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特集・コラム 2018年7月5日(木)19:00

今注目の「1/12スケール」フィギュアをめぐるあれこれ 「AK-GARDEN14」レポート

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前回のコラムで扱った、美少女プラモデルでメインの大きさになっていた1/12スケール。これはプラモデルだけではなく、日本の可動フィギュアの実質的な標準スケールです。この1/12サイズを巡る状況、この数年いろいろ面白いことになっています。
 その“面白いこと”を代表するといえるのが、「AK-GARDEN」。これは年2回開催されているホビーイベントで、1/12スケール前後のさまざまなアイテムを扱う展示即売会。オリジナルの可動フィギュア、ミニチュアアイテム、ペーパークラフト等々が並んでいますが、当日版権アイテムはなくて基本的にオリジナルです。
 「AK-GARDEN」は最初秋葉原の小さなイベントスペースで開催されていた(余談ですが、このイベントスペース、私の事務所の窓から見えるところでした)のが、ディーラーも入場者もどんどん増加、現在は浅草の都産貿ホールの2フロアいっぱいで開催されています。今最も熱いホビー系イベントと言っても過言ではないでしょう。次回は更に拡大して東京流通センターで11月25日に開催予定。
 ということで、6月17日に開催された「AK-GARDEN14」の様子をレポートしてみましょう。

オリジナルの可動フィギュアや交換パーツあれこれ。原型師の遠那かんし氏のオリジナルカラーレジンキット(左上)といったフルセットの他に、卓球模型の交換用まえばりボディパーツ(右上)やQEeeeeNの交換用の水着ボディ(左下)のような身体だけのものも。コトブキヤのプラモデル、メガミデバイス用の改造パーツセット(右下)はメガミデバイスの開発をしている鳥山とりを氏のRAMPAGE Ghost自らの出展です。

持たせたり組み合わせたりして使うオプションパーツもいろいろ。らびぃえすどろーるの血しぶき&血まみれパーツ(左上)のようなエフェクトパーツだったり、UnderConstructionのさまざまな銃器(右上)や、オモカネ堂のような楽器(左下)のような手に持つアイテムだったり。五菱重工は長年さまざまなスケールのメガネを作り続けています(右下)。

他にも、あっときゃっとのスマホと組み合わせられるアーケードゲーム機筐体(左上)、素晴らしき大空の会の「のぼりとか立てるやつ」(右上)、(有)マグラス工業のサマーベッドやスプリング玩具、灰皿スタンド等ユニークな情景パーツ(左下)なども。うずら小屋のように布服をたくさん出しているところもあります(右下)。1/12のドールもありますが、フィギュアやプラモデルに着せることもできるのです。1/12スケールというのは大きすぎず小さすぎずで、個人でもいろいろと工夫しやすいサイズ。

「AK-GARDEN」にはアマチュアディーラーだけではなく、メーカーも多数参加するようになっています。このジャンルの注目度の高さ&「AK-GARDEN」の勢いが増してきたからこそ!

マックスファクトリーはfigma新作の展示(左上)やイベント購入特典の傘(右上)。グッドスマイルカンパニーは1/12ではありませんが、ねんどろいどどーるの素体展示(左下)。ドールメーカーのアゾンはさまざまなタイプのドールを並べ、販売も行っていました(右下)。アゾンのドールでは、1/12サイズのボディも出ています。他にもメガハウスやアオシマ、トミーテックなどが出展していました。

なお、最近開催された他のイベントでも1/12サイズのアイテムがいろいろ出ています。そちらもまとめて。

前回レポートした静岡ホビーショーから、トミーテックのリトルアーモリーシリーズ(左上、右上)。1/12スケールのミリタリー系アイテムやオリジナルキャラクター(figma化もされています)を展開中。その銃器は他の追随を許さない豊富さ! ハセガワも以前から1/12サイズの小物をプラモデルで展開中(左下、右下)。こちらは机&椅子や跳び箱等、身の回りのアイテム中心です。1/12サイズのレジン製フィギュア、JKメイトシリーズの展開も始めています。

6月に開催された「東京おもちゃショー」から、リーメントブースの様子。リーメントはもともと「ぷちサンプル」という食べ物や家具等のミニチュアを多数出しています。1/12ぐらいで使えそうなものもいろいろ。

1/12スケールはプラモデルだけではなく、日本の可動フィギュアの実質的な標準スケールになっています。海外だと1/6スケールの高価格帯だったり、10センチ程度の小さめでシンプルな低価格帯のものが中心的。クリーチャーではなく人間、特に美少女の1/12可動フィギュアは日本独自の展開をしてきたジャンルです。マックスファクトリーのfigmaや海洋堂のリボルテック、バンダイのS.H.Figuartsなど各シリーズで、さまざまな作品のいろんなキャラが登場。アニメやゲームのキャラの特徴を再現するために、さまざまな工夫が加えられ、豊富なオプションパーツが付属し、発展してきました。
 こういった1/12可動フィギュアが広まりはじめてほぼ10年。他のフィギュア同様に価格が上昇したり、同サイズのプラモデルシリーズが隆盛をみせたり、その状況は変わりつつもしっかり大きなジャンルとして根付いています。大きすぎず小さすぎずのサイズは個人でもいろいろつくりやすいので、アマチュアディーラー方面の活発な動きも続くはず。
 フィギュア本体だけではなく周辺アイテムも含めて、今後の展開も楽しみなジャンルなのです。

島谷 光弘

ホビー&フィギュア トレンド

[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ)
フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。

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