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インタビュー 2018年11月8日(木)19:00

「ANEMONE/エウレカセブン」小清水亜美、長年の夢が実現 アネモネとエウレカは大親友になれたはず

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2005~06年に放送されたテレビアニメ「交響詩篇エウレカセブン」を新解釈で描く「交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」。その第2作「ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション」が、11月10日から劇場公開される。テレビシリーズでは主人公のレントン・サーストンや、ヒロインのエウレカたちの前に手強いライバルとして立ちはだかり、今作「ANEMONE」では、“石井・風花・アネモネ”として主役を務めることになった小清水亜美に、公式コメントで「アネモネだけどはじめまして!」と言わしめた収録の裏側を聞いた。

――テレビシリーズの放送終了から12年の歳月を経て公開される「ANEMONE」ですが、小清水さんが「ハイエボリューション」の企画について知ったとき、どのように感じましたか。

小清水:3部作で劇場版をやるということで、アネモネが登場するかどうかはわからないという段階から、前作「ハイエボリューション1(以下「ハイエボ1」)」のためにスケジュールだけは押さえてあったんです。なので、詳しい内容はわからないながらも「(シリーズに)アネモネも出るんだな」と。それがいちばん最初ですね。結局、私の出番はなかったのですが、「ハイエボ1」出演者のみなさんから「懐かしかったよ」というお話を聞いていたので、テレビシリーズから目線を変えて描いていく物語になるのだろうなと、漠然と考えていました。
 ところが、その後「ハイエボ1」のDVD・ブルーレイに収録される「ハイエボリューション2 PV0」を収録する際、原稿を読んで「ホワッツ!?」となってしまいました。「私が……私じゃない!」みたいな(笑)。「ANEMONE」でのアネモネは、人型コーラリアンやスパイロボットではない普通の人間で、両親もいる日本人とのハーフ。しかも、大変なことになってしまうエウレカを助ける、ある種ヒーローのようなポジション……つまり、レントンが今までやってきたことを、アネモネがやることになるかもしれない、といったお話をうかがいました。しばし呆然としたあとに、「詳しくはわかっておりませんが、わかりました! 腹をくくって収録に備えようと思います!!」と言うしかなかったです(笑)。収録までに私がいろいろと予想をしても、「エウレカセブン」のスタッフのみなさんは、きっとその予想を上回ってくるだろうと思ったので、いい意味で深く考えずに「時を待とう」と。

――時が満ちての収録はいかがでしたか。

小清水:収録はCGパートからスタートしましたが、特に重要な部分を切り取ったシーンの連続だったので、そこにいたるまでの流れをスタッフのみなさんに確認しながら、慎重に演じました。たとえば、エウレカとアネモネが対立しているシーンの次に、手をとり合っているシーンを収録したりしたので、その間に何があったのか、あるいはなかったのかを把握する工程が必要でした。それによってアプローチの方向性が変わってきますから。
 収録では、当時のテレビシリーズではできなかったことができたのが、とてもうれしかったです。それは「アネモネとエウレカが、飾らずに会話する」ことでした。テレビシリーズでのアネモネとエウレカは、ずっと敵味方の立場で、2人がそれぞれにひとりの女の子として向き合うことはできませんでした。でも、さまざまなしがらみを取り払うことができれば、きっと2人はこれ以上にない親友になれると思っていたんですよ。誰よりもお互いのつらいところ、そして、幸せなところを分かちあえるんじゃないかなって。「ANEMONE」でのアネモネとエウレカの関係はテレビシリーズとは多少違いますが、長年の夢が実現して、とても幸せです。

――今作でのアネモネは、テレビシリーズとは大きく異なる背景を持ったキャラクターになっているようですが、演じるにあたって戸惑いはありませんでしたか。

小清水:過去に一度演じたキャラクターではありますが、当時と同じように演じるのは違うなと考えました。たとえ肉体的には寸分違わないとしても、育ってきた環境や経験によって、同じ振る舞いをするようにはなりませんから。たとえば、お金持ちの家に生まれるのか、貧乏な家に生まれるのかで、学んでいくこと、人格形成がまったく異なると思うんです。共通点は意識しつつも、生い立ちの違いによる“石井・アネモネ・風花”という子を、どう演じるべきなのかは、とても繊細な命題でした。
 リアルにお芝居を考えていくとそういった考えになるのですが、その一方で、見てくださるお客様……特にシリーズのファンのみなさんにとっては、やっぱり“あのアネモネ”でもあるんです。ですから、もしかしたら風花ちゃんの生い立ちからは生まれなかったかもしれない“アネモネらしさ”みたいなものも、意図的に織り込んでいます。そうして“石井・風花・アネモネ”を演じていくことは、楽しくもあり、プレッシャーでもありました。

――小清水さんが考える“アネモネらしさ”とはどういったところなのでしょうか。

小清水:テレビシリーズでのアネモネは、情緒の不安定さが際立っていたと思うんです。安定感がなく、いつも感情の起伏が激しい。そして、それすらも心の痛みとして感じてしまう。だから、常に苦しくて……。「本当はそんな生き方をしたかったわけではないのに、そうなってしまってどうしよう」ともてあましている感じが常にあります。物語のラストまで言葉に出しませんでしたが、「誰か助けて」とずっとSOSを発し続けていたのがアネモネでした。戦い方も刹那的で「戦いの中で死んでしまえば楽になれる」とすら考えるくらい追い詰められていました。
 一方、「ANEMONE」のアネモネには、情緒の不安定さにつながるような苛烈な生い立ちはなく、大好きなお父さんがいなくなってしまったことで、心を閉ざしている。テレビシリーズのような起伏の激しさではなく、表に出てくる部分としては振り幅が狭く、実年齢よりも大人びて見えてしまうという感情の表れ方で、“痛み”の質が違っています。背伸びをして、大人になろうとして“自分の力だけで生きていかなくちゃいけない”という、ある意味ではより現実的な“痛み”を抱えているんです。作中では、そんな彼女がエウレカと出会うことで感情を発散できるシーンもあり、それがなければ、目に見えないかたちで壊れてしまっていたのではないかなと思います。本当に感情を失って、何をしても何も感じなくなってしまっていたかもしれない……そんな危うい境界線の上にいましたね。

作品情報

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション

ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション 12

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