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特集・コラム 2023年8月19日(土)19:00

「ワンダーフェスティバル2023[夏]」雑感 入場者数の変化や「ブルアカ」人気

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今回は、夏の「ワンダーフェスティバル」の雑感。
 7月30日の開催当日は晴天で、朝から30度を超える気温になり、最高気温は33度と非常に過ごしにくい1日となっていました。会場では空調をいっぱいに効かせていたはずですが、さすがに機材も古くて人も多いので万全とは言いがたい環境。個人的な感想でいうと、4ホール入口あたりはまだ外から入ってくる風で比較的過ごしやすかったのですが、全体的にはかなりきつい状態でした。この夏のイベントは、「ワンフェス」に限らずどこもそういう状態ではありますが。
 ディーラー数は事前の公式発表では約2000でしたが、本人や家族がコロナにかかったために欠席を告知したディーラーもそれなりに出ていました。今回はX(Twitter)でのそういった告知がこれまで以上に目についたように感じます。
 今回の入場者数は、X(Twitter)による公式発表だと3万4081人。前回が約3万5000人だったので、微減というところ。毎回夏は冬よりも若干鈍ることに加えて、あまりの暑さもあったので、ある意味順当なところといえそうです。ただ、一方でコロナ前がだいたい5万人だったこと、コロナの5類移行で行動制限が実質上解除されたことを踏まえると少し物足りない感じがするのも事実。ただ、コロナ禍を経てさまざまなイベントの状況は変わっています。夏コミケの入場者数は各日13万人とコロナ以前に比べるとそれなりに減っていたり(もっともコミケが発表している入場者数は単純に比較できるものではないので、実態としてはなんともいえないところ。ただ、参加者層の変化は確実に起こっているようです)、知人がかかわっているコアなファン層を持つ劇団も以前と比べると観客数が明らかに減ってるという話があったり。コロナによる生活習慣の変化や、イベント参加者の世代交代、イベント中止による参加習慣の断絶などなど、明らかにさまざまな変化が起こっているのです。今後の参加人数がどうなるか、注目したいところ。

会場で気になったトピックス的には、まず「ブルーアーカイブ」人気の高まり。前回記事でも書きましたが、今回の当日版権申請ディーラー数では「Fate」シリーズ、「ウマ娘」に続いて3番手に急上昇、それもほぼ同数レベルでトップグループを形成していました。実際のところ、会場のディーラー側でもかなり目立つアイテムとなっており、印象だけでいえばいちばん多かったのではないかと感じてた人もいたようです。実際のところ、ワンダーフェスティバル実行委員会からいただいたデータを確認すると、当日版権申請個数では、「ウルトラマン」シリーズ、「ウマ娘」シリーズ、「Fate」シリーズに続く4番手となっています。「ウルトラマン」シリーズは作品がかなり多岐にわたっており、さらに1ディーラーあたりの点数が多くては固まっているため、同じ作品のキャラクターがいっぱいでているという印象には繋がりにくく、「ウマ娘」「Fate」ともにある意味見慣れた風景となっているなかで、「ブルーアーカイブ」の急激な増加が印象に強く残ることになったものだと思われます。なお、今回の会場取材では「Fate」「ウマ娘」に加えて「ブルーアーカイブ」も撮れるだけの当日版権作品の写真を撮ってきているので、それはまた別途「ホビーマニアックス」でまとめる予定。
 「ブルーアーカイブ」は当日版権だけではなく、メーカー側でもかなり新作が発表されていました。なかでもグッドスマイルカンパニーは「ワンホビ37」ブースの一角に「ブルアカ」だけのコーナーをつくり、ステージでも「僕の心のヤバイやつ」「ぼっち・ざ・ろっく」と並んで「ブルアカ」の声優さんのトークステージを開催。さらに後日のお話ですが「コミケット」のグッスマブースの展示でも半分が「ブルアカ」コーナー(残り半分は低価格帯フィギュアの「POP UP PARADE」)という状態。「ブルアカ」へ力の入り方がうかがえます。

メーカー側をザッと見て印象に残ったのは、最近の大きな流れにもなっている、プライズを含む低価格帯フィギュアの展開の多さ。グッドスマイルカンパニーのPOP UP PARADEはその数を増してますし、他メーカーからも5000~6000円前後のフィギュアシリーズは盛況。プライズフィギュアもおなじみのセガ、フリュー、タイトーのほかに、elCOCOというメーカーが「ヘブンバーンズレッド」などのデフォルメフィギュアやスケールフィギュアなどを多数展開していました。デフォルメはフル可動だったり、スケールは大きめサイズだったりで意欲的な取り組みを行っています。

他に今回は本格的に海外参加者が増えているというのを感じました。一般参加者からはさまざまな外国語が聞こえてきましたし、ディーラー側でも特に中国からの参加が増えています。中には大行列でかなりの人気になっているディーラーも。「ワンフェス」という名称のイベントは、中国の上海、北京に続いて、2024年にはタイのバンコクでも開催されることが発表されています。「ワンフェス」ブランドは海外でも認知されるようになっており、アニメやマンガ人気の世界への拡大の影響もあって、さらに国際化が進みそうです。

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なお、個人的にワンフェス会場でいちばん興味深かったのは「DAICON FILM」40周年記念展示。「DAICON FILM」が過去手がけた作品で使用したセルや動画、特撮プロップなどを展示したもの。個人的にはほぼリアルタイムでそれぞれの作品を見てきていますが、よくもまあこんなものまで残っていたと思えるようなものがずらりと並んでいました。

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「DAICON FILM」は後のゼネラルプロダクツやガイナックスなどにも繋がる、日本のオタク史でも重要なポイント。「ワンフェス」もゼネラルプロダクツが始めたものですし、造型師のボーメ氏が手がけた「DAICON lllの女の子」のガレージキットが日本初の美少女フィギュアと言われるもの。今回の記念キットとして「DAICON IVの女の子」を現在のトップクラスの原型師のひとりであるグリズリーパンダ氏が手がけているというのも面白い取り組みでした。

島谷 光弘

ホビー&フィギュア トレンド

[筆者紹介]
島谷 光弘(シマタニ ミツヒロ)
フィギュア専門誌「フィギュアマニアックス」を企画・編集し、2000年頃からフィギュアが質、量、人気ともに拡大する10年以上の時期をメディア側で見続ける。現在はフリーでウェブ「ホビーマニアックス」の運営や、ホビー系のウェブやメディアで執筆中。

イベント情報・チケット情報

ワンダーフェスティバル2023[夏] 0
開催日
2023年7月30日(日)
時間
10:00開始
場所
幕張メッセ 国際展示場 展示ホール1~8(千葉県)

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