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インタビュー 2016年4月7日(木)20:00

ノイタミナ「甲鉄城のカバネリ」荒木哲郎監督インタビュー前編 「目指すのは王道を行く“普遍的”な作品」

フジテレビ・ノイタミナ枠で4月7日から放送をスタートするテレビアニメ「甲鉄城のカバネリ」は、アニメ「進撃の巨人」で名を馳せた、荒木哲郎が監督を務める完全オリジナル最新作だ。キャラクターデザインに「マクロス」シリーズの美樹本晴彦、シリーズ構成にかつて荒木監督とタッグを組んだ「ギルティクラウン」の大河内一楼を招き、未開のジャンル「和風スチームパンク」に挑む。蒸気機関を動力とする装甲機関車「甲鉄城」を舞台に、主人公・生駒やヒロイン・無名ら少年少女たちが、押し寄せる謎の敵・カバネと生存を賭けて激しい戦いを繰り広げる同作の、知られざる制作の裏側を荒木監督に聞いた。

――まずは、本作「甲鉄城のカバネリ」の企画と着想の経緯を教えていただけますか?

荒木:アクションものをWIT STUDIO(アニメ制作会社)でやるというのが第1条件でした。「負け犬がみんなを見返す」というドラマにすることが2つ目。これは自分の好みで、誰の心にも刺さる、普遍的なストーリーだと信じているんです。そして、その過程でヒロインが主人公を導いていく、というストーリーラインを最初に提示しました。

第1話場面カット

――本作は「ゾンビもの」「和風バトルアクション」「スチームパンク」と、要素がてんこ盛りですね。

荒木:時代感や設定などは、その後に「現在のアニメシーンにとって新鮮に映ること」「同クールに競合作品は存在しそうにないこと」を意識しました。加えて、自分はセンスの古臭い人間なので、最新鋭の尖ったものを追求するのではなく「王道を行く“普遍的”な作品を作る」ことを目指しました。

「スチームパンク」については、日本の中世を舞台として、移動要塞を登場させようと考えた時に、その動力として蒸気機関が一番自然だっただけです。呼び方は後からついてきたものですね。

「ゾンビもの」を選んだのは、派手なアクションを盛り込むにあたって、どんな存在ならば殺しても心が傷まないかということを選択した結果です。企画の最終段階では、ロードムービー的要素も取り入れられ、移動要塞である甲鉄城での人々の心の葛藤を描くことになりました。

――ロードムービーですか。では、移動要塞である「甲鉄城」を舞台にする、という着想はどこから?

荒木:「機動戦士ガンダム」が大好きなんですよ。サイド7をジオン軍に襲撃され、ホワイトベースで逃避行を続ける中で、ぶつかりあっていたクルーたちの心がやがてひとつにまとまっていく。そこにはいつの時代にも響く、普遍的な感動があると思っています。

――まもなく放送される第1話の見どころを教えていただけますか?

荒木:主人公に対して「すごい」と思えるかどうか、ということをハードルとして設定しました。共感するのは2話以降でいいから、まずは主人公の行動に驚いてもらうこと。そして「いつか、なにか大きなことをするのでは?」と期待してもらいたいと思いました。ヒロインも「かわいいだけじゃない」ということを、しっかり見せることを目標として設定しました。第1話では、そのほかには、世界観紹介と、後の話数への布石をセッティングできれば成功だと考えていました。

――作画や演出についてですが、キャラクターデザインに「マクロス」シリーズや「機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争」の美樹本晴彦さんを起用された理由は?

(C)カバネリ製作委員会

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荒木:これも「普遍的」であることを意識しました。美樹本さんの絵は、魅力的であるだけでなく、時代の変化にも耐えて生き残ってきたものですから。ヒロインに重点を置くことは初期段階から決まっていたので、魅力的な少女が描けて、しかもリアルな世界観をベースに持ち普遍的である、となると美樹本さんしか思い浮かびませんでした。キャラ設定が完全に固まりきっていない段階からお願いしていましたので、途中で設定変更があったりして、最終的なイメージをお伝えするのに時間がかかってしまいましたが、上がってきたデザインについては完全にイメージ通りでしたね。まさしく「これです!」と。

作品情報

甲鉄城のカバネリ

甲鉄城のカバネリ 51

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