2015年1月6日(火)16:47
TD(とってもどっひゃ~ーん)な新作「ミルキィホームズ」がスタート!中村・松倉プロデューサーインタビュー (2)
「探偵歌劇ミルキィホームズTD」場面カット
(C)ミルキィTD製作委員会
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――本作のタイトルについてもおうかがいします。「探偵歌劇 ミルキィホームズ TD」の“TD”は「とってもどっひゃ~ん」の略とされていますよね。これにはどういった思惑があったのでしょうか?
中村:本作は“歌”が作品のキーになっているという点では、スマホ用アプリ「トイズドライブ」に通じるものがあります。“歌”を核にしたゆるやかなゾーニングを形成したかったんです。ただ、「トイズドライブ」そのものをアニメ化しているわけではないので、ちょっとだけ共通性を持たせてみようと考えてつけたタイトルが「TD」でした。「どっひゃ~ん」というセリフはこれまでにも使ってきたので、作品の方向性を伝えるにはうってつけでしたしね(笑)。
今回「探偵オペラ」ではなく「探偵歌劇」に変わっているのも、“歌”を前面に押し出したためです。意味合い的にはほぼ変わっていないのですが、日本語のほうが“歌”がキーワードであることがより伝わりやすいだろう、という配慮ですね。小林オペラくんをのけ者にしようという考えはまったくありませんので、ご安心ください(笑)。
――今回は、“歌”がテーマということで、挿入歌が多数用意されているそうですが、これにはどういった意図が?
中村:楽しそうだから(笑)。でも、とりあえず歌を流しておけばいいだろう、というのは違うと思ったので、各曲のファーストモチーフは全部僕がシナリオを読み込んだ上で作成しています。結構深いテーマも織り込んでいるんですよ。アニメ本編はなにも考えずに笑って楽しく見ていただけるものを目指して作っているので、教訓的なものは一切ないんです。そんな中で、あとに残る何かを伝えるにはどうしたらいいかと考えた時に、歌に託せばいいんだと。なので、各楽曲には「みんなで力を合わせることが大事」とか「諦めないことがステキ」といったようなテーマが隠されています。……ただ、オンエアで聞いていただくぶんには、伝わらないかもしれません。僕がひとりで思い込んでいるのでもいいんです(笑)。
松倉:そんな深いテーマを織り込んでいるのに、中村さんはシナリオ会議では「ミルキィたちはこんなに頭よくありません!」って言っているんですよ(笑)。
中村:「漢字を読めるわけがない!」と言ったこともありますね(笑)。
松倉:トイズを使えるようになったのに、そのあたりはまったく進歩していない。いつでも農業に戻れます(笑)。
中村:今回は第2幕やふたミルの後の話なのですが、そんなに簡単に人は変わりません。ミルキィのみんなはいつもどおりですよ(笑)。
松倉:とはいえ、トイズを取り戻すという大きな成長を果たしているので、今回は外部からの依頼を受けて、ちゃんと探偵として活躍するミルキィホームズを描いています。
中村:「私たち探偵ですから!」というセリフに比が置かれているシーンも多いです。彼女たちはあくまでも探偵であるという自覚を持っていて……その上で、頭の悪い展開になる(笑)。
――「ふたミル」や「Alternative」ではシリアスなストーリーも盛り込まれていましたが、今回は第1期、第2幕に近いコメディ路線なんですね。
中村:はい。ただし、付け焼刃的な小手先の笑いはやりたくないなと思っています。小ネタやパロディを否定するわけではありませんが、もっと作品の根底からコメディであるために、僕たち自身が笑わせる視点を持っているべきだと思うんです。どうやって視聴者を楽しませるか、というのは真摯に考えていきたいですね。そこに軸がなければ、なにをやってもいいということになってしまいますからね。
本作のお話を考えるに当たり、「ドリフ大爆笑」や「オレたちひょうきん族」、「8時だよ全員集合」など、80年代~90年代のお笑いは大いに参考にしています。僕の中ではミルキィホームズ=ドリフターズなんです。ドリフターズ同様、ミルキィのみんなは個々のキャラクター性や立ち位置が確立していますからね。ただ、それゆえの苦しさというのがあって、ドリフターズがドリフターズとしてのお笑いしかできないのであれば、やがてマンネリ化してしまいます。それを打開するためには、属性を新たに付け足すとか、ヒロインを新たに迎えてお話を回していくといったようなやり方しかない。新しいおもしろさをどうやって見せていけばいいのか、という点にはとても頭を使いますね。
松倉:「ミルキィ」は「サザエさん」ではダメなんですよね。もっとお話に起伏がないといけない。もしあと5年ほど「ミルキィ」が続けられれば、「サザエさん」になってもいいんじゃないかと思いますけどね(笑)。
中村:というより、そうせざるを得なくなりますね。実は、お笑いはより過激になっていくか、別の属性を与えていくかくらいしか、進化の選択肢がないんです。だから、長く続くことによるマンネリ化を回避する今回の試みも険しい山なんですが、原点回帰を志した時から、かなりの覚悟を決めて臨んでいます。
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