村田太志＆松岡禎丞、「針の穴に糸を通すように」一心に紡いだ「海辺のエトランゼ」駿と実央の恋

「海辺のエトランゼ」村田太志＆松岡禎丞インタビュー

(C)紀伊カンナ／祥伝社・海辺のエトランゼ製作委員会

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紀伊カンナ氏の人気漫画を劇場アニメ化した「海辺のエトランゼ」が9月11日から公開される。沖縄の美しい自然のなかで、小説家の卵の橋本駿と両親を亡くした少年・知花実央の“初々しく、もどかしい関係”を描いた本作。駿役の村田太志は「針の穴に糸を通すような作業でした」とアフレコを振り返り、実央役の松岡禎丞も「常に繊細なものを求められました」と声をそろえる。どこまでも美しく繊細な作品世界の裏には、スタッフの妥協なき姿勢、それに応え続けたキャストの奮闘があった。（取材・文・写真／編集部）

待望のアニメ化――脚本を前に「責任を持ってやらなきゃ」（村田）
「テスト当日までは、怖さの方が大きかった」（松岡）

――劇場アニメ化が決まり、脚本をご覧になった際の印象はいかがでしたか？

村田　シーンが厳選されていて、スタッフさんが「どこをどう表現すれば『海辺のエトランゼ』の良さが伝わるか」ということを考えているのが垣間見えたので、身震いとともに「責任を持ってやらなきゃいけないな」と思いました。

松岡　「ここからはじまって、ここが到達点で、ここで終わる」というように、「（ストーリーの）流れをうまく落とし込めているな」という印象が一番でした。同時に「すごく繊細なものを求められることになるな」という“怖さ”もあり、「今まで積みあげてきたものを全部出しきれる現場でもあるのかな」とも感じました。テスト当日までは、怖さの方が大きかったですね。

――特報PVの段階から映像の美しさが際立っていました。ドラマCD出演時からアニメ化を熱望されていたそうですが、特報PVをご覧になった際、どのような感想を抱かれましたか。

村田　（大橋明代）監督、スタジオ雲雀さん、紀伊先生はじめスタッフの皆さんが“本気の表現力”をPVの一瞬に込めてくださったので、武者震いに近い感覚ありました。自分が思っていたものを上回るものを持ってこられると、それに（声を）かぶせたいという心理が働くのか「良い相乗効果が生まれる予感」がしました。

松岡　本編を録る前に、別日でPVのアフレコがありました。その時（の映像）はカラーでしたよね？

村田　カラーでしたね。

松岡　PVの収録の時点で「映像からくる力をここまで感じられるなんて、本編を見たらどうなってしまうんだろう」と思いました。背景の描き込みだけでも「花をこんなに細かく描く!?」と思いましたし。すごく繊細な映像でした。

――そういった映像は、おふたりの演技にも何かしらの影響を与えているのでしょうか。

村田　おおいに助けられましたね。PV収録は、待ち望んでいたもの（アニメーション映像）が目の前にあるという、すごく良い状態でやらせていただきました。

松岡　PV収録はカラーで、本編収録は色がついていない状態でしたが、その時点で絵から伝わってくるものがありました。キャラクターひとりひとりの表情から彼らが言わんとしていることわかる、絵が教えてくれる。絵に助けられたという意味では、土台がしっかりしているので、ありがたかったですね。

アフレコは妥協なし！「魂を込めましたね」「熱い現場だった」

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