2018年11月15日(木)19:00
【大好きなあの人に奥行きが♡ この2.5次元がすごい】最新技術とキャストの圧倒的熱量に感激した演劇「ハイキュー!!」
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"最強の場所(チーム)"、ポスター
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人気の漫画、アニメやゲームが多く舞台化され、多くの有名俳優も輩出している「2.5次元」。作品の世界観を具現化しながらも、新しい可能性に挑み続けている2.5次元ステージの楽しさと魅力を全力で紹介します!
公演中のハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」は古館春一先生による大人気漫画「ハイキュー!!」(集英社)を舞台にした作品で、2015年に初演を向かえ現在6作品目の「最強の場所(チーム)」が上演中です。烏野高校が念願の春高出場を目指し、インターハイ予選で敗北した青葉城西高校、そして全国大会常連校である白鳥沢学園との激戦が描かれている今作。ネットを挟んでボールを繋ぐ彼らの姿をステージ上でどうやって描くのか……? そんなことを考えながら会場へ向かったところ、3時間以上の上演時間はあっという間に過ぎ……すっかり全国大会出場を目指す高校生に夢中になってしまいました。
自然な流れで観客を試合に引き込む計算された舞台演出
まず演劇「ハイキュー!!」を見て驚くのが、最新映像テクノロジーがふんだんに使われていることと、その独特な舞台セット。一見シンプルなセットなのですが、キャストの背後に漫画のコマや吹き出しが浮かび上がり、自然に主人公チーム、ライバル校チームの気持ち両方を追いかけることができます。舞台の場合主人公を中心に展開されることが多いため、一方的な視点になりがちですが、演劇「ハイキュー!!」では試合が進行するにつれ、両者の想いや熱に飲み込まれていくのが印象的です。そもそも原作である「ハイキュー!!」も敗者のストーリーにもしっかりと重点を置いていて、私自身も主人公チームよりも敗れたチームが見せる涙や決意に心惹かれてしまうのでここが演劇「ハイキュー!!」でもしっかりと感じられる演出になっているのはよかったです。
また、初演から注目されている動くステージは今回も健在。傾斜をつけて回ることで、観客はグルグルと両チームの表情を知ることができるだけでなく、時には上から、時にはネットの際から試合を見ているよう。たとえば、アタックやサーブを打った時にぐるりとどちらのコートの様子も見ることができるので、その瞬間瞬間に伝わる緊張感で息が止まりそうでした。
その公演に青春をかけるキャストたちの熱量
さらに注目したいのが、キャスト陣の熱量です。今回の公演では日向翔陽役として座長を務める須賀健太さんをはじめ、主人公チームである烏野高校排球部のメンバー全員の卒業が決まっていることもあり、公演前のインタビューで須賀さんは「(今回の公演で)集大成を見せられるのではないかと思っていますので、全力で走り抜けたい」と話していましたが、まさに一試合一試合がクライマックスの連続。今作では烏野高校が春高出場をかけてこれまでも因縁が描かれていた及川徹率いる青葉城西高校と、そして満を持して登場した圧倒的パワーを誇る牛島若利を擁する白鳥沢学園高校との試合に挑みます。それぞれの学校にとっても大きな目標である春高出場の切符。そして、3年生にとっては負けたら引退という状況で、勝ち負けだけではない「これぞ青春!」というストーリーをキャスト全員が熱演しているのがわかりました。
烏野の強敵へ向かう団結力や柔軟性、チーム感にこだわったと及川を演じる遊馬晃祐さんが話していた青葉城西の流れるような動き、力強い攻撃で得点をもぎ取っていく白鳥沢……それぞれのチームの特長がはっきりとダンスや細かな動きに表れているのは見事です。特に前作の「はじまりの巨人」でも出演していた牛島若利役の有田賢史さんの力強さは圧巻。牛島は東北の選手で唯一U19の日本代表にも選抜されているなど、まさに超高校級プレイヤーのためどういったキャスティングがされるか楽しみにしていました。前作から期待をしていたのですが、個性的な白鳥沢のメンバーを従えた登場シーンでまさにキャラクターに奥行きが生まれた! と感じた人も多かったのではないでしょうか(私はそうでした!)。体型や動き、そして力強さすべてが絶対王者である牛島を表しているよう。その牛島を中心に強烈な攻撃を仕掛けてくる白鳥沢に立ち向かう烏野が舞台の上手から下手、そして奥行きいっぱいを使って立体的な試合を展開していく様子は結末を知っていても釘付けになってしまいます。
今作ではシリーズ初めて全44公演において楽曲が生演奏されており、キャストの熱い試合を臨場感と緊張感をもって盛り上げてくれます。まさに舞台はナマモノというのが体現されたような演劇「ハイキュー!!」。これからどれだけ熱い試合が繰り広げられるのか、そしてどれくらいの熱量で12月の東京凱旋公演に戻ってきてくれるのか、ますます楽しみです。
大好きなあの人に奥行きが♡この2.5次元がすごい
[筆者紹介]
西岡 舞子(ニシオカ マイコ) オーストラリアのGriffithUniversityでジャーナリズムと犯罪心理学を学び、卒業後は出版やエンタメに携わる。舞台も音楽も仕事のあとの一杯もやっぱり生が好き! いい舞台は何度もみたいし、記念に公演グッズも買っちゃう派です。好きな動物は猫とペンギンで好きな大福はいちご大福。
イベント情報・チケット情報
- ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」"最強の場所(チーム)"【東京凱旋公演・1回目】
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- 開催日
- 2018年12月7日(金)
- 時間
- 18:30開始
- 場所
- 日本青年館ホール(東京都)
- 出演
- 須賀健太, 影山達也, 小坂涼太郎, …
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