2020年3月5日(木)19:00
【かねやん的アニラジの作り方】第14回 新型コロナウイルス騒動とベルガモ
「ベルガモちゃん」(デザイン:内藤泰弘)
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新型コロナウイルスが猛威をふるっています。正確には新型コロナウイルスに対する恐怖感が猛威を振るっています。軒並みイベントは中止され、今日(3月2日にこの原稿書いてます)から全国の学校は休校になっています。私の身の回りでは「AnimeJapan 2020」が中止、3月後半以降に開催予定のイベントも催行、中止の対応を両にらみで準備を進めなければならずなんか落ち着かない日々を送っています。
ベルガモの収入構造をよくわかっていない奥さんから「こんな中止のリスクの高いイベントなんてやめたら?」と言われました。そこであらためてベルガモの収入構造を分析してみたんですが、なんと全収入の7割をイベント、そしてそれにともなう物販で収入が計上されています。そう説明すると奥さんから「ベルガモってラジオ屋さんじゃなくてイベント屋さんなのね」と言われました。もちろん、番組数が上昇することによってニコニコの課金収入は急増していますが、その収入だけで黒字化できている番組は1つしかありません。どの番組も毎月の制作費を半年または1年に1回のイベントで回収し利益を得るというモデルです。ですからそのイベントがなくなるということはそのイベントそのものが赤字になるだけでなく、半年、1年かけた番組の制作費の回収もおぼつかなくなるということになります。おそらくこれは今アニラジで商売されている各社も同じ構造で商売されていると思います。
もう一度原点にかえってベルガモとは何がしたい会社かを考えてみると、突き詰めて言うと「広告収入(スポンサー収入)に依存せず、リスナーが負担したお金で番組を維持し利益を得る事業体をつくりだす」ということです。確かに奥さんが言うようにイベントをやりたい会社ではありません。リスナーが面白いと思うラジオを維持継続させていきたいだけです。ただ、世の中が「モノ消費」が下がり「コト消費」が伸び、それに同調するかたちでこの「オタク」領域も体験、実感あるイベントに「消費=金」比重が移っていきました。
そこにきてこの騒動です。小企業とはいえ会社経営の観点から言うとこのリスクは大変危険なのかもしれません。イベント売上比率を下げ、その他収入を増やす。ただリスナーと番組が熱く濃いコミュニケーションは企業の肝なので、やはりこれまであまり取り組んでこなかった「投げ銭」や「スーパーチャット」などにも積極的に取り組んでいくべきだと考えています。そもそも「リスナーの金で番組を維持させるならニコニコの無料パートっていらないんじゃないか?」などの意見もありニコニコチャンネル上での番組フォーマットも考えなおしたほうがいいのかもしれません。
コロナウイルス騒動はまだ終息の兆しを見せませんがもし長期化するとなると、様々なエンタメ領域で「イベント」というものの立ち位置が少し変化していくのかもしれません。
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◎ベルガモ公式YouTubeチャンネルが開設されました。各番組の無料パートをお楽しみいただけます。
◎ベルガモの最新情報は をチェック。かねやんTwitterアカウントは @kaneyanmamotan
かねやん的アニラジの作り方~体験的アニラジプロデュース論~
[筆者紹介]
兼田 健一郎 株式会社ベルガモ代表取締役社長(カネダ ケンイチロウ) 昭和43年大阪府生まれ。法政大学社会学部を卒業、平成3年ラジオ大阪に入社。報道部記者として大阪府警や国会を担当し、事件事故、55年体制崩壊を取材した。東京支社に転勤後一貫してアニメゲームゾーン1314V-STATION の番組プロデュースに携わる。編成企画部長、編成制作部長、東京支社長などを歴任。平成30年退社。日本の新しい音声コンテンツを創造する株式会社ベルガモを創立。
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