2019年4月23日(火)16:51
富野由悠季監督、キャリア55年を総括する展覧会が初開催 「ガンダム」「イデオン」など出品点数1000以上
展示作品は現段階で1000点超(選定中)
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「機動戦士ガンダム」など多数の人気アニメーションを手がけてきた富野由悠季監督の仕事を回顧・検証する初の展覧会「富野由悠季の世界」の記者発表会が4月23日、都内で開催された。富野監督は、会場となる各美術館の担当学芸員らとともに登壇し、本展に対する思いを述べた。
本展は、富野監督の55年にわたる仕事を、6部門のテーマに分類することで「演出術」をひも解いていく。富野監督が手掛けた膨大な作品の映像的本質やメッセージを、セル画、原画、設定資料、準備稿、初期稿などを演出意図に沿う形で厳選展示しながら検証。展示作品の選定は現在も続いており、出品点数は現段階で1000点を超えているという(会場ごとに展示内容が一部異なる)。
「第1部 宇宙へあこがれて」では、幼少期~大学生の作品と、「鉄腕アトム」「海のトリトン」「勇者ライディーン」「無敵超人ザンボット3」を対象に、創作の原点や初期作品を紹介し、「第2部 人は変わってゆくのか?」は「機動戦士ガンダム」「伝説巨神イデオン」を特集する大規模コーナー。「第3部 空と大地の間で逞しく」は「無敵鋼人ダイターン3」「戦闘メカ ザブングル」「OVERMAN キングゲイナー」や“意外と知られていない作品”、「第4部 魂の安息の地は何処に?」は「聖戦士ダンバイン」「ガーゼィの翼」「リーンの翼」「重戦機エルガイム」などをとりあげる。
「第5部 刻の涙、流れゆくその先へ」は、「機動戦士Zガンダム」「機動戦士ガンダムZZ」「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」を通して「ガンダム」シリーズ化の流れや“ニュータイプの結末”を考察。さらに、家族をメインテーマに据えた「機動戦士ガンダムF91」「機動戦士Vガンダム」「ブレンパワード」の制作意図を解説する。「第6部 大地への帰還」では、「∀ガンダム」「ガンダム Gのレコンギスタ」などをピックアップする。
福岡、兵庫、島根、青森、富山、静岡で開催予定
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各美術館(全6会場)の学芸員に担当作品を割り振るという手法で展示構成などを進め、「これまでにない、画期的なアニメ展覧会」を目指しているという本展。富野監督は「演出という仕事は、感覚的であると同時に観念的な作業」であるため、本展の企画に対し「(公式サイトに掲載されている)コメントにも書いた通り、『概念を展示するなんてことは基本的にできない』ということに関しては意見を変えるつもりはありません」と率直な思いを明かした。
そのうえで、訪れる人々に向けて「メディアが果たすべき役割、コンセプト、メッセージをどのように伝えるのか。どのようなコンセプト、メッセージを伝えなければいけないのか。そういったことを考える課題みたいなものを、『富野由悠季の世界』は含んでいるのではないかと感じていただければ」と呼びかけ、「アニメであっても、そういうようなメッセージ性、ドラマ性を含むことができるのだということを、実験的かもしれませんけれども、自分なりにやってきたつもりです。そういうようなところを、この催しに来てくださる方に何か読み取っていただき、新たな生き方の方向性を発見していただければありがたいと思います。礎になるような展示であってくれたらいいなと『富野由悠季の世界』は望んでおります」と願いを込めた。
本展は、2019年6月22日~20年秋に全国6会場で巡回開催される。会期は、第1会場・福岡市美術館が6月22日~9月1日、第2会場・兵庫県立美術館が10月12日~12月22日、第3会場・島根県立石見美術館が20年1月11日~3月23日、第4会場予定の青森県立美術館が20年4月18日~6月21日、第5会場予定の富山は20年7~9月、第6会場予定の静岡県立美術館は20年9~11月に行われる。観覧料は一般1400円、高大生700円、小中生500円で、図録・非売品ポスター付きチケットが5000円。
イベント情報・チケット情報
- 富野由悠季の世界【福岡】
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- 開催日
- 2019年6月22日(土)
- 場所
- 福岡市美術館(福岡県)
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