2019年12月22日(日)19:00
【この2.5次元がすごい】スピーディなアクションにも圧倒されるテイステ最新作「光と影の正義」
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漫画やアニメ、ゲームを原作に展開されている2.5次元舞台。今回取り上げる作品はバンダイナムコエンターテイメントの人気RPG「テイルズ オブ」シリーズを原作に2017年から舞台化が続いている「テイステ」こと「テイルズ オブ ザ ステージ」です。その中でも人気の高い「テイルズ オブ ヴェスペリア」を題材にしているのが「テイルズ オブ ザ ステージ ―光と影の正義―」。19年12月8日まで天王洲銀河劇場(東京)で行われたこの公演では、ゲームの世界観はもちろんのこと、さらにはゲームだけでは知ることができなかったキャラクターの本質や物語の奥行きのようなものを知ることができました。
原作の世界観を大切に再現しながらも舞台化する意味を見せてくれる
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物語を読み解きながら進めていくのがRPGの醍醐味。舞台ではゲームらしい演出もたくさん取り入れられていました。例えば場面転換のシーンや仲間が増えるシーンではスクリーンにその地名や名前が表示されます。これはゲームからのファンには嬉しい演出だったのではないでしょうか。また、観客もペンライトを使いキャラクターの名前を呼ぶという場面もありました。傍観者として物語をみているのではなく、プレイヤーとして一緒に物語を進めていくという演出が劇場に一体感を生み出していることがわかりました。
ゲームをプレイする際に物語にどう感情移入していくかはプレイヤーに委ねられていますが、今回のテイステを観ると原作の世界観を失わず彩りを添えてくれているような印象を受けました。例えば、吉澤翼さん演じるユーリ・ローウェルと加藤将さん演じるフレン・シーフォは互いに世界をよくしようと考え戦っていますが、それぞれの立場は違います。もともと幼なじみであるふたりは目指す未来は同じでも方法が違うことに衝突し、悩んだりもするのですが、その時の表情や視線はまさに2次元が2.5次元となっている意味を感じることができました。
スピーディでアクロバティックなバトルシーンを殺陣とダンスで魅せる
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今回は実際の公演だけではなく、公開稽古の様子も見学させてもらうことができました。その時に印象的だったのが、キャストのみなさんが細かくバトルシーンの確認をしていたこと。バトルシーンは殺陣はもちろん、ダンスや映像とリンクしたゲームと同じ演出が取り入れられるなど「目が足りない!」と思わずにはいられないシーンの連続でした。吉澤さんは「消費カロリーがすごくて、体重が落ちました(笑)」と話していましたが、それも納得の運動量。舞台でもその高い身長や足の長さで、華やかにバトルシーンを魅せてくれました。
また、これもゲームが原作であるということならではだな、と思ったのがフレンの剣についてです。「剣の鞘が足の長さと同じくらいあるため床についてしまうことがあったり、鞘を持つと指がつりそうになってしまう」ということで、加藤さんはそういう部分も意識しながら稽古をしていたということです。実際にキャストが動くことで、キャラクターのコスチュームや武器の動きも目に見えてわかるという、当たり前のことに改めてハッとさせられました。
吉澤さんが「ユーリとフレンの友情を描いた作品で、ユーリもほかの登場人物たちもみんなが成長していく物語です」と語ってくれていた今回のテイステ。立場が違い、それぞれ自分の信じる道を正義だと信じながらも友情を育むふたりの関係は、観客の心を熱くさせるには十分。原作を忠実に再現するだけでなく、人間味あふれるドラマを見せてくれる舞台でした。
大好きなあの人に奥行きが♡この2.5次元がすごい
[筆者紹介]
西岡 舞子(ニシオカ マイコ) オーストラリアのGriffithUniversityでジャーナリズムと犯罪心理学を学び、卒業後は出版やエンタメに携わる。舞台も音楽も仕事のあとの一杯もやっぱり生が好き! いい舞台は何度もみたいし、記念に公演グッズも買っちゃう派です。好きな動物は猫とペンギンで好きな大福はいちご大福。
イベント情報・チケット情報
- テイルズ オブ ザ ステージ -光と影の正義-【1回目】
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- 開催日
- 2019年12月5日(木)
- 時間
- 19:00開始
- 場所
- 天王洲 銀河劇場(東京都)
- 出演
- 吉澤翼, 加藤将, 末永みゆ, …
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