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インタビュー 2020年1月6日(月)19:00

森久保祥太郎と「魔術士オーフェン」の20年 役者としての柱になった先輩からの言葉

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魔術士オーフェン」は、原作小説がシリーズ生誕25周年をむかえる人気ダークファンタジー。20年ぶりのアニメ化「魔術士オーフェンはぐれ旅」では、1998、99年放送のテレビアニメで主演を務めた森久保祥太郎が、引き続きオーフェン役を演じる。同シリーズを自分のキャリアを語るうえで絶対に外すことができないと語る森久保は、20代の頃に「オーフェン」で共演した先輩声優からかけられた言葉が、役者としての柱になっているという。自身の20年を振り返りながらの取材となった。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部)

――最初のテレビシリーズは、声優デビューから間もない頃の作品ですよね。

森久保:最初のテレビシリーズ「魔術士オーフェン」は23、24歳の頃の仕事です。その後、第2期「魔術士オーフェンRevenge」が終わって10年以上経って、ドラマCDに参加しました(※「キエサルヒマの終端」「約束の地で」/新装版「魔術士オーフェンはぐれ旅 魔術学校攻防」初回限定版付属、2012年)。その間、原作者の秋田(禎信)先生はずっと「オーフェン」を書き続けられていて、ドラマCDで僕は、40歳をすぎて子どももいるオーフェンを演じました。そのドラマCDの評判がよかったのと、ずっと原作を追いかけてくださっているファンの方々の盛り上がりのおかげで、もう一度アニメ化しようと動きはじめたと聞いています。こんなに長いお付き合いをさせていただけるとは思っていませんでした。

――オーフェンをもう一度演じられると知ったとき、どんなお気持ちでしたか。

森久保:新シリーズでキャストが変わることはよくある話ですから、もう一回僕にとお話をいただけたのは本当にうれしかったです。20年前にやった役をもう一度テレビアニメシリーズでやるのは初めての体験で、「声優を続けてきてよかったな」とあらためて思う瞬間でしたね。今回のアニメ化は間違いなく、ずっと書き続けてきた秋田先生の情熱と原作ファンの方々の応援、そして「オーフェン」シリーズに関わり続けてきたスタッフの方々の強い思いで成り立ったことだと強く感じています。あらためて感謝の思いがわきました。

――製作発表のとき森久保さんは、「オーフェン」を「声優としての自分のキャリアを語るうえで、絶対に外すことができない作品」とコメントされていました。

森久保:「オーフェン」のアニメが放送された1998年は、香盤表の最初に名前がでる役をやらせてもらえるようになってきた時期でした。声優になったからには、いつか主人公をやってみたいという願いがかなった年です。
 当時はメディアミックスの黎明期で、今では当たり前になっているラジオ、ゲーム、CDや歌など、いろいろなかたちで作品を楽しんでもらうプロジェクトがはじまった頃でした。「オーフェン」も当時のプロデューサーから「この作品で10年やっていきます」と聞いたのを覚えていて、初めての楽しい体験がたくさんありました。そういう意味でも「オーフェン」は僕のキャリアのなかで外せない1本ですし、20年もの年をまたいで再びアニメ化されることに、この作品のもつ強さを感じています。
 もうひとつ大きいのは、オーフェンが僕のなかで止まっていないということです。原作が書き続けられてきていますし、僕自身ドラマCDでは中年のオーフェンを演じてもいます。また、原作小説の朗読(※オーディオブック配信サービス「Audible」で配信中)もやらせてもらっています。そんなこともあって、今回の収録のとき、思っていた以上にすっと作品に入ることができたんですよね。ずっと作品と並走してきたような感覚があります。

――「はぐれ旅」のアフレコは、いかがでしたか。

森久保:マイク前で「我は放つ光の白刃!」と言えたときは、うれしかったですね。「言ったー!」みたいな、いい気分でした(笑)。現場もとてもいい雰囲気で、クリーオウ役の大久保瑠美さんは最初のアニメ放送時は小学生で、その頃から原作を好きで読んでいたと聞いて驚きました。「オーフェン」を読んで育ったり、「オーフェン」をきっかけに声優になったりしたようなメンバーとご一緒できています。
 僕はふだん、「主人公だから座長だ」みたいなことはあまりやらないのですが、この作品では収録現場を盛りあげていきたいと意識していました。共演する皆さんの「オーフェン」への愛がマイクにのるような雰囲気にできたらなと思っていて。20年前は僕がいちばん下っ端で、いろいろな先輩に本当に助けていただきましたから、それと同じことを今回はできたらなと。

作品情報

魔術士オーフェン はぐれ旅

魔術士オーフェン はぐれ旅 31

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