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インタビュー 2020年9月9日(水)19:00

村田太志&松岡禎丞、「針の穴に糸を通すように」一心に紡いだ「海辺のエトランゼ」駿と実央の恋 (3)

「特別な大恋愛じゃなくても」
“駿と実央の恋”に込めたメッセージ

――担当キャラクターの魅力はどこだと思いますか。

(C)紀伊カンナ/祥伝社・海辺のエトランゼ製作委員会

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村田 駿の良いところでも悪いところでもあるのですが、はっきりしなかったり、女々しいところがあって、女々しいが故に実央を傷つけてしまったりするという。女性から見たらちょっと頼りないかもしれませんが、そういうところが人間くさくて、愛おしいと言いましょうか。そういうところを補ってあげたいなという気持ちにさせてくれるキャラクターだと思うんです。実央との関係においても、お互いの気持ちを大事にしたいなという思いはあるけど、余裕がなくて傷つけてしまったり、遠ざけてしまったり。特別じゃない、一般男性が持っている女々しい部分があるというところが「かっこいいキャラクターもいいけど、ちょっと足りない部分があるキャラクターもいいな」と思わせてくれます。

(C)紀伊カンナ/祥伝社・海辺のエトランゼ製作委員会

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松岡 実央は感情をストレートに出せる子で、そこがすごく魅力的です。普通の人だったら、相手の気持ちを考えて躊躇してしまうことでも、それが「相手の嫌なこと」ではないと確信がもてればガンガンいけるので、すごく気持ちのいい子だなと思いますね。「押してだめなら押してみろ」というような(笑)。

村田 (笑)

松岡 そんな感じじゃないですか?

村田 名言が出たと思いました(笑)。

松岡 実央は自分の感情を大事にして、駿に対して躊躇なくいける。そこで、駿は引いたりするんですけど、(実央は)くじけないという。

――本作を通して受け取ってほしいメッセージはなんでしょうか?

(C)紀伊カンナ/祥伝社・海辺のエトランゼ製作委員会

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村田 特別な大恋愛じゃなくても「人が人を大事に思う」という、シンプルなことが大切なんじゃないかと気づかせてくれる作品だと思います。それって、当たり前だけど、なかなかできないことかもしれません。沖縄の風景だったり、猫だったり、駿と実央を取り巻く人たちだったり。物語を彩るそういった要素も、「人が人を思う」ことの大切さを伝えるうえで欠かせないと思います。心に抱えたイライラやモヤモヤを払拭してくれる作品ですね。

松岡 先ほど話した「実央の真っすぐな生きざま」という意味でも、すごく背中を押してくれる作品です。なので、この映画を通して、ものすごく伝えたいことがあるとしたら……「好きって言っちゃいなよ」と。

村田 (笑)

松岡 (笑)。「後悔するより」という意味でも、それぐらい背中を押してくれる作品だと思います。あとは、「こういう世界に行ってみたい」とも思わせてくれる作品です。海がきれいで、映像のなかで風の動きまでもわかるほどに丁寧に作られています。見終わった後に、「よかった」と静かに噛みしめてもらえるような作品になっているので、ぜひ見ていただきたいです。

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海辺のエトランゼ

海辺のエトランゼ 3

小説家の卵の橋本駿と海辺に物憂げに佇む少年、知花実央。ふたりのドラマと美しい沖縄の自然を、光、色彩、音、すべてにこだわり丹念に描く。静かにくり返す波の音。満天の星空。ゆったりと流れていく時間。訪...

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