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インタビュー 2016年6月7日(火)20:00

ヒロインに罵倒される“ご褒美”サイト制作で大激論 「〈物語〉シリーズ」プロモーションチーム座談会(前編)

「『愚物語』刊行記念<物語>ヒロインに永遠に罵倒されるサイト」(月火ver.)

「『愚物語』刊行記念<物語>ヒロインに永遠に罵倒されるサイト」(月火ver.)

(C)西尾維新/講談社・アニプレックス・シャフト

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アニメと原作小説が巧みに融合した、ユニークなプロモーション展開をみせている西尾維新氏の「〈物語〉シリーズ」。「『愚物語』刊行記念<物語>ヒロインに永遠に罵倒されるサイト」、8bit風のブラウザゲームが楽しめる「『業物語』刊行記念特別サイト」等、ネット上で大きな注目を集めたのが記憶に新しい。その仕掛人であるプロモーションチームによる座談会を行った。

メンバーは、「<物語>シリーズ」の担当編集者である講談社の矢島真理子氏、博報堂のプランナー小島翔太氏、アマナ異次元の映像ディレクター・篠田利隆氏、カヤックでクリエイティブディレクションを手がける天野清之氏、アマナ異次元・プロデューサーの滝沢明日香氏の5名。和やかな雰囲気のなか、ざっくばらんに語ってもらった。

――いつ頃から、皆さんで「〈物語〉シリーズ」のプロモーションの仕事をされるようになったのでしょうか。

矢島:「終物語」中巻の刊行前あたりが最初ですね。博報堂さんを中心とするチームが、「〈物語〉シリーズ」の宣伝をしたいと自主プレゼンをしに来てくださって。書籍の宣伝展開は、よほどのメディアミックスが動いていないかぎり、広告代理店の方とご一緒することは基本的に無いんです。こちらがお願いしていないのに(笑)、この作品を宣伝したいとやって来てくれた方々のひとりが、アマナ異次元の滝沢さんでした。

滝沢:博報堂さんのプランナーの方々と一緒に、色々な提案をさせていただきました。「超西尾維新祭り」をやったらどうだろうという壮大な案も入っていて、いったい見積もりいくらなんだろうみたいな(笑)。そんなところから一緒にやらせていただくことになりました。

矢島:最初、「終物語(中)」は鎧武者が出てくる話だからということで、アニメイト秋葉原店さんにご協力いただき、本を大きな兜のように積み上げて飾るという宣伝を行いました。その後は、刊行ごとに必ず何かをご一緒させていただいている感じです。

小島:博報堂でチームの陣頭指揮をとっていたのは1つ上の先輩で、西尾維新先生の小説が大好きな人だったんです。その後、相談させていただける案件が増えて規模も大きくなり、社内で「〈物語〉シリーズ」が好きな人間を他にも入れようということになって僕が呼ばれました。

天野:僕は、滝沢さんから宣伝チームを紹介してもらったのが最初でした。最初の打ち合わせでは、たしか「MADOGATARI展」の話をうかがって「楽しそうな展示だな」と思っていたら、その翌週ぐらいに「実はものすごく(案件が)あるんですが、どのぐらいできますか」と言われて(笑)。「何でもやりますよ」とお返事して参加させていただくことになりました。

――話題になった「愚物語」のサイト(「愚物語」刊行記念<物語>ヒロインに永遠に罵倒されるサイト」)は、どんな経緯で作られることになったのでしょうか。

天野:打ち合わせでアイデア出しをしていて、「罵倒されるサイトを作ったらどうだろう」という話が出てきたんです。すごくキャッチーなアイデアだと思いました。よく覚えているのは、「この企画は100%バズらせられる」というフレーズで、たしか篠田さんに企画の説明をしたときも、同じ話をしたと思います。

篠田:そうでしたね。「こういう企画があるんだけれど、映像を繋いでほしい」という連絡が天野さんからありました。

天野:篠田さんとは、「〈物語〉シリーズ」に登場するキャラクターたちを細かく分析しながら、どのように映像を編集するか話し合いました。企画の骨格は「罵倒する」ことで、罵倒のセリフをしゃべっているシーンだけで繋ぐのが正しいんですが、各キャラによってニュアンスの違いがあるんですよね。例えば、神原(駿河)は性格的に罵倒の要素をそんなに多く入れなくてもよいのではないかとか。

篠田:「〈物語〉シリーズ」が好きな人にとって、(八九寺)真宵ちゃんに罵倒されるのは“ご褒美”じゃないですか。見ている人の気持ちが高まるような映像にしたいですし、「ああ、こういう並びでセリフを入れてくるんだ」とファンに喜んでもらえるようなものにしたかったんです。

天野:僕と篠田さんが一緒に作れば、相当エモーショナルな動画にできるんじゃないかって、勝手に自分の中で思っているんです(笑)。2人の中では、罵倒だけに終わらないチョイスにするのが大事なのではないかとなったんですが、その後、小島さんたちと大激論になって……。

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化物語

化物語 40

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