2023年2月18日(土)19:00
「ワンダーフェスティバル2023[冬]」雑感 参加メーカー・フィギュア価格・ディーラーの状況
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世界最大規模の造形・フィギュアの祭典、「ワンダーフェスティバル」が2月12日に開催されました。半年に1回のこの大イベントについて今回はまとめておきましょう。まだ入場者数等の詳細なデータはでていませんし、大きいイベントだけにどこを見に行くかで感想も印象もまるで変わるものなので、あくまでも自分自身の個人的な観察と感想になります。
まずはイベント全体の印象から。
お客さんはかなり多く、コロナ前同等まではいかないにしてもかなり戻ってきた感が強く、メーカー、ディーラーともに盛況でした。しかも今回から導入している午後からの割引き料金の効果なのか、滞留時間も長く遅い時間まで人がいた印象です。
また、この午後割の影響なのか、これまでとは少し人の流れが変わったところも見受けられました。以前、18禁エリアはわりとすいていることが多かったのですが、今回はかなり大盛況。入場のための身分証チェックもかなり長い列になってました(これまであまり見たことないパターンです)。他にもいくつかいつもと違う人の流れを感じた部分も。
これが新しいお客さんの層を開いているようなら、非常に有意義なこと。若い人、ちょっとだけ興味がある人も来やすくなるので、ぜひ続けてほしいシステムです。
参加メーカー・新作フィギュア
メーカーではグッドスマイルカンパニーとマックスファクトリーが3年ぶりに参加、非常に大きなブースを構えて無数のフィギュアを展示、終日たくさんの人が集まっていました。
あみあみがさまざまなメーカーのアイテムを集めて展示していたのも目をひいていました。ここは基本的にスケールフィギュア中心で配置の密度感も高く、フィギュアをガッツリ見せられた感じがします。
他にも各社それぞれ工夫を凝らして出展し数多くのフィギュアを展示していましたが、逆に会場にいなかったメーカーということでは、コトブキヤ、メガハウスを含むバンダイ系、アルターなど。メガハウスはメガホビEXPO、コトブキヤはコトコレなどのイベントを独自開催(コトコレは同じ12日まで秋葉原で開催)しています。こういった告知・展示はオンライン含め時代・状況によって常に変化するもの。それぞれの有り様を楽しみたいと思います。
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メーカーで個人的にちょっと面白かったのはFARIBOLESというフランスのメーカー。
フランス(とルクセンブルグ)にはもともと日本のアニメやゲームをテーマにしたフィギュアメーカーがいくつかあるのですが、今回出展していたFARIBOLESは知りませんでした。ウェブで確認するとスマーフやラッキールーク、アステリクスなどフランスのキャラに加えて日本のアニメキャラも展開しているようです。とても巨大なグレンダイザーという、フランスメーカーなら定番ともいえるようなアイテム以外に1/8位のスケールフィギュアも何点か置いてありました。「GTO」のフィギュアなんて日本ではほぼないと思いますが、フランスでは人気らしく他メーカーからも出ています。このあたりのキャラの人気の違いも面白いところ。また、他メーカーのものは1/4スケールとか1/8スケールでも巨大なジオラマ的ベースがついていたり大ボリューム&高価格帯だったりが中心なのですが、このメーカーは普通の1/8スケールでシンプルなベースのものが並んでいるというのも少し珍しく感じました。
会場で発表されていた新タイトルで多かったのは、ある意味予想通り「リコリス・リコイル」。あちこちのメーカーで告知されていたので、相当数揃いそうです。「GUILTY GEAR -STRIVE」ブリジットも数多く発表されていました。ブリジットは格闘ゲームフィギュアの人気が高かった2000年代にもフィギュアがいろいろ出たキャラクター。今の時代にリバイバルされるというのも面白いところ。「ぼっち・ざ・ろっく!」も今後増えそうですが、放送から間もないことがあって現時点ではまだ告知が間に合っていない感じです。
フィギュアの価格・プライズ&デフォルメフィギュア
一般商品の展示の傾向では、2万円台が安いと思えるような状況になっているというのが恐ろしいところ。サイズやベースをもっと大きくして5万円とかもっと高価格帯にするものも増えています。今後安くなるというのは考えられないので、かなり厳しい状況。
一方で低価格帯の展開も進んでいます。グッドスマイルカンパニーのPOP UP PARADEやF:NEXのTENITOLなど新作展示も多め。ただ、ジワジワ価格が厳しくなってきていることもうかがえます。
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低価格帯の枠内ではプライズフィギュアの健闘が光ります。セガ、タイトー、フリューの展示がありましたが、セガには「その着せ替え人形は恋をする」「リコリス・リコイル」など最新の人気アニメのフィギュアが早くも並んでいました。
プライズでは、等身大フィギュアや各社のハイクオリティフィギュアで知られるデザインココが関わり、新たにelCOCOというメーカーがスタート。フィギュアやぬいぐるみなどを展開するという告知を行っていました。登場予定の作品の幅も広いですし、要注目です。
低価格帯ではデフォルメフィギュアシリーズを各メーカーが新たに展開。グッドスマイルカンパニーは既存のシリーズに加え「あかたんず 」「ましゅまろいど」「Huggy Good Smile 」などの新シリーズを発表しています。ブロッコリーもPalVerseというシリーズを大きなスペースを使って展開発表。ほかにもいろいろなメーカーがデフォルメフィギュアを展開しています
比較的低価格に押さえやすいデフォルメフィギュアは、市場を広げるためには重要なキーアイテム。このあたりの今後の動きも興味深いところです(海外で圧倒的に強いFUNKOとの比較も含め)。
ディーラー・その他
ディーラーのほうも遅い時間まで賑わっていました。「Fate」シリーズと「ウマ娘」が申請数的には2強。比較的スタンダードな「ウマ娘」に対して、「Fate」シリーズにはかなり大胆なものも見受けられるというのは作品の方向性の違いもあって面白いところ。
もちろんこの2強以外にもワンフェスならではの面白いものが多数並んでいます。あまりに多すぎて、ここではまとめきれませんが……。
今回もあちこちに行列ができていたのですが、その中で面白かったのは、某人気ディーラーの原型師さんとの面談列。原型師さんに挨拶したりサインをもらったりする列がとても長くなって最後尾札も出るという状況で、それが一部界隈で(肯定的な意味で)話題になっていました(笑)。
とまあ、つらつらと書いてきましたが、他にも実物大パトレイバーのデッキアップや各種ステージイベント、フードコートや配布物などいろいろな楽しみ方があります。
そしてワンフェスは実際に会場に行って自分の目で見ないとそのおもしろさや熱さは感じられませんし、ここには書き切れないのです。機会があればぜひ会場に足を運んでください!
ホビー&フィギュア トレンド
[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ) フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。
イベント情報・チケット情報
- ワンダーフェスティバル2023[冬]
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- 開催日
- 2023年2月12日(日)
- 時間
- 10:00開始
- 場所
- 幕張メッセ(千葉県)
フォトギャラリー
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