2018年6月7日(木)19:00
美少女キャラのプラモデル化とその歴史 「静岡ホビーショー」レポート
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この数年、美少女キャラクターの立体化の大きなトレンドとなっているのが、プラモデル。5月10~13日に開催された「静岡ホビーショー」会場からその状況をチェックしてみましょう。
美少女プラモデルの歴史を振り返ると1980年代にバンダイから出ていた「うる星やつら」のラム、「魔法のプリンセス ミンキーモモ」のミンキーモモ、「機動戦士ガンダム」のセイラやフラウ、マチルダ(男キャラでアムロやカイも出ていましたが)、さらにはメカ+美少女の「ガンダムMk-IIレディ」「マクロス バルキリーレディ」なんてものもありましたが、このところの中心となっているのは1/12スケールサイズの可動フィギュアのプラモデル。その大きなきっかけとなったのはコトブキヤの「フレームアームズ・ガール」です。
もともとはコトブキヤオリジナルのロボプラモデルとして展開していた「フレームアームズ」から派生したメカ+美少女のプラモデルシリーズで、コトブキヤの美少女フィギュアの技術を投入、それまでの美少女プラモデルとは一線を画す造形とつくりやすさで大人気となりました。2017年にはテレビアニメ化もされて、より幅広い人気を得ています。
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「静岡ホビーショー」のコトブキヤブースで多数展示。写真左上から右へ「轟雷改(with FAガールズ) ~最終戦仕様~」「フレズヴェルク インバート」「アーキテクト Gun Metallic Ver.」「グライフェン」。バリエーションや新作含めてコンスタントに発売されています。
コトブキヤは「メガミデバイス」という別シリーズも展開しています。こちらはプロデューサーとして鳥山とりを氏、素体設計は浅井真紀氏と、KONAMIから出ていた人気アクションフィギュアシリーズ「武装神姫」のスタッフが手がけています(浅井氏は他にもfigmaや「チトセリウム」などにも関わった、可動フィギュアの第一人者)。「フレームアームズ・ガール」は「フレームアームズ」で発売されているロボの美少女化が中心ですが、こちらはオリジナル展開。他作品とのコラボも行われています。
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「メガミデバイス」の新作あれこれ。写真左上から右に「SOLラプター」「Chaos & Pretty マジカルガール、Chaos & Pretty ウィッチ」「ランチャー(仮)、ランサー(仮)」「朱羅 忍者蒼衣」「朱羅 弓兵蒼衣」。
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コラボでは写真上の「武装神姫」猟兵型エーデルワイスや写真下のスマホゲーム「アリス・ギア・アイギス」吾妻楓などが展示されていました。
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「フレームミュージック・ガール」初音ミクや「勇者王ガオガイガー」の美少女化、ゲーム「装甲娘」のプラモデル化も。
なお、今回は展示はありませんでしたが、コトブキヤからは「武装神姫」のプラモデル版も発売予定になっています。
グッドスマイルカンパニーとマックスファクトリー、それぞれから全く別コンセプトの可動プラモデルが登場しています。
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グッドスマイルカンパニーは「chitocerium(チトセリウム)」というオリジナル作。これはイラストレーターのhuke氏と、「メガミデバイス」も手がけた浅井真紀氏によるプロジェクト。コンセプトムービーが発表されていますが、そのデザインは独特の美しい形状で、今後の詳細発表が待たれるところ。
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マックスファクトリーはもともと1/20スケールフィギュアのプラモデルを展開しています。大きな話題にもなっていた1/20スケールの巨大な「超時空要塞マクロス」VF-1バルキリーのガウォークのプラモデルも実はこのシリーズ。今回はファイター形態や一条輝、早瀬未沙などの展示が行われていました。他にも「ガールズ&パンツァー」や「艦隊これくしょん -艦これ-」もこのシリーズで出ています。ですがこれらは可動しない固定ポーズで、スケールサイズも小さめと今回のテーマとはちょっとずれてます。ですが、今回の会場では注目すべきアイテムが新発表されていました。
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それはプラモデルのfigma。1/12スケールフィギュアの市場を作って牽引してきたPVC製完成品可動フィギュアのfigmaがプラモデルで展開されるのです。発表されているのは、エージェント&学生服とセーラー服&ブレザー服という男女それぞれ1組。非常に汎用性の広いスタンダードなネタが選ばれています。
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同じく1/12くらいの大きさで「Guilty Princess」という新シリーズも発表されていました。イラストレーターのTony氏がイラストを手がけているようですが、こちらの詳細は未発表。
その他にも各メーカーから美少女可動プラモデルがいろいろ。
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写真上、アオシマから大好評発売中の「マクロス」シリーズのバルキリーをまとった少女、V.F.G.はカラーバリエーションの第2弾が登場。写真左下、ボークスは「ブロッカーズFIORE」としてオリジナルのメカ+美少女シリーズを展開。写真右下、イエローサブマリンは素材としての可動プラモデルの企画進行中。なお、今回の静岡ホビーショーには参加していませんが、ウェーブも1/12サイズの女性型可動素体のプラモデル進行中という告知が以前ありました。
と、このようにさまざまな新作が発表されています。この1/12スケール(この大きさで1/1という設定のものもありますが)美少女可動プラモデルの隆盛は、コトブキヤの「フレームアームズ・ガール」の大ヒットが一つの大きなきっかけですが、それ以前にあったほぼ同スケールのPVC製完成品可動フィギュアの流れが大きな影響を与えています。海洋堂のリボルテック、マックスファクトリーのfigma、KONAMIの「武装神姫」などが、2005~2007年あたりにスタート、3000円台の手に入れやすい価格で、造形クオリティ&可動性能&プレイバリューも高く大ヒットとなって、それまでの固定ポーズ中心だったフィギュア市場を大きく変えました。そういった可動フィギュアのプラモデル版とも言えるのが、この美少女可動プラモデルなのです。
プラモデルでは難しかった女の子だからこその柔らかいラインの再現や、最初から瞳が描かれている顔パーツなど、完成品フィギュアのノウハウも投入され、そのクオリティも高くなっています。プラモデルなので組み立てる必要はあるものの、色を塗らなくてもそれなりの仕上がりになりますし、こだわっていけば作り手の思うままにカスタマイズすることも可能、完成品フィギュアにはない楽しみがそこにはあります。
そしてその価格もポイント。可動フィギュアは出始めこそ3000円台だったものの、現在はそのころの倍以上になりボリュームによっては1万円以上のものも。美少女プラモデルはまだそこまではいかず、手を出しやすい価格なのです。
と、ここまで紹介してきた可動プラモデルとは別ラインの美少女プラモデルがこのところ大きな話題になっていましたが、もちろんその展示も。
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それがこのBANDAI SPIRITSホビー事業部が発表した「ガンダムビルドファイターズ Figure-riseLABO ホシノ・フミナ」。バンダイのガンプラでは「すーぱーふみな」や「はいぱーギャン子」など、サイズが他社よりひとまわり大きめの美少女可動プラモデルも出ているのですが、このFigure-riseLABOはさらに大きく1/6スケール程度の固定ポーズのプラモデルです。その特徴はなんといってもその肌。もともと「ラブライブ!サンシャイン!!」などの胸像プラモデルで使っていた「レイヤードインジェクション」(複数のカラー素材を一つの型に流し込む技術で精細な瞳をも未塗装で再現できる)を肌にも使うことでその透明感や血色、シャドウ等を表現しているのです。他にも肌や水着の質感なども含め、その技術はバンダイだからこそのすさまじさなのです。
美少女プラモデルはその表現や技術、ギミックなどが急速に進化している最中で、非常に熱いジャンルになっています。今後どんな展開を見せるか、どんなものが出てくるのか要注目!
ホビー&フィギュア トレンド
[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ) フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。
作品情報
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ある日の早朝、普通の女子高校生あおの元に届けられた謎の小包。開けるとそこにはフレームアームズ・ガールと呼ばれる完全自律型の小型ロボット『轟雷』が入っていた。
おもちゃだ! プラモデルだ!
しかし...
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壽屋(KOTOBUKIYA) フレームアームズ・ガール ゼルフィカール ST Ver. 全高約190mm ノンスケール プラモデル
¥4,870
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