビューでした。先日ディレクターのおたっきい佐々木さんと話をしてたら、彼も取材を受けたらしく、「僕の半生をまとめてくれた」と感動してました。自分がインタビューを受けた部分はすでに読んでいますが、もちろん全体は読んでいないので全体でどうまとまっているのか大変楽しみです。
それと感心したのが構成力。村上さんは普段プロレス記者をしているようで、アニラジというそれぞれがその時々に、ばらばらに制作放送している番組群をひとつのストーリーに載せ、バトル要素なんかも入れた独特の「見立て」で本を編んでいく。僕は本を編集したことはないので、歴史のなかで「僕の仕事をこう位置づけるのだ」と本のなかのパーツに僕が入り込んでいく、村上流の「見立て」も楽しみにしてほしい。
このコラムでも過去に書きましたが「アニラジ」いや「アニメ」の領域は、制作者が「これをやりたい」といって始めたものというより、「こうすればファンは喜んでくれるのではないか?」、もっとありていに言えば「こうしたらもっと儲かるんちゃうか?」と未開の大地を全員で踏み散らかして広げてきた領域。よって、アニメもこれまでその社会的な広がりに比べて「まともな評論がない」といわれてきました。ましてや「アニラジ」なんて評論に値する分野でなく、日本のラジオ史の中でも、すみっこに存在するものです。「文化的価値」より「なんぼ儲かったか」が最大の評価基準。だからこの「声優ラジオ“愛”史」もぜひ売れてほしい思います。で、僕も儲けたいので12月に「『声優ラジオ“愛”史』出版記念BAR BERGAMO」を開催します。詳しいことは11月初旬に僕のTwitterなどでお知らせします。ぜひお越しください。
◆宣伝です。
◎ベルガモ公式YouTubeチャンネルが開設されました。各番組の無料パートをお楽しみいただけます。
◎ベルガモに新人男性声優の番組がスタートしました。リスナーと自らの欲を満たしていく「鵜沢正太郎・榊原優希の〇欲男子栽培中」毎週火曜日午後6時にニコニコ・YouTubeで配信。
◎ベルガモの最新情報は をチェック。かねやんTwitterアカウントは @kaneyanmamotan
かねやん的アニラジの作り方~体験的アニラジプロデュース論~
[筆者紹介]
兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長(カネダ ケンイチロウ) 昭和43年大阪府生まれ。法政大学社会学部を卒業、平成3年ラジオ大阪に入社。報道部記者として大阪府警や国会を担当し、事件事故、55年体制崩壊を取材した。東京支社に転勤後一貫してアニメゲームゾーン1314V-STATION の番組プロデュースに携わる。編成企画部長、編成制作部長、東京支社長などを歴任。平成30年退社。日本の新しい音声コンテンツを創造する株式会社ベルガモを創立。
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