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インタビュー 2016年3月13日(日)20:00

アニメが創出する新たな価値観と、今後の海外展開への展望 - アニメ海外展開、来るべき新時代へ 第3回

(C) ヤング ブラック・ジャック製作委員会

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第2回において、TBSメディアビジネス局海外事業部の關口彩香氏は、和製アニメの海外展開には新たな価値規範の創造が必要であると説いた。では、そうした新たな価値を、どこに求めていくのだろうか? 海外における和製アニメの展望について聞いた。

アニメの海外展開のスピードは、ドラマやバラエティなど、その他の国内コンテンツに比べて格段に速い。登場キャラクターは実在の人物ではなく、背景や小道具にしても実在するものが描かれているわけではないため、肖像権や著作権、音楽などの権利関係を比較的クリアにしやすいのだという。關口氏も「国を問わず、ほとんどバリアフリーで展開できる。ほかのジャンルには見られない特性です」と語る。

「ヤング ブラック・ジャック」第1弾キービジュアル

ヤング ブラック・ジャック」第1弾キービジュアル

(C) ヤング ブラック・ジャック製作委員会

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また、アニメキャラクターは、タレントとしても優秀だ。国家や文化の垣根を軽々と超え、受け入れられる。海外では、実在のタレントとアニメキャラクターが並んで扱われるような展開も珍しくなく、イスラム圏からは、あるキャラクターの好きな食べ物が、豚食などのイスラム教で禁じられているものに触れていないことから、「異文化交流の宣伝大使として起用できないか」という問い合わせもあったという。

そのほか、海外展開では、地域によって注目するビジネスの種類が異なってくるのだという。關口氏は、北米では輸出したコンテンツをもとに新たなコンテンツが生み出されていくことに目を向け、中華圏ではユーザーが参加できるアーティストライブやファン感謝祭などの各種イベント、ヨーロッパではコンテンツの世界観を体験できるテーマパーク的な展開などに可能性を見出しているのだそうだ。

そんな中、關口氏は「インターネット上で映像を見ることそのものが大きな価値を持つ時代が、もうすぐ終わる」と予測する。しかし、それはネガティブな意味合いではない。近年のアニメが生み出す多角的な展開は世界観、キャラクターのみならず、感覚や体験に至るまでが商品になる可能性を秘めており、国内で一般化しているライセンスの枠組み(パッケージ化権や商品化権、自動公衆送信権[※]、放送権など)に属さないライセンス形態が要求されるようになってきている。

(C) ヤング ブラック・ジャック製作委員会

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では、今後はいったい何が必要とされていくのか。この問いに対し、關口氏は「各地域の要求に合わせたオーダーメイドのカスタマーサービス」と回答する。既存の権利や概念に捕らわれることなく、いかに新しい価値観を創出していけるかが、これからの大きな課題になっていく――。TBSでは国内の各部署との連携を急ピッチで進め、来るべき新時代に備えつつある。

※=インターネットやセットトップボックスなどによる配信権

ヤング ブラック・ジャック」Blu-ray&DVD第4巻は3月23日発売予定。

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ヤング ブラック・ジャック

ヤング ブラック・ジャック 10

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