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イベント 2019年7月19日(金)07:00

新海誠監督作「天気の子」最速上映に潜入 世界初の“目撃者”たちの感想は?

新海誠監督&野田洋次郎がサプライズ登壇

新海誠監督&野田洋次郎がサプライズ登壇

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新海誠監督の3年ぶりとなる最新作「天気の子」の世界最速上映が7月19日午前0時、東京・TOHOシネマズ新宿と大阪・TOHOシネマズ梅田で行われた。映画.comは、1200人の観客が集ったTOHOシネマズ新宿での上映に潜入(TOHOシネマズ梅田には1000人が来場)。上映終了後には、新海監督と音楽監督を務めた「RADWIMPS」の野田洋次郎がサプライズで登壇するというひと幕もあり、世界初の“目撃者”たちにとって忘れられない一夜となった。

TOHOシネマズ新宿3Fロビーに溢れかえる観客たちのなかには、ユニクロとコラボレーションした「新海誠作品コレクションUT」を着用した人々が多く見受けられた。天候の調和が狂っていく時代に、運命に翻ろうされる主人公の少年・森嶋帆高(醍醐虎汰朗)とヒロインの少女・天野陽菜(森七菜)が自らの生き方を“選択”する物語。3つのスクリーンを“占拠”して行われた世界最速上映――エンドロールが終わり、場内の明かりが灯った瞬間、万雷の拍手がスクリーンへと注がれた。

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映画.comが立ち会ったのは、スクリーン9での上映だ。感動に浸る観客に対して、深々とお辞儀をした新海監督は「どうしても皆さんに感謝を伝えたかった」と胸中を吐露し、ともに登壇した野田とハグを交わす。「皆さんがこの映画を見て、どのように感じ、楽しんでいただけたのか、笑っていただけたのか、泣いていただけたのか――どうでしたか?」と問いかけると、再び大きな拍手が巻き起こった。

一方、野田は「(本作は)新海さんの挑戦の歴史でもあるし、僕も途中からその船に乗らせていただいた。本当に冒険の旅でした。僕は2年間、新海さんは3年間をかけてつくり上げた映画。“最初の目撃者”として目の当たりにさせていただいて、本当に幸せです。作品が気に入ったら、大切な人に、大事な人に届けてほしいです」と思いの丈を述べていた。野田は同スクリーンでの挨拶では気丈に振舞ったが、別スクリーンでの登壇時には思わず感極まり涙を見せたようだ。

そして新海監督は、7月18日に多数の死傷者を出した「京都アニメーション」での痛ましい事件についてコメントを残した。

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新海監督「僕たちは、1枚でも良い画を描きたい、少しでもお客様に楽しんでほしいと思いながら、アニメーションの仕事をしています。(京都アニメーションで働く人々は)少しでも観客に楽しい思いをしてもらうために、映画を作っている仲間だと思っています。(今は)ご冥福をお祈りするしかない。皆さんに届くものを今後も作りたいですし、京都アニメーションの作品も見たい。これからも怯むことなく作り続ければ幸せなのかな、そうすべきなのかなと思っています」

上映終了後、“目撃者”たちに話を聞くと、様々な感想を聞くことができた。東京在住の女性2人組は「わりと際どいところを攻めてきたなという印象です。帆高&陽菜、そして大人たちを対比させた描き方に注目しました」「『君の名は。』から新海さんを好きになった人は、どう見るのだろうのかという点も気になる」とのこと。同じ高校に通っていた大学生グループからは「新海誠さんらしい映画であったことは間違いない。海上での雨の使い方、ドローン撮影を想起させる“立体感覚”のある描写が新しい」「『RADWIMPS』が大好きなんですが、音楽と映像がマッチしていた! 野田さんの登壇はマジで驚きました(笑)」と語っていた。

「ほしのこえ」から新海作品のファンだという名古屋在住の30代男性は「実写映画以上に、今の2019年を描いていると思った。新海監督だからできたことだと思う。今日はひとりで来たけれど、家族や大切な人と、また見たいと思った」と絶賛。「RADWIMPS」のファン同士だという20代の男女は「『君の名は。』から、絵も音楽もさらにすごくなった。やっぱり新海監督とRADWIMPSは最強のタッグ!」(男性)、「凄すぎて、どう感想をいったらいいのか…言葉がでてこないです。改めて、自分の周りにいる人を大切にしないといけないと思った」(女性)と興奮冷めやらない様子だった。

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30代の女性は、付き添っていた友人の隣で涙が止まらない。「大変なことがあるけれど『僕たちはこの世界で生きていく』というメッセージを受けとりました。『京都アニメーション』の事件でも感じましたが、“嫌なことばかりの世界”だけどそこで生きていかなければいけない――結果としてですが、タイムリーな映画だと感じました」「新海監督は、今の大変な世の中でも、その状態を肯定してくれる。その気分を、きちんと作品へ落とし込んでくれる監督だと思います。若い人に必要な映画だと感じました」

20代の大学生カップルは「色んなサプライズがあって、すごい現場を見てしまった。事前に情報を入れずに見てよかったです。鑑賞中だったとしても、思わず相手に話しかけたくなるほどの作品」「『君の名は。』は“綺麗な作品”だったけど、今回は“アンダーグラウンド”。周囲の人々が厳しくもあり、汚い人間も出てくる。(展開は)ファンタジーなんですが、ファンタジーらしさがあまりないので、感情移入しやすかった」と告白。千葉から訪れた20代の男性2人は「新海監督らしい“心の距離の表現”が失われていなかった。BGMの使い方も上手いですし、天気が主人公の心情を表している。『君の名は。』における彗星は、多数の人にとっては綺麗なものとして映りますが、被害を受ける人々にとっては脅威。今回は“晴れ”というものが、帆高と陽菜にとってどういう存在なのか。その点が見応えがあった」と意見を述べた。「賛否が大きく分かれる要素がある」という新海監督の言葉に反して、多くの絶賛評が集まっていた。

天気の子」は、本日午前9時から上映全劇場359館(448スクリーン)にて初回一斉上映が行われる。

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天気の子

天気の子 13

「あの光の中に、行ってみたかった」。高1の夏。離島から家出し、東京にやってきた帆高。しかし生活はすぐに困窮し、孤独な日々の果てにようやく見つけた仕事は、怪しげなオカルト雑誌のライター業だった。彼...

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