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特集・コラム 2022年12月29日(木)19:00

イベント展示で見るフィギュアの現在とこれから 価格高騰、海外市場、プライズフィギュアの変化

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いつものように、まずは最近のフィギュア・ホビー関係の状況から。
 最近はリアルイベントの開催が活発で、11月は毎週のように開催されていました。13日にAK-GARDEN、18~20日にTAMASHII NATION、26日にメガホビEXPO、26~27日にワンホビ、あみあみホビーキャンプ、12月になっても4日にとなりのモケイフェスティバル、17~18日にジャンプフェスタ(フィギュア関係はその一部ですが)と続きました。
 特に11月26日は同じ秋葉原エリアの3カ所で開催。なかでも3年ぶりのメガホビEXPOは終日入場待機列も長く形成され、中に入っても人気コーナー(アルターなど)を見るためにはまた長い列で待たなければいけないという状況。コロナ前よりもさらに大盛況でした。そのレポートこみの今年のまとめは記事後半で。

このタイミングでざっくりまとめておきたいネタがもうひとつ。2023年2月12日に開催されるワンダーフェスティバル2023[冬]の各種情報が公式サイトで発表されていますが、そのなかから当日版権情報をざっくりと。
 まず一般ディーラー数は1683。コロナ以降は1420だったので、1割程度増えています。配置を少し詰めて、より多く参加できるようにしたようです。なお、コロナ以前のピーク時は2000くらいでした。
 作品別の当日版権申請ディーラー数で1位になっているのは「Fate」シリーズで104(前回は87)、続いて「ウマ娘 プリティーダービー」が100(前回は94)。前回、前々回は「ウマ娘」が1位だったのですが、逆転しています。ただ、「ウマ娘」は申請してもNGになっている例も多いようなので(水着衣装などはダメっぽい)、予備申請段階では1位だったかもしれません。
 他に増加傾向で目立ったところでは「アリス・ギア・アイギス」33→44(「艦隊これくしょん -艦これ-」と並んでいます)、「ブルーアーカイブ」18→32など。
 いずれも12月中旬時点の数字を独自にチェックしたものなので、最終的な数字ではありません。

もうひとつ、11月25~27日の東京コミコンにあわせて、興味深いプレスリリースも出ていたので、これもまとめておきます。以前この連載記事で書いたことのあるアメリカのフィギュアメーカーFUNKO、その日本での販売を新たにSB C&S株式会社がはじめるというものでした。
 以前の記事に書いたように、FUNKOはバンダイが日本での独占販売権を獲得して21年3月から商品を販売していたのですが、公式サイトを見る限り21年11月に出た商品が最後になっています。
 SB C&S株式会社に問い合わせたところ独占販売契約ではないということでしたが、面白いのはメインになるデフォルメフィギュアのPOP!だけではなく、FUNKO社の他のラインナップ群も販売予定があるというところ。ただ、現状発表のラインナップは映画やアメコミキャラクターなどが中心で、日本のアニメやマンガ、ゲームキャラは見当たりません。FUNKOは日本以外(特に欧米圏)では圧倒的な認知度と人気を誇る(最近発表されている新作はメチャクチャ面白いのが多くて安い!)のですが、今後どのような告知が行われてどう日本で展開していくのか、注目したいと思います。

フィギュアの価格

というところで、つづいて22年のまとめを最近のイベントレポートを兼ねて。
 最近のフィギュア関係でいちばん大きな話題となっているが、やはりその価格について。もともと続いていた原価や人件費の高騰に加えて、今年になって円安が直撃し、さらにその価格帯が上がっています。最近予約が始まっているものは2万円台どころか3万円台も多くなっています。一方で、最近実際に商品が届いたり店頭に並んだりするようなフィギュアは1万円台中盤から2万円前半のものが中心。それが1年くらい前の予約時の価格帯で、当時はずいぶんフィギュアも高くなったと感じたものですが、いまではむしろそれが安く感じます。それだけ急激な価格上昇だったわけです。
 もちろん、単に同じものが高くなりましたでは、買うほうも納得しにくいところ。それもあって、フィギュアは大きくて高価なものが増えています。単にフィギュアが大きいだけではなく、派手なエフェクトが付いたベースも巨大化し、造形や塗装はさらに細かくなって、その価格が納得できるようなものになっているのです。

プライズフィギュア

ただ、そういう価格帯のものばかりだと買えるファン層は限られます。その状況に対応して出てきているのが低価格帯のフィギュア。グッドスマイルカンパニーのPOP UP PARADEを始め、いくつかのメーカーが展開をはじめています。ですが、この低価格帯フィギュアジャンルで特に大きな役割を果たしているものがあります。それがプライズフィギュア。一般層からコアなファン層まで、いちばん身近に存在するフィギュアと言えるでしょう。そのクオリティも侮れるものではなく、実際に原型そのものは普通の商業フィギュアと同じ原型師が同じようなクオリティでつくっています。ただ、塗装に関してはどうしてもあまり凝ったことはできないので、そこそこになってしまいますが。
 このプライズフィギュアでも今年大きな変化がありました。3月に、プライズの価格上限が800円から1000円に改められたのです。これはゲームセンターへの卸価格の上限で、800円になったのは01年のこと(それまでは500円上限でした)。20年以上もこの上限価格のなかでひたすらクオリティを上げてきていたのです。よくもまあここまでできたなぁと言う企業努力の賜物ですが、近年プライズフィギュアでもコストの問題もありかなり厳しい状況になっていました。そこにこの上限アップでプライズフィギュアは更なるクオリティアップに挑めるようになったのです。もっとも、1000円になった途端に円安が進んでしまい、上がった分が吸収されるような事態になっていましたが。
 この上限アップの効果が実際のプライズフィギュアとして本格的に出てくるのは、来年から。今後登場予定として発表されているプライズフィギュアでは、造形も塗装もボリュームもワンランクアップしたものが多く見受けられます。

海外市場

日本ではプライズとして発売されているこういったフィギュアは、海外では一般販売されているものもあります。だいたい価格は30~40ドルなので、日本の低価格帯フィギュアと同程度。この低価格帯フィギュアは、日本だけではなく欧米でも市場が広がって、むしろ日本以上の規模になっています。グッドスマイルカンパニーが8月のイベントで語っていたところによると、POP UP PARADEはだいたい日本25、中国(アジア)30、アメリカ30、ヨーロッパ15という割合だそうです。11月のワンホビで発表していたPOP UP PARADEの商品化希望アンケートへの返答も、日本国内が8256票に対して海外投票数が23916票。ちょうど上記の比率通りの数字です。
 というわけで、現在のフィギュアは海外市場を抜きにして語ることはできなくなっています。フィギュアの企画時に、海外で売れるかどうかというのも重要な判断基準になっているのです。日本では人気あるけど海外では厳しそうとか、日本ではそこそこだけど海外ではかなり強いとか、作品ごとにいろいろ。
 中国市場向けに中国IPを展開しているメーカーも増えていますが、中国のフィギュアメーカーもかなり増えています。あみあみホビーキャンプにはそういったメーカーも多く参加していました。

イベントフォトレポート

という感じでいろいろ気になったアイテムをいくつか、メガホビEXPOとあみあみホビーキャンプからピックアップ!

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ボリュームたっぷりのベースに配置されたフィギュアも数多くでています。「アニメ「BASTARD!!-暗黒の破壊神-』 ダーク・シュナイダー」(メディコスエンタテインメント)※あみあみホビーキャンプ、「DX FIGURE 呪術廻戦 虎杖悠仁 VS ver.」(メガハウス/価格発売時期未定)、「NARUTOギャルズDX テマリ ver.2」(メガハウス/3万9600円、発売時期未定)※メガホビEXPO

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大きさだけではなく、複数セットのフィギュアも。左から「文豪ストレイドッグス 中原中也、太宰治」(F;NEX、価格発売時期未定)、「映画 五等分の花嫁 中野一花、二乃、三玖、四葉、五月」(PRIZMA WING/各3万1790円、23年6~8月予定)、「東方Project フランドール 軍服ver.、レミリア 軍服ver.」(RAISE DREAM/価格発売時期未定)※あみあみホビーキャンプ

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タイトル別で勢いを感じたのとしては「アズールレーン」関係。大ボリュームのものが多いのも特徴です。「リノ 波濤のチアリーダー」(GOLDEN HEAD)※あみあみホビーキャンプ、「大鳳 春の暁に歌うVer.」(アルター/価格発売時期未定)、「Zuikaku」(MIMEYOI/3万8280円)※メガホビEXPO

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もちろん「ウマ娘 プリティーダービー」も注目タイトル。多数の原型展示や新作告知が行われていました。「ライスシャワー」(アルター/価格発売時期未定)、「[迫る熱に押されて]キタサンブラック、「Lucrea ウマ娘 プリティーダービー サクラバクシンオー」(メガハウス/価格発売時期未定)、[その背中を超えて]サトノダイヤモンド」(コトブキヤ/価格発売時期未定)※メガホビEXPO

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新タイトルの告知もいろいろ。コトブキヤの「リコリス・リコイル」、メガハウスの「機動戦士ガンダム 水星の魔女」、アルターの「その着せ替え人形は恋をする」※メガホビEXPO

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可動フィギュアやデフォルメフィギュアも。アニプレックスのBUZZmod.は「天元突破グレンラガン カミナ」(アニプレックス/1万1000円、23年7月予定)に続き「グレンラガン」ヨーコや「うる星やつら」ラムなども予定。メガハウスが展開している見上げるポーズの「るかっぷ」は続々と新作が登場、ネコデザインを採り入れた「MEGA CAT PROJECT」は海外での人気も高いアイテム※メガホビEXPO

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日本も中国もイラストレーターと組んだオリジナルキャラクターのフィギュアも増えています。中華風衣装のものも。「エルフのバレエ」(Otherwhere)、「SHIMIZU KIYOKA」(SHOWOW/価格発売時期未定)、「靡煙」(NEONMAX CREATIVE/2万4980円、23年8月)※あみあみホビーキャンプ

2023年は?

フィギュアの価格上昇がおさまることはないでしょうし、メーカーさんと話していると、なかなか厳しい話も多め。ですがやはりそこに立体として存在するフィギュアの魅力は不変で取って代われるものはないですし、アニメ周辺コンテンツの中での注目度や重要性は来年以降も変わることはないでしょう。またその情報を追っかけていきたいと思います。

島谷 光弘

ホビー&フィギュア トレンド

[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ)
フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。

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