2015年8月7日(金)20:00
「攻殻機動隊」25周年リレーインタビュー Production I.G 石川光久 前編「攻殻機動隊」の先見性と器の大きさ
攻殻機動隊25周年記念ビジュアル
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士郎正宗氏の漫画「攻殻機動隊」の誕生から25周年。「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」を皮切りに様々なかたちで映像化され、6月公開の「攻殻機動隊 新劇場版」も大きな話題をよんだ。「攻殻機動隊」25周年を記念し、関係者へのリレーインタビューで、本シリーズの足跡と今後を探っていく。最初に登場するのは、プロダクション・アイジー(以下 I.G)代表取締役社長・プロデューサーの石川光久氏。シリーズの歴史を振り返りながら「攻殻機動隊」の制作秘話を語ってもらった。
「攻殻機動隊」映像化の歴史は、押井守監督が手がけた1995年公開の劇場アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」から始まる。海外での評価も高く、I.Gの名を広く世に知らしめた本作の企画は、不思議な縁から始まった。
「1993年冬の社員旅行でスキーにいったときに、押井さんが『攻殻機動隊』の漫画をもってきて、これを映画化したいから、現場を作ってくれないか、と言われたのが最初です。ちょうどその頃、I.Gは講談社さんと企画を何本か話し合っていて、講談社さんからも『攻殻機動隊』の名前があがっていたんですよ。ほぼ同時に話がきて、こんなことってあるのかなと思ったのを覚えています」
1994年から制作がスタートし、1年あまりで映画は完成。押井監督と脚本の伊藤和典氏はコンピューターに強く、「攻殻機動隊」で描かれた世界の先見性と魅力を熟知していたという。制作スタッフは、この時でないとそろえられない豪華なメンバーばかりで、参加アニメーターの中にはのちに監督を務めた者も多い。
「脂ののったスタッフが集まって、短期間で制作することができました。これは『機動警察パトレイバー 劇場版』『機動警察パトレイバー 2 the Movie』の延長で作れたからでもありますね。I.Gはアニメーターが主導のスタジオで、つねに彼らが活躍できる場所を作ってきたつもりです。『攻殻』をきっかけに黄瀬(和哉)は大阪から東京に住み着くようになったし、キャラクターデザインの沖浦(啓之)が「どうしても、このシーンは濱洲(英喜)さんでなければ」と言ったりして、色々なアニメーターをくどきにいったり……今でも『攻殻』の制作メンバーのひとりひとりの顔が浮かびます」
のちにI.G作品で数多くの監督を務める、西久保利彦(西久保瑞穂)氏の演出も、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」のシャープな仕上がりに一役かっているのだそうだ。
「西久保さんは色々な現場を経験しているんです。『あしたのジョー2』では出崎(統)監督の期待に応えていましたし、僕は『ゴールドライタン』の頃から凄いなと思っていました。西久保さんの演出スキルは非常に高くて、シャープなんですよね。押井さんの演出の持ち味である泥臭さみたいなものを、上手くあか抜けさせたのは、西久保さんの演出だったと思います」
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